灯台下暗し -カッターナイフで恐竜を腑分けした記録-

仕事で携帯向けアプリを書いて、趣味で携帯電話を買い、趣味で同人小説を書いて、何もしていません。

動物が何もいない星で木が倒れた?

2007-07-08 23:15:02 | 日記

ずっと気にしていることがあります。

問題「考えたことある? 動物が何もいない星で木が倒れました。さて、そのとき音はしたでしょうか?」

僕がその問題の答えだと考えていることを以前にも書いたことがありますが、あまりにも下手な書き方でした。書き直さないと頭の片隅に残ったままで気分が悪いので、書き直します。

別の問いを考えてみましょう。

ある男が言います。「宇宙の遠いところ、人間の望遠鏡や電波観測でも分からないところなんだけど、水があって木が生えているけど動物はまだいない星があることが僕には分かるんだ。で、今、その星で木が倒れたんだよ。動物がいないから、音がしたかどうか分からないんだ」

突っ込みどころは前半と後半にあります。まず前半の「星がある」「木がある」と言い切れるかどうかと、後半の「音がしたかどうか分からない」がその男には分からないか。

ここで前半の問題に注目します。誰も見ていないとすると、星の存在も木の存在も確認できません。在るのか無いのか分からないものを在ると言い切っても、信じてもらえません。その問題を解決できないままでは、後半の問題は放っておいていいでしょう。

最初の問題「動物が何もいない星で…」では、星はあるものとして考えることにしています。なぜ星はあると言い切れるのか、それは頭の中の想像だからです。

頭の中で想像することは構いません。思考実験ではよくあることです。ただ、頭の中で想像したことなら、木が倒れたときに音がしたともしなかったとも決めることもできます。

それを最初の質問では、星に動物がいなくて見るものが存在しないから音がしたかしなかったか分からないと言います。

「星に木があって、木が倒れた」というところまで決めて、「音がしたか」だけ決めていません。思考実験の中での仮定の決め方のずれがパラドックスのように見えるんです。

頭の中で考えるとき「~として」と決めることは構いません。ただ、どこまでが頭で決めたことで、どうやったら現実にそういうことが起きたと確かめられるか、頭に留めておくといいです。

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M1、M2

2007-07-04 23:18:59 | 携帯電話

かつて自作 PC オタクだった人間が携帯電話を見るとどうなるか。どっぷりと深い話を。

NTT ドコモから FOMA 704i シリーズが発表されましたが、それと同じ日に、携帯電話ファンが見ないニュースが発表されました。

「節電LSI」というのは語弊のある言い方で、発売された LSI は携帯電話の電波を受信してアプリケーションを動かして画面を描画して、つまり PC ならば CPU + GPU + NorthBridge  + NIC ぐらいをまとめたチップです。

自作 PC みたいな話になってくるでしょ。

現在の携帯電話は、実は PC と同じくらいコモディティ品です。チップセットは半導体メーカが外販していて、携帯電話メーカはチップセットを購入して携帯電話を開発・製造します。

ただし携帯電話は PC と違い、携帯電話のチップセットは広告になりませんしファン雑誌も取り上げません。携帯電話は端末を変えるとソフトも変わるので、ベンチマークで比べることができません。それが面白くないのでしょう。

FOMA のチップセットは NEC エレクトロニクスとルネサステクノロジが提供しています。2006 年夏以降の富士通・三菱・シャープの FOMA 端末にはルネサステクノロジ「SH-Mobile G1」が使用されていますHSDPA 対応の「SH-Mobile G2」も NEC エレクトロニクスの「M2」に先駆けてサンプル出荷されました。これらのニュースを見ると、GSM 対応チップセットを使用しているのに端末が GSM 対応していなくてもユーザが怒らないのは、端末が海外で使えることは日本では売りにならないのだとしみじみと感じたり…(ユーザが怒っていない事実が重要)。(訂正 : SH-Mobile G シリーズに載っているのは GSM のデジタル部分だけのはずで、GSM を受信するには追加のアナログ回路が要るはずです。それと au の携帯電話も同様です)

さて、NEC エレクトロニクスの「M2」の特徴は、次の一言です。

ユーザー(引用注 : 携帯電話メーカ)は新製品を採用することにより、HSDPA通信や高度なアプリケーションを駆動する携帯電話端末を、M1と同程度の低消費電力性能で実現することができます。

「M1」を採用している N703iμN703iD と同等の、待受時間 700 時間前後の HSDPA 携帯電話ができるという意味です。

「M2」の本格出荷は今年 10 月予定。冬の FOMA 端末は、HSDPA で安くて待受時間が長い端末が出るのかなあ。

FOMA 704i シリーズの発売前に、うれしくも悩ましい話をしました。

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