灯台下暗し -カッターナイフで恐竜を腑分けした記録-

仕事で携帯向けアプリを書いて、趣味で携帯電話を買い、趣味で同人小説を書いて、何もしていません。

感想に学生の禁句を見る

2005-02-22 23:02:55 | 携帯電話
Vodafone 3G 端末の UI については、語りたい人は具体的に語れるのでしょうが、大ざっぱには「直感的でない」とくくられるのを見ると私は大学生時代を思い出します。

私の隣には UI 研究で修論・卒論を書く学生もいました。研究歴が短い学生ほど「直感的」という言葉を使いたがるのですが、その度に指導教官から説明をつくすように指導を受けました。

大学で卒論より上の論文を書くときには「直感的」という言葉は禁句なんです。ろくに説明せずに相手を説得できると思い込んでいる証拠と見なされますから。直感という、人によって意見が違う、しかも教育によって変わりうる、そんなものを典拠にしたら相手にされないんです。

じゃあ何を書いたらいいかとなると、恩師の指導を勝手にまとめると


  1. 好ましいものは、どんな条件を満たしているのか、他人が確認できる形で
  2. これから提案するものは、前記の条件を満たすことができるか


だから戯画的に作ると「ボタンを押す回数が少ないほうが使いやすい。このソフトには A と B の二つの機能があって、A の方が呼び出し頻度が多いから、A の方を少ない回数で呼び出せるようにすると使いやすくなる」と主張して、反論として「二つしか機能が無ければボタンが二つあればボタンを押す数が最小」と指摘されて負けるという具合です。

携帯電話の使いやすさも同じように説明できます。「受信メールがフォルダ分けできたら過去メールを早く探せるのに、フォルダ分けできなくなって探しにくくなった」でも、「店で申し込み書類に自分の電話番号を書こうとしたときに、自局番号を呼び出せなくて恥をかいた」でも、極端には「俺は操作方法を覚え直したくない。海外端末に買い替えた途端に初心者に戻されてしまった。その上、覚え直しても機能が同等以下では覚える気にならん」でもいいんです。

具体的に書くと、逆に「私は自局番号を呼び出すことがほとんどないから、主メニューでの '0' キーを他の機能に割り当てたいとずっと思っていた」など、他人との相違があらわになります。論駁されることも増え、つらいです。私の場合には、論駁されたことがいつまでも記憶に残ってへこみますが、二度と同じことを言わなくなって他人には迷惑が少し減った、としたらいいなあ...

でも不評は、これ以上大きなテストはできない、実世界の契約者数という形で明確に出ているんですよね。まさに論より証拠。こうなっては、どんな説明をしても現実に追いつかないというか、どんな説明でももっともらしいというか。

感想にもたしなみあり。でも、たしなみで感想のレベルを見比べていい事態じゃないなあ。
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