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里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

プール育苗'25~追肥し再入水

2025年04月27日 | 水稲プール育苗

プール育苗の苗は種播き後17日目になりました。
2日前に追肥をし、2日おき再び入水しました。
これが追肥した時のものです。


出だしは天候が悪く想定より少し遅れましたが、その後は気温が高く生育は順調。本葉2枚目がほぼ展開しました。
本葉1枚展開時に入水を開始したので5日でほぼ1枚生長した訳です。むしろ少し進んでいるくらいになっています。
前日にハウスの両サイド1列の苗箱を反転させました。僅かの差ですが生長の後れている側を内側にしました。


サイドに最も近い部分は気温が少し低くなるため伸びが若干悪くなります。
よく気をつけないと分からないくらいながらも、やるに越したことはありません。
反転後は箱の向きが反対になり苗の伸びの良い方がサイド近くになります。


これで全体の苗がより揃うようになります。
ここで追肥をします。
培土の表面が見えるまで水が減ってきたタイミングで追肥するようにしています。肥料が定着しやすいと思われます。
プール育苗では液肥が推奨されていますが、我が家は箱数も少なく在庫の硫安を使うことにしています。
但し、プール育苗では肥料が全てプール内に留まります。硫安は濃度障害を起こしやすいので注意が必要です。
通常の育苗の場合は1箱当たり硫安現物で5gですが、1.5gと1/3以下です。
実際には水100ℓに硫安現物300gを溶かし、1箱500ccを目安にジョウロで灌注します。


10ℓのジョウロを使用し20箱分です。


灌注後は軽く散水し、葉に付いた肥料分を洗い落とします。
そのままの状態で2日おき肥料を床土に定着させます。


2日おいたことでプールの水も少なくなりました。ここで再び入水します。


水の深さの目安は床土の上2㎝くらいまで。


入水時間は蛇口を目一杯開いて約30分。


もう一方のベットにも同様に入水し、これで追肥と再度の入水は完了です。
ここまで苗が伸びると水の深さはそれほど気にする必要はなくなります。
但し、他の作業をしているうちに溢れさせたことがあり、油断は禁物です。
この後は、常時床土の上まで水を保つように入水します。
これは床土を水に覆われた状態に保つことで病害の予防効果があるとされるからです。
もっともプールに水が無くなるようなことがあっても床土には十分に水が残っており2、3日は大丈夫。
通常の育苗のように乾きすぎて焼けるようなトラブルは起きません。
普通は数日に一度の入水で十分。しかも時間は何時でも都合のつく時でかまいません。
プール育苗は水に保温効果があり伸びやすいためハウスは昼夜解放したままにします。
著しい天候異変がなければプール育苗では毎日の灌水やハウスの開閉から解放されます。
順調に生育しており、やや伸びすぎの方が心配になってきました。


プール育苗'25~入水を開始

2025年04月20日 | 水稲プール育苗

プール育苗の種播きをして10日目です。
想定よりは1日ほど遅れたものの概ね順調に生育し、プールに入水を始めました。
掛けていたシルバーポリトウを剥ぎます。


その下に掛けている不織布(ラブシート)を剥ぎます。
シートが少し盛り上がっているのが分かります。薄らと緑がかっているのも分かります。


これまでシートに守られていたので急に強い直射が当たると葉焼けを起こしやすい。
ラブシートは一挙に剥がず、片側ずつ剥ぐようにします。


発芽が良く揃いました。朝露がまだ付いたままです。


本葉1枚目が展開したところ。入水を始めるのにはちょうど良いタイミングです。
プールに入水を開始します。


蛇口を最大に開くとホースが動きやすいため金具を付けて重しにしホースが動かないようにしています。
入水の目安は全ての育苗箱の上に水が上がるまでです。
通常、最初の入水は培土の表面以下としているようですが、我が家では培土が完全に隠れるまで入水します。
培土を水で覆うと病害の予防効果があるとされているからです。
均平はとれているとは言うものの高低差が全くないわけではありません。
そこで実際の目安は、一番深いところでも苗が水没しないように、且つ一番浅いところで苗箱の上まで水が上がるように、です。
箱の縁まで水が上がっているかをよく観察します。この辺りがベットの一番高いところのようです。


ここまで水が上がれば全ての箱に水が上がり、入水は終わりです。水没しているところもないことを確認しました。


もう一方のベットもラブシートを剥ぎ、同様に入水を開始します。


こちらのベットも目安のところまで入水しました。


例年、生育が若干遅れ気味になるのが南側ベットのサイド近く。これで見ると左端付近です。


東西向きの育苗ハウスでは南側サイドの近くは気温が低くなりやすい。
そこで例年苗の生育を揃えるため苗箱を反転させ生育を揃えるようにしています。
今のところあまり差が見られないことからもう少し経ってから対応を考えます。
これで最初の入水は完了です。


