里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

水墨画「五箇山」

2022年08月07日 | 水墨画:風景他
画仙紙 全紙2/5  

7、8年前になるでしょうか。白川郷とともに世界遺産に登録されている五箇山を訪ねました。
その時の合掌造り集落をモチーフに3年前に墨画会への出品作を描いたのですが、まだ記録せずにおりました。
過日、白川郷の茅葺き屋根合掌造りの水墨画を描きました。この機に、少々古くなりましたが、記録に留めることにしました。
作品名は「五箇山」。
白川郷は三度訪ねていますが、五箇山は初めてです。
地理的に容易に訪ねるのが難しかった。それが東海北陸自動車道の全面開通で、北陸観光の後、楽に訪ねることが出来ました。
五箇山の合掌造り集落は相倉と菅沼の2つの集落です。モチーフは菅沼集落。
高台に登ると集落を一望できます。
集落としては小さいのですが、これが画になります。
深山に沈むように静かに佇む姿は小生のイメージそのもの。ここを見ただけで旅の目的を達した思いでした。
一方で、長く都会と隔絶された豪雪地帯の厳しい日常に想いを馳せたことでした。
かつての主産業であった養蚕や塩硝の名残もつぶさに見ることが出来ました。
たまたまだったのかどうかは定かでありませんが、観光客が僅かだったことも秘境の雰囲気を一層醸し出していたのでしょう。
それが、当集落に住む方々にとって良いことなのかどうかは分りません。
都会から一時の観光のためでも沢山お金を落としてくれるような人ならいざ知らず、小生のような人間は一番嫌われる存在かもしれません。
ただ、里山の住人として、思いは共有できるような気がします。