寂聴が仏門に入る前、瀬戸内晴美時代の問題作『花芯』が映画化された。テアトル新宿 11:40の回は、地下から靖国通りにはみ出すほどの列ができている。
驚いたのは、祝日のせいでもあるまいが、9割がたがシニア層。夫婦が多いため、満席の男女比は半々といったところか。
本編の前に、予告が20分。客席の喋りがやまず。
指定席にもかかわらず「席とっといて」と言って離席する高齢女性グループの何人かもいる。
(イヤな時に、観に来ちゃったな)
だが、更に驚いたのは、本編開始後の静けさ。持ち込みのドーナツ、食べていいのかい?
ストーリーの性質上、男女合体シーンが多々ある。よりにより、僕の隣席はオシャレ系女子である。身を乗り出さないよう注意しました。
自伝的な内容なのであろう。時代に受け入れられなった自由な魂を持つ女性の物語である。R15指定であるから、ノープロなのだが、客席にいた制服高校生と母親のペアは鑑賞後、何を語り合うのか、余計なことだが気になる。