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里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

水墨画「ミディトマト」(Mr.浅野のけっさく)

2025年07月06日 | 水墨画:菜果
本画仙 色紙


ミディトマトを水墨で描いてみました。
我が家ではメインの大玉トマトがまだ穫れていません。穫れているのは番外で作っているミディトマト。
ミディトマトと言うのは通称、一般名は中玉トマトです。
文字通り大玉トマトと小玉(ミニ)トマトの中間のトマトで最も新しいジャンルのトマトと言えます。
小生が若かりし頃のトマトと言えば大玉に決まっていたものでした。
その後、ミニトマトが世に出、さらに両者の良いところ取りとの売りで出てきたのがミディトマトです。
よく知られていると思われるミディトマトがタキイ種苗の「フルティカ」で我が家でも長く作っています。
今年はもう1品種作っており、当県にある渡辺採種場の「Mr.浅野のけっさく」。先月末から穫れています。
実は小生、Mr.浅野とは50年来の旧知なのです。
10数年前になるでしょうか。同社の研究農場に同氏を訪ねた折り育種したばかりのミディトマトを紹介されました。
いよいよ発売するに当たり品種名をどうしようかとなったところ、社長が非常に気に入り「Mr.浅野のけっさく」でいいじゃないかと言うので参ったよ、と話されていました。
そして、その通りの名で発売されたのですから育種者冥利に尽きると言うものでしょう。
品種名に育種者の名字を付けるのはたまに見かけますが、Mr.やけっさくまで付けるのは極めてユニーク。
育種者をリスペクトしつつ実需者の耳目を集めることができれば何よりと言えます。
発表されてからかなり年数も経っていますが、当地方では近年よく見かけるようになりました。
ホームセンターなどでは苗も売られるようになっています。
中玉としてはやや小型ながら味が濃く美味しいミディトマトでMr.浅野の長年の労苦が窺えます。



墨彩画「大麦」

2025年06月22日 | 水墨画:菜果
画仙紙 半切1/3 

6月になると一度は描いてみたくなる画題が大麦です。正確には6条大麦。
幼少の頃は、我が家でも大麦を作っていました。
穂は6列に規則正しく並んでおり、その一粒一粒から長い芒(ノゲ)が伸びています。
その姿に憧れにも似た男性的な力強さを感じるのかもしれません。
特にモチーフにするのは色づく前の青々とした大麦のことが多い。
小生は時折大麦の集団栽培地を通る機会があります。5月下旬から色づき6月中旬がピーク。すでに刈り取りは終わりました。
水田転作による大麦の栽培ですが、今年は面積が少なくなっているようです。
昨年来のコメの高値により、あるいは一部を水稲の作付けに変えたのかもしれません。
今回はすっかり黄金色になった大麦を、初めて墨彩で描いてみました。



水墨画「苺」

2025年06月01日 | 水墨画:菜果
本画仙 色紙



以前にも書きましたが、イチゴの旬はいつと言うべきでしょう?。
自然栽培で一番美味しく食べられる収穫のピークに向かう頃とするなら、当地では正に今です。
関東以西なら5月と言うことになるでしょうか。
ところが、この時期自然の露地栽培のイチゴが店に出回ることはほぼ皆無です。
昔は我が家でも作っていました。東のダナー、西の宝交早生と言われた時代、品種は極めて限られていました。
しかし、経済栽培は成り立たず露地のイチゴは半世紀前に姿を消しました。
作られているのは趣味のイチゴのみです。
出回るのはハウスのイチゴだけで、最も早くは11月中から半年以上も穫り続けられます。
最初のピークを需要の高まるクリスマスを目指す方も多く、そういう意味ではクリスマスの頃が旬と言ってもあながち間違いとは言えないかもしれません。
但し、これはあくまで促成栽培であって品種も促成栽培向けのものです。
イチゴは冬季低温に遭うと休眠に入ってしまいまともに生育しなくなるので、温度と日長をコントロールして栽培します。
そうすると生育は維持され花房が次々と伸び、春まで収穫が続きます。穫ろうと思えば露地栽培よりも遅くまで穫れます。
価格も安くなり次作の準備もあるので適当なところで打ち切るというわけです。
露地栽培では冬季に休眠に入り過剰なほど低温に晒された後、春に花が咲き実を結びます。
春には休眠はすっかり覚め株は旺盛に茂りますが、花房は秋に花芽が出来た1つだけしか出ません。
そのため促成栽培と違い収穫期間は僅か2、3週間で終わってしまいます。これがイチゴの生理現象です。
描いた水墨画は収穫盛りのイチゴに新たな花房の花が咲いているところです。
露地栽培ではこのような姿になることはないので、モチーフはハウス栽培のイチゴと言うことになります。


水墨画「人参とほうれん草」

2025年02月02日 | 水墨画:菜果
本画仙紙 色紙

ニンジンとホウレンソウの組み合わせで水墨画を描いてみました。
健康を保つ上で欠かせないとされる野菜の中でも取り分け重要とされる緑黄色野菜。
その中でもニンジンとホウレンソウは連想される品目の最上位にランクされるかもしれません。
この2品目には様々な栄養素が含まれますが、最も大きいものがβ-カロテン。
このβ-カロテンも品種や収穫する時期によって違うことが知られています。
一般論ですが、やはり色の濃い品種は含量が多い傾向にあるようです。
そして、収穫時期では冬場の方が高まるのはほぼ一致します。これは生育期間とも関連します。
夏ホウレンソウは1ヶ月も掛からず収穫されますが、厳寒期の冬ホウレンソウは100日以上を要することも珍しくありません。
β-カロテンの含量が生育日数の違うほどに差があることがデータ上にも表れています。
ところで、ニンジンとホウレンソウと言うと、小生が幼少の頃、子供の嫌う野菜の双璧だったように記憶しています。
かつては何れも味や香りが濃く個性が強かった気がします。それが品種改良が進みF1が多くなり、万人に好まれる癖のない品種に変遷してきました。
果たして現代の子供たちはどのように感じているでしょう。


水墨画「凍み豆腐」

2025年01月20日 | 水墨画:菜果
画仙紙 半切1/3
    

今日は二十四節気の第24大寒。
正に一年で最も寒さの厳しくなる時期で、今年はその通りになっているようです。
異常な暖冬だった昨年は大寒とは思えないような陽気だったと記憶しています。
それと比べてしまうので今季はいかにも厳冬の感覚になりがちですが、当地はこれがほぼ平年並と思われます。
酷寒の年なら最低気温ー5℃以下を連日記録することが多く、真冬日も出現します。
今冬はまだ一度もその様になっていません。とはいえ一番寒い時期であることは確かです。
しかし、昔は明らかに今より寒かった。そして、厳寒期には凍(し)み豆腐を作っていたことが思い出されます。
過日、その凍み豆腐を頂いたので描いてみました。
関東では凍(こお)り豆腐、西日本では高野(こうや)豆腐が一般的でしょうか。
凍み豆腐は厳寒期に豆腐を寒風に晒し、凍結と解凍を繰り返すことでできる保存食です。
幼少の頃で記憶も曖昧ですが、我が家で作った凍み豆腐はわらで編んで吊したわけではなかった気がします。
「わらだ」と呼ばれる竹で編んだ大きな道具に豆腐を並べ寒風に晒していたように思います。
凍み大根や凍み餅も同様にして作ったような。半世紀以上も前のことです。