行雲流水の如く 日本語教師の独り言

30数年前、北京で中国語を学んだのが縁なのか、今度は自分が中国の若者に日本語を教える立場に。

「独立記者」として中国でメディア論を伝える③

2016-09-05 23:23:50 | 日記
汕頭大学で当面、受け持つのは「ニュース事例研究」と「メディア・テーマ研究」の2科目で、前期でそれぞれ16コマの授業がある。この間、詳細なシラバスを提出し、学部の担当教授からOKをもらった。個別のニュースやメディア界のテーマを通じ、社会に対する深い理解、世界に対する幅広い認識を身につけ、独立した思考を持った人間になるようにとカリキュラムを考えた。学生たちが将来、健全な日中関係を築く価値ある役割を果たすことも期待したい。若き時代、この国で留学をし、多くの学びを得た恩返しもできたらと思う。

日本を離れるにあたって、送別会のような場はできるだけ避けようと思ったので、各方面への通知がギリギリになってしまった。それでも多忙な時間を割いて、多くの仲間が酒の伴をしてくれた。出発前最後の今日も、かつての新聞社の同期や後輩が家の近くまで来てくれた。

両人対酌山花開(両人対酌して山花開く)
一杯一杯復一杯(一杯一杯 また一杯)
我醉欲眠卿且去(我れ酔いて眠らんと欲す 卿(きみ)しばらく去れ)
明朝有意抱琴来(明朝 意有らば 琴を抱いて来たれ)

あふれる思いに酔いが回った。またいずれの日が戻ってくる。尽きぬ話をさかなに飲み明かそうではないか。人生には山あり谷あり、順風もあれば逆風もある。一人で抱え込むとつぶされそうなことも、みなで分かち合えば取るに足らないことだとやり過ごすことができる。ぼくはもう眠くなったので、ごろんと横にならせてもらう。またその気になったら会おうじゃないか。話の続きをしよう。一度しかない人生で、奇跡的な出会いをした仲間たちと、かけがえのない時間を過ごす。それ以上の幸せはないのだから。