一定の距離を保っていれば、いつまでもいてくれる。人なつっこい野鳥である。
元旦から連日晴天に恵まれた今日、今年初の英会話を楽しんだ、午前10時を過ぎていた。多摩川での野鳥撮影に出向く。最初に出会ったのはブッシュでうろうろするシメであった。カワラヒワの集団と違い、1羽での行動である。近くの竹林が住処と思え、時々お目に掛かる。独特の固体で、顔付きは厳めしいが、静かな野鳥である。直ぐに飛び去ったが、年が明けて直ぐに出会うとは、幸先がよいと思う。この時期ベニマシコがセイタカアワダチソウの枯れた種子等を餌にする。カメラマン仲間から既に飛来しているとの情報を得ているが、なかなかお目に掛かれない。
いつもとは逆の方向へ河川敷を歩いていたら、サイクリング自転車に乗った初老の外国人がにこやかな笑顔で挨拶を送ってきた。自転車を止め、どうやら、何か言いたげであった。とっさに出た英語で会話が始まった。この河川敷を運動のため、よく走るという。野鳥に興味があるようで、この地には20年近くなると言っていた。一頻り野鳥の話で盛り上がり、イギリスの徴兵で、キプロスを皮切りに東南アジア各国にいたそうであるが、戦線ではなく、後方支援に当たっていたようである。
奥様は台湾で知り合って結婚したという。自分も生まれは戦後であるが台湾の高雄で生まれ、日本に引き上げたことを告げた。生まれたばかりで記憶にはないが、高雄というと直ぐにカオシュン(高雄)といってきた。奥様の出身も台南とのことである。除隊後は商社周りをしていたとのことであった。
趣味や住まいを聞かれ、写真撮影の範囲から、多摩川の自然と日本人の性質や、居住性等に話が及び、快適な我が国が気に入っているとのことであった。自然が残されているこの地が野鳥の住処として、日本人が大切にしていることにお褒めの言葉をもらった。30~40分の会話後、氏名を聞いて別れたが、思っていたよりスムースに英会話が出来たことをうれしく思った。
イギリス英語は訛りが無く、聞き取りやすかったのが幸いしたのかも知れない。それと一切緊張がなかったためか、相手も気さくに話すので波長があったのであろう。普段は英会話をする機会が全くといってないが、自らが積極的に話す機会を作ることが大切であろう。名前はセルフさんと言っていた。また出合う機会を楽しみにしている。会話はキャッチボールで、専門用語を連発する必要はないし、ごく自然でよいのである。楽しみながらの会話は人生を豊かにしてくれる。