■花冠月例句会■

俳句雑誌「花冠」の月例ネット句会のためのブログ 管理 高橋句美子・西村友宏

ご挨拶/11月例ネット句会

2017-11-12 19:39:48 | 日記

ご挨拶

11月月例ネット句会にご参加ありがとうございました。月一回の月例句会を楽しみに投句いただきている方もおられます。花冠のネット句会も11月27日で満21年となりました。ネット上の句会がこれほど続いたのは例がないのではないでしょうか。皆様のご支援に感謝するほかはありません。来月の月例ネット句会は<漱石忌ネット句会>といたします。こちらに奮ってご参加ください。これで11月月例ネット句会を終わります。(主宰/高橋正子)
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■11月月例ネット句会/入賞発表■

2017-11-12 19:36:47 | 日記
■2017年11月月例ネット句会■
■入賞発表/2017年11月13日

【金賞】
★立冬の長き影伸び畝造る/古田敬二
立冬ともなれば、寒さも増し、物の影も長くなる。畑の畝に自分の影が映るのを見つつ、精魂込めて畝を造る。実のある力強い句だ。(高橋正子)

【銀賞/2句】
★猫呼びに出れば全き冬銀河/柳原美知子
わが家の猫はいったいいつまで遊んでいるのか。呼びにでて見れば、冬銀河が全き形に横たわっている。猫を呼びに出たお陰で、すばらしい銀河に出会えた。猫との関係も微笑ましいが、「全き」に銀河の煌めきが素晴らしい。(高橋正子)

★風連れて赤城を越ゆる冬の鳥/小口泰與
赤城颪で知られる赤城山。上空はいつも風がふいているのだろう。赤城山を越える冬の鳥は、風を連れて、風に流れるように飛んでゆく。(高橋正子)

【銅賞/3句】
★冬めくやぽん菓子音の響きくる/祝恵子
冬めくころ、米の収穫が終わったころに、ぽん菓子屋がやって来る。米を持っていけば、ぽん菓子を作ってくれる。米を弾かせる驚くほどの大きな音を聞けば、楽しくも、また懐かしくもなる。(高橋正子)

★ふるさとを遠くに想いむかご飯/桑本栄太郎
都会ではむかごも買うものだが、ふるさとでは、近くでむかごが採れた。素朴な味わいのむかご飯に遠いふるさとが思われるのだ。(高橋正子)

★冬空に流れていくよ鳥の群れ/高橋秀之
冬空に流れていくように鳥の群れが飛んでいく。鳥の群れは上昇気流に吹かれていくのだろうか。壮大な景色だ。(高橋正子)

【高橋信之特選/8句】
★立冬の長き影伸び畝造る/古田敬二
耕す自分の影も長くなり、立冬を実感しつつ精魂込めて畝造りされる姿が目に浮かび、地に足を着けて季節と共にあるお暮しが伺えます。(柳原美知子)
「立冬」という季節の節目をあきらかに感じながら、これからの新たな土壌に育まれる作物、その収穫の期待をも思われます。 (藤田洋子)

★荷に詰めて蜜柑あかるき色発す/高橋正子
いくつもの蜜柑が重なりながら箱に詰められ、きれいな色に照り輝いている。蜜柑の送り主からのやさしい気持ちも詰まっているようだ。 (高橋句美子)

★草紅葉はやも空には青き星/高橋正子
田の畦や土手の上など靴で踏みにじるのが惜しいほど美しくなる草紅葉。空には冬間近の大気が澄み青い星が数多輝いています。素晴らしい暮の秋の景です。(小口泰與)

★猫呼びに出れば全き冬銀河/柳原美知子
小と大の対比が面白い。「全き冬銀河」が鮮烈な印象です。(河野啓一)

★塩チョイと利かせ夕べはむかご飯/古田敬二
「むかご飯」の句を栄太郎さんも作っておられるが、「むかご飯」には懐かしい思う出がある。横浜に移り住んで、近くの山裾にあった「むかご」を採っきて「むかご飯」を作った。四国の田舎に住んでいた頃には、近くの川土手の藪に生えていた「ハチクの筍(タケノコ)」を好んで食した。(高橋信之)

★風連れて赤城を越ゆる冬の鳥/小口泰與
★ふるさとを遠くに想いむかご飯/桑本栄太郎
★冬めくやぽん菓子音の響きくる/祝恵子

【高橋正子特選/8句】
★晴れてきて山の紅葉の照り出せる/藤田洋子
紅葉してきた樹々、晴れてきたら、ぱっと明るくなり山並みが見えてきました。 (祝恵子)

★わが頭上高くあかるき冬黄葉/高橋信之
冬晴れの黄葉した大樹の下を通ると、心も晴れ晴れとあかるく、透けて見える青空も美しく、新たな季節を軽やかに楽しんでおられる様子が伝わってきます。(柳原美知子)

★猫呼びに出れば全き冬銀河/柳原美知子
ちょっと家を出て猫を呼びに出ると、寒さの中にくっきりと天の川が見えたという。私が住んでいる広島市内では家の近くで天の川を見たことがないので羨ましいかぎりだ。 (満天星)

★風連れて赤城を越ゆる冬の鳥/小口泰與
★ふるさとを遠くに想いむかご飯/桑本栄太郎
★冬空に流れていくよ鳥の群れ/高橋秀之
★立冬の長き影伸び畝造る/古田敬二
★冬めくやぽん菓子音の響きくる/祝恵子

