里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

干し柿づくり'19~あんぽ柿からころ柿へ

2019年12月18日 | 干し柿づくり

 干し柿は、干し始めから約4週間。


 先週から今週にかけては少し気温が高いですが、それまでは気温が低く、空気が乾燥したため、順調に仕上がっています。


 柿の表面はきれいな飴色になり、乾きが進み、しわも深くなってきました。昨年よりほぼ1週間くらい早まっている感じがします。昨年のような大玉が少ないこともあるかもしれません。


 あんぽ柿としては、1週間前にはほぼ出来上がり、食べているのですが、中身も大分固まり、旨味も一層深まってきました。すでに吊している縄を寄せて間隔を狭めています。


今は完全に出来上がりました。自然に白粉が吹いてきているものがあります。


 ここからは、表面がさらに乾燥が進み、中のゼリー部分も次第に固くなって、あんぽ柿からころ柿へと移行していきます。


 あんぽ柿ところ柿の違いについては、主観的で、産地によっても様々に解釈されています。表面に吹く白粉の出具合や中身の硬軟の程度など、連続しているものなので、線を引くこと自体にさして意味は無いように思えますが、白粉がほとんど吹いていなければあんぽ柿、白粉が吹いていればころ柿というのは、見かけ的に分りやすいのかもしれません。あとは、個人の好みの問題で、身内の中にも軟らかいあんぽ柿から白粉の沢山吹いた硬めのころ柿まで、結構好き好きあるようです。
 これはわずかに白粉が吹き始めました。

中身も大分固まり、旨味が出てきました。


白粉は触ったり揉んだりすることで表面が刺激され糖分が吹いて出来ます。あんぽ柿の状態を保つには、できるだけ刺激を与えないようにしないといけませんが、我が家ではあんぽ柿から白粉を沢山吹かせたころ柿まで色んな味を長く楽しみます。
 これははっきりと白粉が出てきました。


 干し柿はこれまでは表面を乾燥させ、中身をある程度固くさせることが主眼でしたが、これからは、軟らかさを保つことが必要になります。
 そこでこの辺りで昔からやられているのが「寝かせる」という作業。稲わらを敷いてその上に干し柿を縄に付けたまま寝かした状態で隙間なく並べ、その上をまたわらで覆い、さらに真冬は防寒具で覆います。そうすることで適度の空間と温度湿度が保たれ、あまり固くならず白粉も吹いてくるというわけです。
 我が家でも母健在の頃は、これをやっていました。しかし、今や無理というもので、より簡易な方法で行っています。


 これは、助っ人が叔母から教わったと言い、やってくれるので助かります。干し柿を吊したままきっちりと寄せ、それを紙袋で覆います。完全ではありませんが、直接空気にさらされないようにしてある程度の空間が保たれます。


紙袋は30キロの米袋が便利です。米袋は3層になっているため、内の1枚を外すと綺麗な状態で使えます。一定期間この状態を保った後は、干し柿の様子を見ながら室内に取り込み、わらは使わないものの段ボール内に「寝かせ」ます。