春ダイコンを5月末から、種播き後ほぼ2ヵ月で穫り始めました。
種播きした後、マルチの上から不織布をべた掛けし、ここまで掛けたままにしています。

ダイコンにあまり虫は付かないと思いつつも心配なので外せないでいました。
不織布が大きく盛り上げっていますが、広幅なので問題はありません。

ここまでくれば大丈夫と思うので全て外すことにしました。
品種は「春の都」と「新春蒔総太り」の2品種。何れも青首で、トウ立ちのしにくい晩抽性品種です。
「春の都」の方が多く、「新春蒔総太り」は古種を使用。
今は無理な早播きはしないようにしていますが、今年は予報を確認しつつ例年より1週間ほど早い3月末の種播きです。
早播きで心配になるのは低温に遭遇してのトウ立ちです。
今年は正にその懸念が当たり、間引きし1本立てにした時点でかなりのリスクがあると思われました。
種播きして1週間ほど気温がまったく上がらず、最低気温が氷点下まで下がった日もありました。
ダイコンの花芽分化はシードバーナリゼーション(種子感応型)で、発芽し始めに低温に遭えば感応します。
晩抽性品種の特性を確認する格好の場ともなりました。
こちらがトーホク種苗の「春の都」。

出だしは低温で遅れたものの欠株はなく、その後はまずまずの生育。一見したところ悪くなさそうに見えます。

懸念されたトウ立ちは一寸見には見られず、まずは一安心。
しかし、よく近づいて生長点を確認すると花芽が見えました。やはり異常低温には感応していたのです。

但し、トウが伸び出しているのはありませんでした。
葉の枚数は十分に確保されているので、これなら実害はないものと判断できます。
しかし、放置すればトウが伸び出すためほんの少しでも伸びたら直ちに摘みます。
昨年は種播き後から気温が高く生育が進みましたが、今年は若干の遅れと言ったところ。

春ダイコンは収穫を早めに開始しないと穫り遅れのものが出やすいので適期より少し早めに穫り始めます。
例年の目安は種播き後50日を過ぎたあたり、今年は数日遅れてスタートしました。
青首はもう少しと言った感じです。

穫ってみました。

やや短くまだ尻太りがイマイチです。もう少し経てば尻太りもよくなってくるでしょう。
こちらが「新春蒔き総太り」。

ちょっと見には「春の都」と区別がつきませんが、よく見るとこちらの方が葉色が濃く葉の切れ込みが細かい。
例年「春の都」より数日遅れるので、今年も同様のようです。

花芽は肉眼でははっきり確認できませんでした。晩抽性が優るのか生育の違いに因るのかはもう少し経てば分かるでしょう。
収穫した「春の都」を洗ってみました。

長さと肉付きはもう少し欲しいところです。日数が経てばより良くなるでしょう。
肌は綺麗で青首はもっと鮮やかになると思います。
心配したトウ立ちの実害は免れ、美味しい春ダイコンが穫れました。