照る日曇る日 第2072回
遅まきながら最近逝去された偉大な詩人のアンソロジーを、思潮社の現代詩文庫で読んでみる。
なんだか知らなかったが、この人は少女時代を外国で過ごし、そのライフスタイルからして完全に日本人離れしており、生と性と制作に猛烈な女性のような気がするが、60年代にはこのような女性はたくさんいたから、特にどうこういう必要はないのかもしれない。
「男根」とか「聖なる淫者の季節」とか凄そうなタイトルの詩が並んでいるが、発表当時はそれなりにセンセーショナルだったろうが、今となってはその内容も表現方法もしごくまっとうな、殆ど端正というてもいいようなものである。
詩作品の後に掲載されている「みえる」という作者の詩論を一読すると、詩に限らず芸術の発展を阻害し、生命力を衰弱させるのは、その単一化であり、それを打破して「いくつもの合わせ鏡」を持つためには、移植、雑婚、混交が必要だと書いてあるが、きっと彼女は、その通りのことを自らの人世でやってのけたのだろう。
「ジョーよ、選挙戦から降りよ」と神も言う選挙戦から降りよバイデン 蝶人