あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

白石かずこ著「白石かずこ詩集」を読んで

2024-07-08 11:10:02 | Weblog

 

照る日曇る日 第2072回

 

遅まきながら最近逝去された偉大な詩人のアンソロジーを、思潮社の現代詩文庫で読んでみる。

 

なんだか知らなかったが、この人は少女時代を外国で過ごし、そのライフスタイルからして完全に日本人離れしており、生と性と制作に猛烈な女性のような気がするが、60年代にはこのような女性はたくさんいたから、特にどうこういう必要はないのかもしれない。

 

「男根」とか「聖なる淫者の季節」とか凄そうなタイトルの詩が並んでいるが、発表当時はそれなりにセンセーショナルだったろうが、今となってはその内容も表現方法もしごくまっとうな、殆ど端正というてもいいようなものである。

 

詩作品の後に掲載されている「みえる」という作者の詩論を一読すると、詩に限らず芸術の発展を阻害し、生命力を衰弱させるのは、その単一化であり、それを打破して「いくつもの合わせ鏡」を持つためには、移植、雑婚、混交が必要だと書いてあるが、きっと彼女は、その通りのことを自らの人世でやってのけたのだろう。

 

「ジョーよ、選挙戦から降りよ」と神も言う選挙戦から降りよバイデン 蝶人

 


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