戦闘場面がない戦争映画で、最も心に刺さるのは『ライフ・イズ・ビューティフル』。主演のロベルト・ベニーニが『ナイト・オン・ザ・プラネット』の主役のひとりとなっている。原題'NIGHT ON EARTH'を、わざわざ『ナイト・オン・ザ・プラネット』とする蓋然性があるのか否か、残念な気がしているが。
ロベルト・ベニーニは第4話のローマ編を演じるのだが、第1話のロサンゼルスのドライバー、二十歳前後のウィノナ・ライダーに心奪われる。

全5話のオムニバス。地球の5つの都市を走るタクシーに乗り合わせる客とドライバーのストーリー。
ロベルト・ベニーニは第4話のローマ編を演じるのだが、第1話のロサンゼルスのドライバー、二十歳前後のウィノナ・ライダーに心奪われる。
空港からビバリーヒルズまで、映画製作関係のセレブ女性を乗せる。佇まいが両極の2人。ドライバーは終始タバコをふかし、ガムを噛みながら運転する。
セレブ客に対して、臆することなく恋愛観など語りながら、自分の夢を述べる時の表情、はすっぱに見えるが客を気遣う仕事の姿勢を演じ切る。
この作品の各話にオチはない。ストーリーのその後を、観る者に想像させることに優れた作品です。
ジム・ジャームッシュ監督のタクシーものの傑作。
(1992年公開)