「会社がさあ、土地と建物を買ったらしいんだよ」
勤め先社内情報に詳しい先輩から2週間前にそう聞いたとき、お金の無駄遣いの話と思っていました。引っ越しを想像していませんでした。
周りの人がみんな知って最後に僕に伝わったときには、うわさ話ははっきりした輪郭を備えていました。
「会社が幕張のオフィス物件を購入して、俺たちは幕張に通勤せざるを得なくなるらしい」
勤め先の有価証券報告書に、土地・建物を購入した事実と、購入金額と敷地面積が明記されていました。
それでも当初は「オフィスビルのフロアを買った」「いや、有価証券報告書の記載内容から建設途中と読み取れる」と情報が錯綜していたのですが、社員が勝手に情報収集を始めたところ、敷地面積と売価が記載と一致する売り出し物件が見つかってしまいました。勤め先の本社がすべて収まりそうなフロア面積に、先輩・同僚は唖然。
社外の飲み友達と話をして、「年度末あたりに引っ越しじゃないの?」と言われると納得してしまいます。
幕張ですかぁ。
複数人から「転職も視野に入れた方がいい」と助言を受けていますが、自信に欠けるので、しがみつくことを第一選択肢に選びます。独身なので、自分の引っ越しは他の人よりは気楽です。そうすると住環境が激変することが気がかりではありますが、万事上手くはいきそうにありません。