第五日目
4月5日・・・・朝9時過ぎ・・・起床。
採集に行ける日は今日が最後となる。
今日は、石垣島最北端の平久保地域に向かい、北部の特産種?を狙う。
バスの車窓から。天気はかなり良く、最高気温は27℃にまでなる予報だ。
一時間半ほどかけて、平久保の集落に到着。ここから5時間ほど、採集しつつ歩いて、最北端の平野の集落に向かう。
ほぼ直線の道を、ひたすら歩き続ける。
途中、横道は何本も伸びているので、積極的に入ってみる。
結構ススキやササが生えているので、バシバシ叩いていく。
じごまるJr部員によると、イシガキウスアヤはこの時期、かなり厳しいらしい。
右がじごまるJr部員。左は私。
30分ほど叩いただろうか、ようやく叩き網に手ごたえが来た。
イシガキウスアヤカミキリ Bumetopia sakishimana ishigaki Hayashi, 1966
よっしゃ~~!!
日陰の無い炎天下の中、延々と叩きにくいササをひっぱたき続けるのはとても疲れる。
手にタコが出来てしまった。
とにかく、1つでも採れたので再び歩きはじめる。
しばらくあるくと、橋が架かっており、どうやら河口になっているようだ。
魚はチラホラ見える。綺麗なムシが飛んでいたので、網を伸ばして見ると、やはりナナホシキンカメムシだった。
せっかく石垣に来たのだし、一度ぐらい海に下りてみるか・・・ということで、休憩。
H部員は貝殻を拾っている。やはり南国を言うだけあって、かなり奇抜な貝も多々見られるので、探してみると結構楽しい。
黄昏るL部員。
私が貝殻で遊んでいる間、じごまるJr部員はビーティングをしっかりやって、面白いゾウムシを採っていた。
エライねぇ~~・・・。
腹も減ってきたので、ここいらで昼食。
昼食を摂り終った後も、ひたすら道を歩き続ける。
見ての通り、日陰が全く無い。気温なんか間違いなく27℃は超えているだろう。
集落の手前で、平久保崎へ向かう分岐についた。
平久保崎にも行ってみたかったが、観光の車が多かったのと、時間ロスを考えてスルー。
海の色は物凄く綺麗だった。やはり晴れていると違うなぁ・・・。
ふらふらしながら歩き続け、ようやく平野の集落に到着。
一台だけ見つけた自販機で、ジュースを買って一気飲み。(ちなみにここの自販機の爽健美茶のボタンは、金だけ喰って商品は出てこないので要注意だ。)
平野では、基本的にどこからでも海が見える。気分は良いのだが、暑すぎ&乾燥しすぎでムシが殆んど居ない。
ビーティングしてみても、アトモンチビ、ワモンサビ、ケルシウム等普通種がポツポツ落ちてくる程度。
アトモンチビ@お約束の格好
のどかで雰囲気はとても良いんだけど・・・。
フトを求めて材をギコギコしてみるが、食痕は全然走っていない。
イプロカも全然ダメ・・・ヘクソカズラ自体が殆んど見当たらない上に、ある程度の太さのある蔓は元気一杯で、イプロカが入って居そうな蔓は皆無だった・・・。
ガックシ・・・。
今日は殆んどムシが見られなかったなぁ・・・と凹みながらバスに乗り込む。
夕方になっても、相変わらず気温は高い。本当は、ライトは昨日だけにしようと思っていたのだが、好条件なので今日も行ってみることにした。
と、その前に夕飯・・・。
先日と同じ場所に行こうと思っていたのだが、待ちだったので、すぐ近くの「そば処 まーさん道」に行った。「まーさん」とは、こっちの方言でおいしいの意味らしい。
八重山そば、ゴーヤチャンプルー、ラフテー、ジューシー(炊き込みご飯)などを平らげ、満腹。
ここのお店は、壁一面に訪れた人が何かしら貼っていくようだ。名刺や写真、航空券や定期券(!?)などなど、それらを見るのも結構たのしい。
残念ながら私たちは何も貼れる物を持ち合わせていなかった・・・。
さて、宿に帰り、灯火めぐりの準備。
歩いていくつもりだったが、宿のご主人のご好意で、お店の自転車を格安で貸していただけることになった。
昨日はべらぼうに時間が掛かってしまったので、自転車はとてもありがたい。
早速、バンナ公園に向かって漕ぎ出す。
途中の水銀灯では、こんなスズメガを発見。
残念ながら、アンモニアを切らせていたので採れなかった。
やっぱり自転車は早い。上りでしんどいとは言え、かなりのスピードで到着。
蒸し暑いためか、ライトの周りにやってきている蛾も昨日に比べると多い。
しばらく見回ってると、H部員が大声で私を呼んだ。
「お~~い!!これカミキリじゃない!? 結構大きいよ~!!」
離れたところに居たのでダッシュで向かうと・・・。
ライトの灯りの届かない、なんの変哲も無い立ち枯れに居たのは・・・。
