katsura's note

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友人からの手紙

2004年06月29日 | Weblog
旅行中、自宅に友人から手紙が届いていた。

送り主は、カナダにいた頃に同じ語学学校で出会った友達のあけみから。

あけみは、佐賀の一つ年上の女性で、
見た目は華奢で黙っているとカワイイ系なのに、
しゃべると、これが面白い!

なぜって、いつでも佐賀弁バリバリなのだ!
 ↑注意: 佐賀弁だから、面白いのではなく、
       あめみ+佐賀弁だからより一層面白い。
       コメントにしても、発言にしても、ちとユニークな人。
       いきなり、「うんさー、ぎゃんあっさ~とか言うのです。
       ね、わかんないでしょ?!(苦笑。

カナダにいた頃は、
語学学校の友達同士で日本語で話していても、
時々関西人や関東人には通じない、
独特の佐賀弁をいやおうなく発揮する。

もし分からない言葉に遭遇すると、
友人達はいちように、止まる。
一度表情がこわばるという感じ。

そして、みんなで私の表情を伺う。

なぜかというと、
私に通訳してもらうのを待っているのか、
もしくは、ケイコはわかっているのか?というように。

九州人であり、
福岡在住歴二十数年の私ですら、
全然理解できない、
想像すらできない言葉(=佐賀弁)があるが、
文脈、言葉の韻で大体は分かってしまうから、
関西・関東の友達が、時々驚きの表情を見せる。

それでも、あけみは
“なんでわからんとー?”と言わんばかりに、
言葉を標準語にすることなく、
会話を続けるのである。

恐るべし、あけみ。
されど、そんなあけみが大好きなのは私もみんなも同じなのである。

飾ることも、
かっこつけることもしない、あけみ。

そんな、あけみから手紙が届いていた。

今度は何が入っているのだろう?

封に書かれた字一つ見ても、あけみらしさが出ていて、懐かしく思うと同時に、
いろんな思い出の一つ一つが容易に思い起こされ、そんな感傷をよそに、手紙に何が書かれているのか、ワクワクしていた。

 (それにしても、あけみは県名を絶対に書かない。
  郵便番号があるとは言え、たまに郵便番号がないことすらある。
  送り先が福岡市だからいいものの、
  他の県に同じ市があったら、郵便局も困りものなのに…)笑。
  しかも、送り手の住所は町名からしか書かれていないこともある(苦笑。)

封を開けると、便箋一枚と写真が二枚入っていた。

写真に興味をそそられつつも、とりあえずぐっと我慢し、便箋を取り、読んでみる。

すると、

Happy Birthday, Keiko. と。

あけみが私の誕生日を覚えててくれたなんて、とても嬉しかった。

そして、こうやってバースデーカードを送ってくれるなんて。

あけみは、現在二児の母で、旦那さんの転勤先である大分県日田で生活している。

子供を保育園に入れることなく、二児の子守を一人でやっている。

母の世代であれば、
家庭に入って子育てに専念することは、
普通のことなのかもしれないけど、

働く女性の多い現代において、
仕事を辞め主婦になり、
子育てに専念している女性に、
私は尊敬の念を覚えることしばしば。

しかも、あけみがそうしていること。
それが、私にとっては、尊敬すべきことではないかと思うのだ。

行動的と言われる私より、実はもっと行動的なあけみ。

カナダにいた頃も、バンクーバーのようなところ(=街)じゃなくて、
「田舎がよかー」と言って、
バンクーバーから車で下手すると十時間位かかるところに、
当時23歳だったあけみは、女一人行ってしまった。

 (↑みんな多少なりとも心配していたものの、
   あけみだから、仕方ない…と思っていた節がある…)

