そぞろ神の物につきて―日本列島徒歩の旅の記録

  (2008年 日本海側)
  (2011年 四国八十八ヶ所)
  (2014・15年 太平洋側)

徒歩の旅 第11日 熊本連泊 

2009年02月02日 | 2008年日本海側の旅
4月21日 (月) 晴 (「ユースピア熊本」に連泊)

休養日につき、熊本城を見学に行くことにし、9時30分にユースホステルを出る。途中で水前寺駅前郵便局のATMで2万円おろし。
家から持ってきた靴下の内、1足の右足に穴があいてしまったので、「シェルパ」という登山用品店で、靴下を2足買う。
ところで、九州の岳人たちはどんな山に登っているのかな?


熊本城に着き、須戸口門から入城。


若葉隠れに見えるのもなかなかの風情。








熊本城は、1607年に加藤清正が築城したことを記念し、2007年から08年にかけて「築城400年祭」の催しをやっている。
城の石垣は、「武者返し」と呼ばれ、始めは緩やかな勾配が上部に行くにしたがい垂直に近くなり、敵を寄せつけないようになっているのだそうだ。特に、江戸幕府にとっての仮想敵と考えられていた薩摩藩に対する備えとして、南側が堅固な構造になっているとのことである。






本丸前の広場から。


実戦重視の城だとはいえ、やはり天守閣は美しい。


本丸に入ると、熊本城の城郭模型がある。


その拡大。


途中の階では築城400年の催しの展示がある。細川家の文物や西南の役に関するの展示など興味深かったが、中でも神風連の斉藤求三郎のオランダ語学習ノートには驚かされた。国粋主義者がかくも丁寧に外国語を学習し習得しようとしているのを知り脱帽。すごい人物というのはどこにでもいるものだ。


天守閣から、明日たどる道の方面を確認しようとしたが、よく分からなかった。天気は晴れ遠くは春霞の中に消えていた。混雑してきて写真を撮らなかったのが残念。
天守閣を降りて、下の広場で武者絵のぼりの写真を撮る。


たくさんはためいていたが、絵柄はやはり清正の虎退治が多い。


天気もよく観光客もさらに増えてくる。


備前堀跡の緑が眩しい。


神風連の大田黒伴雄、加屋霽堅、斉藤求三郎らの激戦跡の石碑を見る。




馬具櫓。


坪井川と櫓。


最後に加藤清正像。


自宅などへお土産を送るため、道端に腰掛けていた老婦人に尋ねると、交通センターの地下の売り場がいいとのこと。「五十四万石」という和菓子を薦めてくれたが、こちらの目当ては「陣太鼓」。さらに地下街で昼ご飯を買い、辛島公園のベンチで食べる。
帰りは、市電通りをめざして「熊本一の繁華街」のアーケードの中を抜け、昨日通った市電に沿った道を水前寺に戻る。駅前局でエクスパックを買い、ザックの重量軽減のため自宅に送り返す品々を梱包、発送。
ユースの夕食は、ビーフステーキやエビフライなどの洋食だった。
今日は天気もよく、美しい城も見学できて、豊かな一日だった。明日からもまた頑張って歩こう。

経費   4,919円    累計  46,357円
歩数  (19,093)歩    累計には加えず。
距離      (?)km    累計には加えず。

徒歩の旅 第10日 熊本市  ユースピア熊本へ

2009年02月01日 | 2008年日本海側の旅
4月20日(日) 晴 (「道の駅竜北」~熊本市 「ユースピア熊本」)




早朝4時30分頃、道の駅の売店の準備だろうか、数人の男たちがドヤドヤガヤガヤ。大声で喋りはじめたので目が覚める。うとうとしつつも、5時に起床。牛乳とカロリーメイトだけの朝食。足痛は相変わらず。
6時30分、「道の駅竜北」を出発。


昨日に続き、広々とした田園地帯を行く。


麦の穂が豊かに実りつつある。


江頭あたりで、右側の川に鯉が泳いでいる。ちょうど地元神奈川県の大船の川を小規模にした感じである。
はじめは蓮華田など見ながら行くが、
熊本市郊外のためか、高速道路に乗る車のため歩道がなくなっていたり、大変遠回りだったりした。それでもバイパスは舗装が新しいので歩きやすい。周囲にもこれといった高層建築もないから空が広い。
8時05分、道路わきに「景行天皇の御遺跡」がある。熊襲平定のための九州遠征時に立ち寄ったということらしい。


8時10分、わかりにくい分岐があり、「左熊本」とあるのだが、3号線は右である。ちょうど来た高校生に聞くが分からず、歩道橋に上がって確認。


9時15分、松橋(まつばせ)に入ると、ところどころに小花壇がある。そばにそのつど星野富広さんの詩が書かれてある。「たち止っていいんだよ ふり返っていいんだよ そこに美しいものを見たのなら すわりこんで ずうっと見ていて いいんだよ 星野富弘作 管理団体 曲野北部老人会」と。ここのところ歩くピッチが早くなっているようで、やや反省。


蓮華田はあざやかなピンク。


しばらく行き、68歳の男性と出会って話しながら歩く。熊本市内に住んでいる自称「現役」サラリーマン。この近くに別荘があり、週末に来て周辺を散歩するのが楽しみとか。歩いて日本列島を旅する人なんて初めて、記念に写真を撮らせて、と言われる。さらに行くと中年の男性ドライバーの車が寄って来て少し話す。何処から来たのか、何処まで行く予定か、ザックの重さはどれくらいか、等々。方向が同じなら乗せて行ってやろうと思った、とのこと。あいにく方向は逆で、かつこちらは歩き旅のため、丁寧にお礼を言い、激励されて別れる。また、長距離トラックが2度ほど警笛を鳴らすので見ると、運転手が手を振ってエールを送ってくれている。こちらも手を振る。
10時15分、松原で3号線が右折すると、市街地に近づいた雰囲気である。


10時40分、途中に、「甘酒万十」ののれんがある店で「饅頭」ではなくて「万十」を5個買う。老夫婦二人きりで商売していたが、きめ細かいこしあんがとてもうまい。お茶のペットボトルを飲みつつ、食べながら歩く。


10時50分、「門司 200km」のキロポストを過ぎ、
11時05分~20分、コンビニで牛乳、おにぎりを買い昼食。
11時30分、緑川橋で一級河川緑川を渡る。


本当に緑色をした川の水だ。


11時35分、豊肥線を越えて世安交差点を右折、熊本市街地をさまざまな色に塗られた市電の写真を撮りつつ行く。熊本市は生活の足として市電が大活躍という印象をうける。
 

 







今日は素泊りなので、食料入手のためユースホステル手前でスーパーに寄り買い物。トマト、きゅうり、バナナ、りんご、おにぎり、コロッケ等々。
15時、「ユースピア熊本」着。連泊の手続きをする。ユースホステルの宿泊費は当日払い。ここは、11日前、自宅から鹿児島県指宿へ向かう途中の4月9日にも泊まったユースホステルである。あの時は雨だったっけ。あっという間の10日余りだ。


部屋は一人きり。風呂でゆっくり汗を流し、昼間の「万十」の残りを味わいながら食べる。


経費  10,230円     累計  41,438円
歩数  46,227歩     累計  460,496歩
距離  30km       累計  293km