入水時間は水道の蛇口全開で両ベットとも30分弱でした。
2回目の入水は数日後になりますが、漏水などのトラブルが生じる可能性もあるのでに注意深く観察はします。
プール育苗は水の保温効果により普通の育苗より苗が伸びやすくなります。
そのため、ハウスのサイドビニールは大雨や暴風などの天候異変がなければ昼夜とも解放するのが基本です。
はじめはこのくらいで、気温と生育を見ながら解放面積を広げていきます。


普通の育苗では毎日のようにビニールの開閉や灌水が必要ですが、プール育苗では必要がありません。
近隣でもプール育苗が多数派になりました。


プール育苗'25~薬剤灌注と覆土補充

2025年04月17日 | 水稲プール育苗

プール育苗は種播き後7日目。天候が悪く少々遅れましたが、発芽が揃いました。
ここで薬剤の灌注と覆土の補充をしました。
好天の時は屋根に遮光シートを掛けて作業をします。


まずシルバーポリトーを剥ぎます。


シルバーポリトーは再び掛け直すのでハウスの両サイドに寄せておきます。
不織布(ラブシート)を剥ぎます。


タイミング悪く雨や曇りの日が多く少々不安でしたが、想定よりは1日遅れたものの発芽はよく揃いました。


無加温育苗では発芽が一番心配です。取り敢えずは第1段階はクリアしました。
我が家では完全に芽出しをしているので、その効果が大きいと思っています。
ただ無加温育苗では発芽する際に覆土が持ちあがりやすいため、それを抑えるのを兼ね薬剤の灌注を行います。
通常、薬剤の灌注は種播きの一連の作業の中で行うのが普通です。
しかし、灌水量との兼ね合いが難しいため我が家では発芽を確認した段階で行っています。
使用する薬剤はタチガレン液剤。


立枯病予防だけでなく、発根促進やムレ苗防止にも効果があります。
500倍液をジョウロで1箱当たり500CC灌注します。


10ℓのジョウロなので、1回で20箱分です。


灌注をすると、持ち上がった土が落ち着き覆土の薄いところは種籾が見えてきます。


種籾が見えなくなる程度に覆土を補充します。
覆土補充後。


今年は覆土の補充が必要なのは僅かだけでした。近隣でやる方はあまりいないようです。
これで薬剤灌注と覆土補充の作業は終了。再びラブシートを掛け直します。


シルバーポリトーも掛け直します。


本葉1枚が展開するまでこの状態を保ちます。3日後くらいになるでしょうか。


プール育苗'25~種播き

2025年04月10日 | 水稲プール育苗

プール育苗の種播きをしました。
プール育苗を始めた当時は多少やり方を試行しましたが、もう20年近くは微調整程度で大きくは変わっていません。
すでに育苗箱はプールに並べてあります。
まず早朝に芽出しをしていた種籾をタンクから引き上げ水を切ります。
その後、ゴザに広げてさらに水気を取ります。


完全に乾かす必要はなく手で播きやすい程度に水分が取れれば大丈夫です。
種籾は前日夕方時点でほぼ芽が出ているのを確認し、さらに一晩経っています。
例年よりは若干短めですが、目標通り100%の芽出しになっています。


無加温育苗のため不安なのは発芽。完全な芽出しの状態になっていれば多少条件が悪くとも発芽不良には滅多になりません。
通常の芽出しは鳩胸程度が目安。器械播きなら完全な芽出しは支障があるかもしれませんが、手播きなので大丈夫。
播種量は1箱当たり乾籾で120~130g。催芽籾で約230CC。
我が家では分かりやすいように1升マスで測ります。それで今年は若干厚めの7箱を目安にしました。
田植え時に植え付け本数のセットを少し減らし育苗箱数を節約することを試行してみることにしました。


種播き前に苗箱に軽く散水します。これは土の表面を僅かに湿らせ播き具合を見やすくするため。


種播きは手作業です。
昔、ハウス育苗を始めた頃は手動の器械を使って種播きから覆土まで終わらせ、そして並べていました。
しかし、プール育苗を始める以前の両親が健在だった30年以上前には並べてから播くやり方に変わっていました。
器械を使うには3人は必要になりますが、手播きなら一人でも可能です。
マスで種籾を測り目安の枚数を少し薄めに播き、その後補正して仕上げるようにします。
この程度で目安の播種量です。