「ここ、コイツは・・・・!! ヤエヤマムネマダラ!!!」
ヤエヤマムネマダラトラカミキリ Xylotrechus grayii yaeyamanus Takakuwa, 1984
なんと・・・コイツが採れてしまった。伐採でも見つけないと無理だろうと思っていたので、半ば諦めていたのだが、まさかライトで採れるとは。
かなりデカくて、カッコいいトラだ。
H部員お手柄である。まったく灯りの届いていない木を照らして見つけるという引きの強さ・・・羨ましい・・・。
直後、K部員もカミキリを発見。
「これ何?」
「お・・・!イツホシシロ!!」
イツホシシロカミキリ Olenecamptus bilobus nipponensis Dillon, et Dillon, 1948
ガジュマルは出来るだけ見るようにしていたが、採れなかったので、ここで見られて嬉しい。
その後も、コフキコガネや、ケルシウム、ゴミダマやヒゲナガハナノミなどの雑甲虫もちょくちょく摘む。L部員はゴミムシや極小マグソコガネも積極的に採っていた・・・が、展脚大変そう・・・。
なんだか今夜はムシが居るなぁ・・・。
昨日と同じ場所でムシを待つ部員達。
警備のおじさんがやってきて、少し話をした。どうやらここより先には灯りはほとんど無いらしい。
夏場は結構子供づれも来るんだけどね・・・なんて言ってたけど、高校生が6人も屯ってたんだから、驚いたろうな・・・。
しばらくして、虫の飛来も少なくなってきたが、なんだか帰るのがもったいない気がして、グダグダと遊んでみたり、時間を潰す。
12時前には流石に飽きて撤収。自転車で坂を下って市街地に戻る。
・・・・・早い。ほとんど漕がずに、物凄いスピードで坂を下ってきたのでスリル満点で楽しかった。10分も掛からずに麓まで下り、そのまま宿へ。
宿に戻り、即行で爆睡・・・かと思いきや、昨日のノリで今日もウノをやったり展脚をしたりマンガを読んだりと、なかなか寝ない。(「お~い竜馬」最後まで読めばよかった・・・。)
結局、ベットに戻ったのは4時ごろだった。
かくして、石垣島での採集はすべて修了した。今日は、目標種は殆んど採れなかったが、意外なカミキリに逢えて、なかなか面白かった。
明日はいよいよ、東京に帰る。
石垣島採集紀行 最終日 に続く。
4月5日・・・・朝9時過ぎ・・・起床。
採集に行ける日は今日が最後となる。
今日は、石垣島最北端の平久保地域に向かい、北部の特産種?を狙う。
バスの車窓から。天気はかなり良く、最高気温は27℃にまでなる予報だ。
一時間半ほどかけて、平久保の集落に到着。ここから5時間ほど、採集しつつ歩いて、最北端の平野の集落に向かう。
ほぼ直線の道を、ひたすら歩き続ける。
途中、横道は何本も伸びているので、積極的に入ってみる。
結構ススキやササが生えているので、バシバシ叩いていく。
じごまるJr部員によると、イシガキウスアヤはこの時期、かなり厳しいらしい。
右がじごまるJr部員。左は私。
30分ほど叩いただろうか、ようやく叩き網に手ごたえが来た。
イシガキウスアヤカミキリ Bumetopia sakishimana ishigaki Hayashi, 1966
よっしゃ~~!!
日陰の無い炎天下の中、延々と叩きにくいササをひっぱたき続けるのはとても疲れる。
手にタコが出来てしまった。
とにかく、1つでも採れたので再び歩きはじめる。
しばらくあるくと、橋が架かっており、どうやら河口になっているようだ。
魚はチラホラ見える。綺麗なムシが飛んでいたので、網を伸ばして見ると、やはりナナホシキンカメムシだった。
せっかく石垣に来たのだし、一度ぐらい海に下りてみるか・・・ということで、休憩。
H部員は貝殻を拾っている。やはり南国を言うだけあって、かなり奇抜な貝も多々見られるので、探してみると結構楽しい。
黄昏るL部員。
私が貝殻で遊んでいる間、じごまるJr部員はビーティングをしっかりやって、面白いゾウムシを採っていた。
エライねぇ~~・・・。
腹も減ってきたので、ここいらで昼食。
昼食を摂り終った後も、ひたすら道を歩き続ける。
見ての通り、日陰が全く無い。気温なんか間違いなく27℃は超えているだろう。
集落の手前で、平久保崎へ向かう分岐についた。
平久保崎にも行ってみたかったが、観光の車が多かったのと、時間ロスを考えてスルー。
海の色は物凄く綺麗だった。やはり晴れていると違うなぁ・・・。
ふらふらしながら歩き続け、ようやく平野の集落に到着。
一台だけ見つけた自販機で、ジュースを買って一気飲み。(ちなみにここの自販機の爽健美茶のボタンは、金だけ喰って商品は出てこないので要注意だ。)
