あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

夢は第2の人世である 第136回

2024-06-04 09:26:35 | Weblog

 

西暦2024年睦月如月蝶人酔生夢死夢百夜

 

2024年1月

 

元旦にできたての詩を、知り合いにメールで送ったのだが、間違えて、隣のメルアドの人に送ってしまったのを、一日中気にしている。1/1

 

政府は、余のイタリア亡命をけっして許さず、言を左右にしながら、余を、この憂鬱と絶望の国に、未来永劫に亙って閉じ込めようとしているのだ。1/2

 

その町の中心部をぶらついていると、ビルの1階に映画館ともミュージックホールともつかぬ、およそ60人位が座れる劇場があったが、前方に向かって深く傾斜しており、その先端を見ることはできなかった。1/3

 

やがて敵が攻めてきて、前線を守っていたドイツ人兵士を殺し、次いで第2陣の国際義勇軍を殺してから、去っていったが、そのあとを、また別のドイツ人兵士が、守りについた。1/3

 

不思議なことに、そのAIは、私の作品を私の作品と認定しようとはしなかった、のが不思議だった。1/4

 

再び「宮中某重大事件」が勃発したので、かの西郷ドンをはじめとする大勢の重臣が次々に登城し、今上帝自らが企図した宮中クーデタは、完全な沈黙のうちに、幸か不幸か未然に阻止されたのだった。1/4

 

アートフェアは、毎年この界隈で開催されるのだが、イケダノブオは、自分のデザインは、私のコピーと、自分のカジュアルマインドと、西海岸のアートハートによって駆動されるんだ、とかなんとかいう話をぶち上げていた。1/5

 

「戦闘が終わった時には、必ず敵から奪った土地にいるようにせよ」という司令官からの厳命は、わが軍だけでなく、敵軍でも共通していたので、彼我の兵士たちは、お互いにこっそり相談して、司令官の知らない新領土に、知らん顔して君臨していたのよ。1/6

 

ボクらは、コロンビアの町に入って、映画スタアが着るようなド派手なTシャツを買ったが、とうとう一度も着ることはなかった。1/7

 

いよいよ戦前が戦中になったので、帝国軍が目抜き通りを行進するので、「わが社でも歓迎のモニュメントを製作して、窓から陳列しようじゃないか」と忖度上司が提案したので、おらっち「それは戦争協力じゃないか」というて反対したので。1/8

 

この頃、余の催眠術力は最高潮に達しており、会社の同僚たちの両肩に手で触れるだけで、連中は即「眠り男」、「眠り女」になって、幸せそうな顔をして、すやすや眠りこけるのだった。1/9

 

取り調べ室で「なぬ、まだ言い逃れをする気か。これが動かぬ証拠だあ!」と突き付けられた写真を急いで食いちぎったら、その食いちぎられた断片から、また別の写真が出てきたので、俺も刑事も驚いた。1/10

 

歌舞伎町の人がいつまで待ってもやって来ないので、ベンチの片隅にボストンバックを置いたまま、撮影現場に直行して、しばらくしてから戻ってきたら、影も形も見えなかった。そんなヤバイ場所に、貴重品を置きっぱなしにしたおらっちが阿呆だった。1/11

 

撮影現場では「終わったらメシにでもいきましょうか」と、ハスミ大先生と連れ立ったシバタさんから誘われていたので、そこへ向かおうとしたが、そのフレンチは、歌舞伎町にあったかしら。それにおふらんす映画社のシバタさんは、もはや泉下の人ではなかったか?1/11

 

城内は、出撃派と籠城派に真っ二つに分かれ、一触即発の情勢に陥ったので、家老が調停に乗り出し、どちらにするかを、城主の決断に委ねることになった。1/12

 

権力者は、10〇名の暗殺部隊者に命じて、我を現世から追放し、常闇の国に送りこんだのだ。1/13

 

一晩中、朝ドラのブギウギで、シュリが歌う下手糞な「恋しいお方は」とかいう、下らない唄が鳴り響いていたので、いつものようには、安らかな夢を見ることができなかった。1/14

 

余は、そのデパートメントストアから、すべての商品とにんげんを掃き出し、町の外に追いやったのよ。1/15

 

それまで、ええ恰好しいの君子聖人ぶりっ子で、局外中立に甘んじていた六角党、渡部党、笹木党なども、ついにたまりかねたように大刀振りかざして、広大な敵地に押し入り、切り取り次第に切り取った。1/16

 

ある反抗的かつ愛国的紳士の家に忍び込んだ女てろりすとの左手に輝くナイフを見たとき、彼は「これだ、これだ、これがオレの求めていたナイフだ!」と叫んだ。1/17

 

自動自転車に乗って南米コスタリカの田舎町にやってきたおらっちは、汗臭いTシャツを洗濯してもらおうと、一軒家に入ったが、そこの女主人が、あまりにも美人なので、圧倒されて、とうとう「洗ってくれ」と言い出せなかったよ。1/18

 

久し振りの手入れを受けたおらっちは、もう年だし、疲れ切ってもいたので、「あたらしいハッパをありがとうございます」というて、タイホされたのよ。1/19

 

