■2017年4月月例ネット句会■
■入賞発表/2017年4月10日
【金賞】
★摘み置かる花束橋に花祭り/柳原美知子
中七の花束の「花」に続き下五の花祭りの「花」と畳み掛けた『花』がいい。橋に置かれたのは野の花束であろう。それは、作者の心にしっかと捉えられ、読み手の心に伝わる。(高橋信之)
【銀賞】
★ステップで花のトンネル駆けゆける/祝恵子
上五に置いた「ステップ」がいい。快く駆けて行く「花の風景」がいい。(高橋信之)
★鶯の声透き通る野の雨よ/柳原美知子
鶯は雨の中、野原で、聞きほれるほどの美声を聞かしてくれているのでしょう。 (祝恵子)
【銅賞/2句】
★シャガの花夜道一面白い影/高橋句美子
心に残った風景を素直に表現した。写生句の良さであり、写実の句であると言ってよい。(高橋信之)
★シャボン玉追い掛けている姉いもと/祝恵子
虹色のシャボン玉が風にゆらゆらと飛んでいくのを追いかける仲良しの姉妹の微笑ましい景は、絵本を見るようです。(柳原美知子)
【高橋信之特選/5句】
★口笛に鶯応え我はも鳥/高橋正子
「鶯と我」がいい。「応えあう」のがいいので、それを俳句の心と言ってよい。自然との関わりを詠めば、人間の心は深くなる。(高橋信之)
★シャガの花夜道一面白い影/高橋句美子
★摘み置かる花束橋に花祭り/柳原美知子
★桜満つ空へ瀬音の吸い込まれ/柳原美知子
★ステップで花のトンネル駆けゆける/祝恵子
【高橋正子特選/5句】
★桜散る斜面にもまた桜色/高橋句美子
空に満ちる桜と斜面をも桜色に埋め尽くす落花、桜色に染まる季節の感動が生き生きと伝わってきます。
(柳原美知子)
★桜散る空に吹きあぐ花びらも/高橋信之
一陣の風に今散ったばかりの桜の花びらが青空へと舞い上がる美しい情景が目に浮かび、花の季節に名残を惜しまれるお気持ちが伝わってきます。(柳原美知子)
★摘み置かる花束橋に花祭り/柳原美知子
★桜満つ空へ瀬音の吸い込まれ/柳原美知子
★シャボン玉追い掛けている姉いもと/祝恵子
【入選/6句】
★まだ満ちぬ月が朧に花のなか/高橋正子
爛漫の桜を灯すように淡い光を放つ朧月。幻想的な美しい情景が広がり、桜の季節ならではの喜びが感じられます。(柳原美知子)
★花筏の渦ゆらゆらと目黒川/高橋句美子
★卒業歌学生バスの声深く/高橋正子
★すみれ咲く地に低く咲く濃き色に/高橋信之
★仰ぎ見る青一枚の春天を/高橋信之
★すでにさくら落とす先客の鳥あり/祝恵子