何をしていたかというと、ファームステイ。
農作業をやっていた訳だ。

行けば気がすむだろうと思っていたら、
その後数ヶ月帰ってこなかった。

ファームステイは
実際農作業、酪農などの農業に携わりながら、
生活体験するというプログラムor滞在形態。

しかも、ファームステイと唄われている
ホームステイ+αと違い、

あけみが行ったのは、行き当たりばったり系。
身体がきついのは当然のこと。

だが、
とっても楽しかったそうだ。

ファームステイだから、
当然周りは男の人ばかりだし、
背は私より高いけど、
体重は40キロあるかないかという程、華奢なあけみ。

その彼女がバンクーバーに戻ってきた時のことは、
未だカナダ仲間の間で語り草になっている。

あけみがバンクーバーに戻ってきたのは、確か9月頃。

たまたまアパートにいた私のところに、
いきなり夕方電話をかけてきた。

で、どうしたの?と聞くと、

「明日、達也(あけみの当時の彼氏で現旦那さん)が来っさ。
 明日、うちが明日空港に迎えに行くことになっとーとやけど、
 今、ヒッチハイクでバンクーバーに帰って来よるんやけど、
 なんせ男の子もおるもんやから、つかまらんのよねー。
 やから、あんた、もし、うちが明日までにバンクーバーつかんやったら、
 達也ば、迎え行ってくれんね?」 っと。

私はとっさに、「ヒッ、ヒッチハイク???」と聞き返した。
この時点で、あけみはやらかしている。

ヒッチハイクなんて、男じゃあるまいし、危なすぎる。。。

「なんでバスにせんとよー?
 明日、彼氏がはるばる佐賀から来るのに、なんでヒッチハイクなん?」

と、私も方言混じりに話す。

すると、あけみは
「あー、まーね。
 バスにすればよかったとやけど、とりあえずヒッチハイクにしたとよ。
 途中まで来とうけんが、バスに乗るより早く着くやろーと思ったんやけど、
 どうも次(の車)がつかまらんくてねー。
 今からバス乗れるところまで戻るのも、大変やしねー。」 と。

ここで、私がなぜヒッチハイクにしたいのかを責めても仕方ないので、
とりあえずくれぐれも気をつけて帰ってくるようにということ、

そして、最悪の場合、
私があけみの彼氏さんを迎えに行くか、
友達が行くかするということを伝えた。

電話を切って、ふっと肩の力が抜けた気がした。

全くもって、

あけみらしい。。。
あけみらし過ぎる。。。

結局、あけみは夜遅く私のアパートに着いて、アパートに泊まり、
翌日彼氏さんを迎えに行くことができたので、結果All Rightという訳ではあるのだが、
それにしても、驚かされる、あけみには。

細い身体のどこから、
あのバイタリティーと、想像力と、判断力が発揮されるのか?

オモシロイ。。。

もし、あけみが間に合っていなければ、
初の海外旅行+初の一人旅であろう、
あけみの彼氏さんは、
いきなり初対面の私にあけみの友人と名乗られ、
空港か私のアパートで
あけみが来るまで待たされるなんて、
思っても見なかったでしょうから、
やはり彼氏さんにとってもかなりの衝撃ですよね。

もしかすると、あけみはどこかに連れさられているのでは?
とか、
この人(=私)は信用できる人なのか?
とか、
いろいろ想像をめぐらしたに違いない。。。

全くもって、驚き+はたすると迷惑かもしれない(苦笑。

話が脱線しましたが、
そんな、あけみなのです。

また、あけみとは一緒にメキシコにも行きました。
そこでもあけみらしさを十分に発揮してくれ、
おかげでとっても楽しく、オモシロク、意外性に富んだ旅となったことは言うまでもありません。

元々は私がカナダでスペイン語のクラスを取っていて、
そのスペイン語のクラスを受け持ち、教えてくれていた、
恵子先生(バンクーバー在住)が、
以前旦那さんの赴任先で暮らしたことのある、
メキシコに一緒に行きませんか?とお誘い頂いたのが、
メキシコ旅行のはじまり。

恵子先生はクラスのみんなに声をかけたのではなく、
あえて、私にだけ声をかけてくださり、
私だけ、もしくは私の友人も参加しても良いとのこと。

あまり大人数になるのは、連れて行く方も大変らしく、
結局、恵子先生夫婦、井上さん母娘、そして私とあけみの6人で行ったその旅行。

 (恵子先生ご家族と井上さんご家族はバンクーバー移住+リタイアされていて、
  どちらもご主人の海外赴任で海外生活を送られていた方々。
  滞在先も、イタリア、アメリカ、オマーン、メキシコ等
  なかなかすごい方たちでした。
  バイリンガルならず、トリリンガル+αですから、その点でもすごいのですが)

そんなVIPな方たちとの旅行でしたが、
みなさんとても気さくで、
優しくて、いろんなことを教わりました。

そんな中、あけみはどこに行っても、
あけみはあけみ(笑。

いつの間にか片言のスペイン語しゃべってると思ったら、
買い物する時はちゃんと値切っているのです!