平野では、基本的にどこからでも海が見える。気分は良いのだが、暑すぎ&乾燥しすぎでムシが殆んど居ない。
ビーティングしてみても、アトモンチビ、ワモンサビ、ケルシウム等普通種がポツポツ落ちてくる程度。
アトモンチビ@お約束の格好
のどかで雰囲気はとても良いんだけど・・・。
フトを求めて材をギコギコしてみるが、食痕は全然走っていない。
イプロカも全然ダメ・・・ヘクソカズラ自体が殆んど見当たらない上に、ある程度の太さのある蔓は元気一杯で、イプロカが入って居そうな蔓は皆無だった・・・。
ガックシ・・・。
今日は殆んどムシが見られなかったなぁ・・・と凹みながらバスに乗り込む。
夕方になっても、相変わらず気温は高い。本当は、ライトは昨日だけにしようと思っていたのだが、好条件なので今日も行ってみることにした。
と、その前に夕飯・・・。
先日と同じ場所に行こうと思っていたのだが、待ちだったので、すぐ近くの「そば処 まーさん道」に行った。「まーさん」とは、こっちの方言でおいしいの意味らしい。
八重山そば、ゴーヤチャンプルー、ラフテー、ジューシー(炊き込みご飯)などを平らげ、満腹。
ここのお店は、壁一面に訪れた人が何かしら貼っていくようだ。名刺や写真、航空券や定期券(!?)などなど、それらを見るのも結構たのしい。
残念ながら私たちは何も貼れる物を持ち合わせていなかった・・・。
さて、宿に帰り、灯火めぐりの準備。
歩いていくつもりだったが、宿のご主人のご好意で、お店の自転車を格安で貸していただけることになった。
昨日はべらぼうに時間が掛かってしまったので、自転車はとてもありがたい。
早速、バンナ公園に向かって漕ぎ出す。
途中の水銀灯では、こんなスズメガを発見。
残念ながら、アンモニアを切らせていたので採れなかった。
やっぱり自転車は早い。上りでしんどいとは言え、かなりのスピードで到着。
蒸し暑いためか、ライトの周りにやってきている蛾も昨日に比べると多い。
しばらく見回ってると、H部員が大声で私を呼んだ。
「お~~い!!これカミキリじゃない!? 結構大きいよ~!!」
離れたところに居たのでダッシュで向かうと・・・。
ライトの灯りの届かない、なんの変哲も無い立ち枯れに居たのは・・・。
「ここ、コイツは・・・・!! ヤエヤマムネマダラ!!!」
ヤエヤマムネマダラトラカミキリ Xylotrechus grayii yaeyamanus Takakuwa, 1984
なんと・・・コイツが採れてしまった。伐採でも見つけないと無理だろうと思っていたので、半ば諦めていたのだが、まさかライトで採れるとは。
かなりデカくて、カッコいいトラだ。
H部員お手柄である。まったく灯りの届いていない木を照らして見つけるという引きの強さ・・・羨ましい・・・。
直後、K部員もカミキリを発見。
「これ何?」
「お・・・!イツホシシロ!!」
イツホシシロカミキリ Olenecamptus bilobus nipponensis Dillon, et Dillon, 1948
ガジュマルは出来るだけ見るようにしていたが、採れなかったので、ここで見られて嬉しい。
その後も、コフキコガネや、ケルシウム、ゴミダマやヒゲナガハナノミなどの雑甲虫もちょくちょく摘む。L部員はゴミムシや極小マグソコガネも積極的に採っていた・・・が、展脚大変そう・・・。
なんだか今夜はムシが居るなぁ・・・。
昨日と同じ場所でムシを待つ部員達。
警備のおじさんがやってきて、少し話をした。どうやらここより先には灯りはほとんど無いらしい。
夏場は結構子供づれも来るんだけどね・・・なんて言ってたけど、高校生が6人も屯ってたんだから、驚いたろうな・・・。
しばらくして、虫の飛来も少なくなってきたが、なんだか帰るのがもったいない気がして、グダグダと遊んでみたり、時間を潰す。
12時前には流石に飽きて撤収。自転車で坂を下って市街地に戻る。
・・・・・早い。ほとんど漕がずに、物凄いスピードで坂を下ってきたのでスリル満点で楽しかった。10分も掛からずに麓まで下り、そのまま宿へ。
宿に戻り、即行で爆睡・・・かと思いきや、昨日のノリで今日もウノをやったり展脚をしたりマンガを読んだりと、なかなか寝ない。(「お~い竜馬」最後まで読めばよかった・・・。)
結局、ベットに戻ったのは4時ごろだった。
かくして、石垣島での採集はすべて修了した。今日は、目標種は殆んど採れなかったが、意外なカミキリに逢えて、なかなか面白かった。
明日はいよいよ、東京に帰る。
石垣島採集紀行 最終日 に続く。