今日は本屋さんから、余の本が着く予定なので、ずっと待っていたら、ようやく着いたので、大喜びでギュッと掴んだのだが、どういう風の吹き回しだか、猿沢の池だか、大沢の池だかに、ポチャンと落っこちてしまったのだ。1/20

 

広告担当のサトウ君は、北欧のメーカーとタイアップして、そのかっこいい木製品のインテリアの中に、自社のポスターを貼りたかったのだが、いろいろ揉めた結果、超だっさい国産メーカーの、超だっさいインテリアの中の、自社ポスターを見て、がっくりした。1/21

 

コロナが猖獗を極める中で、われは極悪ウイルスに汚染されたかもしれぬ古いグラブをば、真新しいグラブに取り換えて、試合に臨んでいたが、さっぱり戦果が上がらないので、また旧に復した途端、連戦連勝だった。1/22

 

家族、親類一同で大型クルーザーを借り切って、遠洋航海に乗り出したのだが、どこへ行くのか肝心な話を、船長とやり取りするのが中学生のレンちゃんしかいなかったので、太平洋上で、危うく遭難するところだった。1/23

 

庭に布団を干そうとしていたら、突然マイケル・ジャクソンの動画に出てくるゾンビ踊りをしながら、初老の男女数名が庭に入ってきた。その中の2名は縁側を跨いで青畳の8畳間に侵入しようとしているので、「なんだお前らは!勝手に我が家に入るな」と叫んだら、慌てて青い芝生が生い茂る庭に逃げ出し、ゾンビ踊りの仲間に加わった。1/24

 

念のために2階に通じる階段を調べてみたら、そこにも男か女かは分からぬ風体のゾンビが瞳孔を開いたまま呆然と座っているので、パシリを一撃お見舞いすると、ようやく目に光が蘇ったので、お前たちはなんでこんなことをするのだと訳を聞くと、驚くべきことを口走った。1/25

 

なんでも彼らゾンビは、かつて700年前の鎌倉時代にこの家が建っている所に住んでいたオオエヒロモトの従者たちだ、というのである。ここ鎌倉十二所に、鎌倉幕府の官房長官みたいな権力者であるオオエヒロモトの屋敷があったことは、知る人ぞ知る史実で、近所に立っている鎌倉青年団が建立した石碑にも刻まれている。1/26

 

このヨモタ訳の日本古典は、途轍もなく素晴らしい日本の美を照射しているが、それが竹取物語だったか、源氏物語だったか、はたまた枕草子だったのか判然とせず、もしかしてアンネの日記ではなかったか、とも思うのだった。1/27

 

確か2課のヤマサワ君と一緒に、杜子春のように極楽への梯子を昇っていたはずなのだが、あと一歩というところで、下から昇ってくる有象無象の仲間たちのアリのような姿を見たものだから、わっとよろめいて、真っ逆さまに地獄の池へ転落してしまった。1/28

 

ノーヴジュアル、ノーナレ、ノーロゴの、世界初のCⅯ作りに成功しちゃったよ。1/29

 

ヒゲタショウユが値上げしたので、全国からクレームが殺到したのよ。1/30

 

私は電器屋に勤めている時、主人に隣町への出張を命じられて、その都度冷蔵庫、洗濯機、エアコンなどを10点売上げてきたが、不思議なことに、それは同じように隣の隣町に出張している先輩と、同じ数だった。1/31

 

2024年2月

 

「可哀想だた、惚れたってことよ」、と歌うように叫んでいる奴がいるので、どうにも寝られない。斎藤秀三郎選手かと思ったら、「俺は『可哀は可愛』としかいうておらん」、というので、やっぱ広田先生とこの与次郎だあね。2/1

 

10年以上前に頼んでいた古本が、今朝やっと納品になったが、どうしてこんな本を頼んだのか、私にはさっぱりわからんかった。2/2

 

広大な荒地を平等に折半したのだが、こっちを掘っても、出るのは水ばかり。ところがあっちは、熱いお湯が、ジャカスカ湧き出るのだった。2/3

 

この人が新しいコンマスですというて、マネージャーが紹介した男は、3年前にわがオケの

第2バイオリニスト募集に応募して、見事落選した男だった。2/4

 

ふと思い立って遭難者の多い高峰の要所要所にビバークのための用具を設定して、目印のためにおらっちの名前を書いておいた。2/5

 

そこにはいろんなミュージシャンが、自分の部屋で録音した、たくさんのテープが捨ててあったので、それらを拾い集めて聴いてみると、公式発売された演奏よりも、はるかに面白かったずら。2/6

 

核戦争に備えて、庭にシェルターを造ってみたのだが、あまりにも小さすぎて、実用には適しなかったので、もっと大きなのにトライすることにした。2/7

 

いつも夢の中でたどり着いてしまう第2拠点に、新しい家をつくることにした。そうすればいくら夜遅くなっても、そこに泊まってゆっくり眠ることができるだろう。んで問題は、その場所が、夢の中でしか出てこないことだ。2/8

 