手播きなので箱からはみ出る籾も出ますが気にしません。プールで勝手に芽が出て伸びていますが問題になりません。
これで半分。


途中から助っ人が応援に来てくれました。これで播き方は終了。


次は灌水。
これが最も気を遣います。発芽するまではプールに水は入れません。
発芽が揃いシートを剥ぐようになるまで土が乾かぬように、そしてプールに水が溜まらぬ程度にです。


小生の経験則では、育苗箱の土の表面に水がわずかに浮き出る程度です。


一度掛けで済まそうとすると灌水ムラが出やすい。何度か往復し土に水を馴染ませながら目安の状態にします。
次に覆土。
種もみが隠れる程度が目安です。


これも一度で済まそうとするとムラになりやすい。一通りかけ終わったら補正します。
時間が経つに従い水分が上がり、覆土の薄いところは種籾が見えるようになってきます。
次にシートを掛けます。
まず不織布(ラブシート)。


その上にシルバーポリトウ(80#)。


シルバーポリトウはしっかり密着するようにし、周囲を直管パイプで抑えます。


初めの頃はシルバーポリトウ1枚だけでした。そのため葉焼けの出ることがありました。
不織布(ラブシート)と二重掛けすることで葉焼けのリスクは低減します。
これで一連の種播き作業は終了です。
このままの状態をほぼ1週間保ちます。
以上が我が家流の種播きですが、プール育苗ではそれぞれの条件に応じた様々なやり方が考えられます。

プール育苗'25~育苗箱並べと同時に種籾催芽(芽出し)

2025年04月09日 | 水稲プール育苗

水稲の種播き前日にプールに育苗箱を並べ、同時平行で種籾の催芽(芽出し)を行います。
ハウスの屋根には遮光シートを掛け、好天でも換気はせずに気温を下げるようにしています。


通常は種播きの一連の作業を終わらせてからハウスに育苗箱を並べるのが一般的です。
我が家もハウス育苗を始めた当時はそうでした。しかし、両親が健在だった30年以上前には種播き前に並べるようになりました。
但し、種播き前日に並べるようになったのはプール育苗を行うようになってからです。
作業時間を分散し、翌日の種播きを早めに終えることが出来るので、ハウスの気温を確保しやすい。
高齢者にとっては体への負担が少なくて済むのが何よりです。
過日、土入れを終えた育苗箱はハウスの両妻の空きスペースに積んであります。


より楽に作業が出来るよう育苗箱はプールに近い方の妻側から育苗箱を運ぶようにします。
通路が広く、1列ずつ並べれば良いので楽にできます。


プールの両端は1箱分くらい開けて並べるようにすると、入水や育苗箱を移動する際やりやすい。


プールの枠と育苗箱の間隔は数㎝開けて入水する時の流れを良くします。


通常、育苗箱を並べるのは種播きから覆土まで一連の作業を終わらせてからなので、かなり重く体への負担が大きい。
一方、この方法は乾いた床土厚さ1㎝だけなので軽く、高齢者にも負担が少ない。
但し、灌水をしていないため床土が動きやすいので乱暴に扱うのは厳禁です。
無理せず少しずつ運びます。これで片側に積んである分は並べ終えました。
プールに余裕があったので中央にも空きスペースを設けることにしました。


反対の妻側に積んである育苗箱を並べれば終了です。


育苗箱並べと同時平行して種籾の催芽(芽出し)を行います。
一般的な芽出しの目安は鳩胸程度。しかし、我が家の目安は100%の完全な芽出しです。
我が家は発芽器を用いない無加温育苗。したがって発芽が最も不安で、発芽が揃えば半分は成功と言っていいくらい。
そこで、まず種播きの段階で完全な芽出しをするようにしています。これでかなりリスクが軽減されます。
種播きは器械を用いず手播きのため完全に芽出しをしても支障がありません。
その芽出しも催芽器を持っていないため我流の芽出し法です。
浴室のシャワーに簡単な仕掛けをし、塩ビパイプでお湯をタンクに引き込みます。


引き込み時のタンクのお湯の温度を35℃くらいになるよう設定し、種籾をお湯に漬けます。


育苗箱並べをしながら時折温度を確認し、25℃くらいに下がったところでお湯を入れ替えます。
天候にもよりますが、大概は3回程度。数回と思っていれば間違いはない。


完全な芽出しが目標なので1昼夜半掛けるつもりで段取りしています。
これが我が家の種播き前日の育苗箱並べと催芽(芽出し)の作業です。