au の携帯電話 '07 春モデル中からワンセグケータイで画面表示がきれいな物が欲しい人は「MEIDA SKIN」の実物を見ておくべきです。モックを見ただけでは駄目です。テレビと同じブランドがつかない端末ですが、むしろ液晶テレビを超える可能性を持つ端末だからです。
大画面テレビには液晶とプラズマの2種類(あとで SED が実用化されたら3種類目でしょうか)があるように、「MEDIA SKIN」は有機ELという液晶とは違うパネルを使用しています。
参照: 京セラによる有機ELの解説
有機ELと聞くと、携帯電話の外側で一色だけ光っているディスプレイを思い浮かべる人が多いと思います。でも有機ELでもフルカラーディスプレイは作れます。
他の製品 -三洋デジカメ DMX-HD1- で有機ELフルカラーディスプレイを見た感想は、液晶より少しブラウン管に近い表示です。残像が無く、明から暗までが素直に描き分けられていて、見る人がぼんやりしていても何が写っているのか分かる表示です。
でもテレビに使われないなら画質が悪いはず、と思う方が多いでしょう。使われないのは、単純に、まだテレビが作れないからです。現段階では寿命が短く不良品の率も多いです。開発を進めた各社は、三洋電機は資金難で撤退しましたし、ソニーは今年は展示会に試作機を出した段階です(さらに液晶を当初は開発していなかったことがソニーのブランド力を落としました)し、多くの会社を傾かせてきた魔性のディスプレイです。でも取り憑かれる会社があるのは理由もあり、玄人の中には熱狂的なファンがいるんです。
さて「MEIDA SKIN」の画質はというと、ITmedia の記事によれば、ワンセグ放送を見たときには「むしろ、表示デバイスの能力がコンテンツのクオリティを上回っている違和感の方が大きい」(これは IPS 液晶搭載端末も含めての評価です)とし、「最も特筆すべきは静止画の表示クオリティのように感じられる」とのこと。有機ELにもワンセグ放送にも厳しい評価で、確かにそんなところなのかもしれません。
「MEDIA SKIN」で有機ELが携帯電話に載ったことは、面白いような、面白くないような。携帯電話で有機ELを気に入った人が、まだ有機ELでテレビが作れないと知ったときには……