言葉が通じない時やスペイン語が分からない時も、
物怖じすることなく、
ノンバーバルコミュニケーションで、
なんとか通じている様子。

やはり、すごい、この人!って素直に思えちゃうんですよねー。

そんなあけみを恵子先生ご夫婦も井上さん母娘さん達も、
寛容に受け入れてくださり、
また、共に笑い、共に過ごした時間をとても楽しんでくれていた様子でした。

いやー、あけみはすごい!と
カナダ時代の仲間をよく話すのですが、
ほんと、この人すごいんですっ!

そんなあけみ。

手紙には、子育てに追われているけど、
がんばっている様子だとか、
私がまた海外に飛び出すんじゃないかと、
半ば心配、半ば羨ましいとでも言わんばかりに、
いろいろ書いてくれていました。

二枚の写真は、
お家で撮った旦那さんと子供の写真。
ピクニックに行った時のあけみと子供達の写真。

旦那さんとも子供達とも対面したことある、私。

だから、懐かしいような、
それでいて、子供の成長ぶりなんかを見ると、
時間が経っちゃたんだなーとの思いも。

あけみの結婚式には、招待されつつも、
当時アメリカにいた関係で参加できなかった、私。

いやー、懐かしい思いがわっと沸き起こって、
さっき電話してみました。

すると、明るい声であけみが電話に出て、
「○○です」と名乗ると、
「ケイコねー!!!」 と。

懐かしい声のそばで聞こえる、
まだ1才の子供の声が聞こえつつも、
いきなり聞かれた一言。

「あんた、お昼休みね?」 と(笑。

思わず苦笑しつつも、
先々週で仕事を辞めたこと、
旅行に行っていたこと、
来月から東京で暮らすこと、等々…
話すと、

「あんた、よかね。
 そして、あんたらしかね。
 行動的やし。」 と。

私の方が、「いやいや、あんたの方がよ!」と言いたいところだったけれど、唐突にそういうのもなんなので、

もしあけみが独身で、同じように自由だったら、あけみの方がいろいろしてるんじゃない?と言うと、

「そうねー、そうかもしれん」と。

あけみも、あけみ自身のことを分かっている様子だし、
私の想像もまんざらあたっていなかった訳ではないようだ。

しばらく、懐かしい友達の話とかしていたら、
あけみが

「せっかくやけん、もっと話したかとやけど、
 上の子ば、幼稚園に迎えに行かないかんとよ。」と。

それで、電話を切ったのだけど、

いやー、あけみが手紙をくれたことがきっかけで、
私の近況を話せたこと(危うく東京行きのこと話そびれるとこでした!)、
あけみの近況を聞けたこと、
何より話せたことが嬉しかった。

カナダにいたのはかれこれ7年前のことだけど、
未だにあけみを含め、仲間とは交流があるし、
みんな各地にバラバラだけど、
心は通じ合っている気がして、
いや、通じ合っているから、とても嬉しい。

全員での再会は無理にしても、
これからもこういった貴重な友達とは、
できるだけ再会したいと節に願うのである。

そして、
あけみのように、
会うことは無理でも、せめて、
手紙を書くなり、
電話をするなり、
日常の忙しさに埋もれず、
何らかの努力を惜しまないようにしたいと思うのである。

以上


注意1:
文章で、お互いを「あんた」と呼んでいますが、
九州では、お互いのことを「あんた」と呼ぶのが、
わりに普通なことです。
「あんた」と呼びあうことに抵抗がある方もいますが、
こちらでは、あまり言葉どおりの「あんた」という
口調の強さなんかは気にしないというか。
地域にもよりますが^^;。

注意2:
今日はいつになく、である調で書いてみました。

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