クトゾフ将軍が、突撃命令を出したにもかかわらず、貴族部隊も市民部隊も、無視したので、われらエタヒミン部隊だけが、コサック兵に襲い掛かったのだが、攻撃はしてもされたことが一度もない敵さんは、驚いて、必死に逃げ惑ったのよ。2/9

 

私は目の前に現れる敵を機械的に撃ち殺していたのだが、ふと見ると、非常に綺麗な娘が立っていたので、「お前いくつなの?」と聞くと、「18」という答えなので、なんでかしらんけど不憫の情に襲われて、爾後殺すのは止めてしまった。2/10

 

「たった一人の男のために、3人の男が捕虜にされるなんて、ナンセンスではないか」と名古屋の殿様がいうので、困ってしまった捕虜たちは、「それでは私は水軍に入ります」、「私は陸軍に入ります」、「空軍に入ります」と口々に言い立てたが、殿様は納得しなかった。2/11

 

彼は、自分が属する政党のランクを、いつもの満点の5点から、2点に初めて変更したところ、案の定、党首みずからが主宰する査問員会にかけられてしまったので、大いに後悔したが、後の祭りでした。2/12

 

1756年だか1891年だか忘れたが、ある特定の年号と、その年の記憶が、歴史年表から丸ごと抜け落ちていることに、今更ながら気づいた。2/13

 

なぜだか、おらっちの親戚の葬式は、おらっちの友人が、友人の親戚の葬式は、おらっちが担当し、同じ日の、同じ時間に、同じ会場で行われることにすることになったのよ。2/14

 

またしても伝染病で、大勢の大宮人が死んでしまったので、わいらあいつも験が良い近所の道長邸に避難して、嵐が去るのを待つことにしたずら。2/15

 

そのうちミシマユキオが下宿していた部屋の火事が、ますます激しくなってきたので、タニザキジュンイチロウが下宿していた部屋を借りていた我々も、すたこらさっさと急いで避難したのよ。2/16

 

雷撃を受けると同時に、大名時計が時を刻み始め、それは未来永劫続いていたのだった。2/17

 

商品計画と販売計画、それに加えて宣伝広告とが奇跡的にマッチしたキャンペーンを展開したのだが、さっぱり売れなかったので、スタッフ全員が集まって、反省会をもったのだが、誰も何もいわんかった。2/18

 

彼ほどの偉大な科学者が、ことあるごとに神社の籤をひいて、左右の進路を決めるのには心底驚いた。2/19

 

エンドウ上等兵以下、4名の兵士が何者かに爆殺されているというので、おらっちは昼メシ抜きで、現場に急行したのよ。2/20

 

おらっちは料理などやったこともなかったのだが、ラーメンくらいできないでか、と眦を決して作ってみたのだが、やっぱりこれがヒジョーに不味かったので、甚だ絶望した。2/21

 

さてそのビルジングの、ある部屋を覗いてみると、大勢のデザイナーやモデリスト、カラリスト、スタイリストが、その男の周りを取り囲むように座っており、いましもふぁっちょん講座が始まろうとしていたので、おいらは、すたこらさっさと逃げ出したずら。2/22

 

ジョージ・チャキリスとアラン・ドロンを足して2で割ったような面差しのアマミヤ氏が「ボク、これから国会突入のデモに行ってきます」と宣言したので、おらっち「それではあなたの着ているピエール・カルダンの青い背広を貰ってもいいですか?」と迫ったのだが、アマミヤ氏は何も言わずに立ち去った。2/23

 

おらっちは、僻地の分校の校舎で、阿呆莫迦テレビ番組をみたら、これがヒジョーに面白かったので、本校舎に戻ってからも、その阿呆莫迦番組をみつづけたので、とうとう阿呆莫迦人間に、なっちまったのよ。2/24

 

すべての予算を弟につぎ込んで、新プロジェクトをやってもらったのだが、失敗してしまった。やはり自分でやるべきだったのか。2/25

 

秀才クルクルパーマンは、メンボウ教授の退官講義を聴講したのだが、どうやらその内容をは、全部AIがつくったものらしく、クルクルパーマンは、メンボウ教授じたいも単なるアバターではないか、と考えたのだった。2/26

 

城主がご馳走するというので、手下を連れて、コントラクト鉄道に乗り込んだのだところ、軍と警察によって皆殺しにされてしてしまったが、わいらあと一人の部下だけは、危機一髪のところで逃げ延びた。2/27

 

いよいよ大動乱の時節になったので、民衆は、海に山に盆地に逃げ惑ったが、そこにかのヨシモト大明神が祭られていたので、皆でお伺いを立てたところ、「逃げよ、逃げよ、また逃げよ」という答え。「わいらあ、もうさんざん逃げまくっおるんですけど」というたが、返事はなかった。2/28

 

「おらっちの最後の叫びを、誰か後の世に伝えてくれないかあ」と、暗闇の中で叫んだが、誰も答えてくれる人はいなかったずら。2/29

 

ブルックナーの交響曲第8番の第4楽章をBGМにしながら、おらっちは、血みどろの戦場に向かって突撃したのだが、気が付くと、右手と左足が無くなっているのに気が付いた。2/29

 

 「ここで打て!打てば勝てる!」というときにだいたい打てないドジャース大谷 蝶人

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