【入選/10句】
★澄み渡る冬空を飛ぶヘリコプター/多田有花
下五に置いた「ヘリコプター」がいい。中七の「冬空」が季題なのだが、下五の「ヘリコプター」を主題と見てもよい。(高橋信之)

★農業祭菊の展示を見て飽かず/祝恵子
「農業祭」であれば、「菊」も身近で優しい花となる。下五の「見て飽かず」に作者の姿がありありと浮かび、リアルだ。(高橋信之)

★すすり食ぶ故郷みやげの熟柿かな/桑本栄太郎
「すすり食ぶ」がリアルで、「故郷みやげ」に甘さがないのがいい。(高橋信之)

★ゴンドラの伸びる先へと山紅葉/藤田洋子
日毎に寒さが募り、山の紅葉が美しくなり始めました。ロープウェーに乗って紅葉狩りを行えば、山紅葉が迫ってくるように綺麗です。ゴンドラという動きのある美しい景色が広がって良い。(桑本栄太郎)

★冬林檎煮込んで甘い香台所/高橋句美子
日常生活を素直に詠んだ句だ。その素直なところがいい。(高橋信之)

★たんぽぽのすつくと立ちし帰り花/廣田洋一
中七の「すつくと立ちし」がいい。「帰り花」を詠んで見事な句だ。(高橋信之)

★菊日和狭庭の香り慎しく/河野啓一
天気のよい秋晴れ庭に咲く菊でしょうか。慎ましく香りを感じる穏やかなひとときが感じられます。 (高橋秀之)

★小道行き紅葉少しずつ色変わる/高橋句美子
小道を進むにつれて、紅葉の色が少しずつ変わると感じていく。実際に変わっているのか、見慣れて変わっていると感じるのか、いずれにしても作者の感じる秋がそこにあります。 (高橋秀之)

★母恋し青空を飛ぶ百合鴎/谷口博望 (満天星)
今年もまた北方から飛来する百合鴎。冬の澄んだ青空に映える、白い百合の花のような清楚な姿に、ふと「母恋し」作者の心情がしみじみと伝わります。 (藤田洋子)
今年もまた北方から飛来する百合鴎。冬の澄んだ青空に映える、白い百合の花のような清楚な姿に、ふと「母恋し」作者の心情がしみじみと伝わります。(高橋秀之)

★一面に落葉の積もる雨あがり/高橋秀之
雨あがり、地に一面に広がる落葉の光景。雨あとの清々しさに、様々な落葉が明るく鮮やかに目に浮かびます。 (藤田洋子)
雨あがり、地に一面に広がる落葉の光景。雨あとの清々しさに、様々な落葉が明るく鮮やかに目に浮かびます。(高橋秀之)

■選者詠/高橋信之
★わが頭上高くあかるき冬黄葉
冬晴れの黄葉した大樹の下を通ると、心も晴れ晴れとあかるく、透けて見える青空も美しく、新たな季節を軽やかに楽しんでおられる様子が伝わってきます。(柳原美知子)

★冬椿白に開放感があり
★赤き実の多し万両その他も

■選者詠/高橋正子
★冬の蝶花屋の花にはばからず
蝶がやってくれば、花屋の花もいきいきと自然に帰る。下五の「はばからず」がいい。(高橋信之)

★荷に詰めて蜜柑あかるき色発す
親しき人に送るのであろうか。「あかるき色」とした言葉の表現が的確であり、かつ斬新だ。(高橋信之)

★草紅葉はやも空には青き星
田の畦や土手の上など靴で踏みにじるのが惜しいほど美しくなる草紅葉。空には冬間近の大気が澄み青い星が数多輝いています。素晴らしい暮の秋の景です。(小口泰與)

■互選高点句/同点2句
●最高点(6点)
★立冬の長き影伸び畝造る/古田敬二
農作業を詠んだ佳句だ。「畝造る」行為が俳句となった。農作業を詩に取り上げるのは難しい。(高橋信之)

★冬めくやぽん菓子音の響きくる/祝恵子
冬めくころ、米の収穫が終わったころに、ぽん菓子屋がやって来る。米を持っていけば、ぽん菓子を作ってくれる。米を弾かせる驚くほどの大きな音を聞けば、楽しくも、また懐かしくもなる。(高橋正子)

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/高橋正子)
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■11月月例ネット句清記

2017-11-12 17:05:30 | 日記

■11月月例ネット句清記
2017年11月12日
14名42句 

01.菊日和狭庭の香り慎しく
02.モノレール緩やかに行く菊日和
03.ご先祖も洞窟住い冬立ちぬ
04.乙女子のような小沼よ小六月
05.風連れて赤城を越ゆる冬の鳥
06.いちはやく明けし浅間や見張り鴨
07.すすり食ぶ故郷みやげの熟柿かな
08.ふるさとを遠くに想いむかご飯
09.老松の陸(おか)へと曲がり冬の海
10.見つめ合ふ桃色吐息真弓の実

11.母恋し青空を飛ぶ百合鴎
12.鴨翔てり瓢箪今に落ちさうな
13.山肌に一点紅き冬紅葉
14.澄み渡る冬空を飛ぶヘリコプター
15.冬晴れの車に掃除機をかける
16.一面に落葉の積もる雨あがり
17.冬空に流れていくよ鳥の群れ
18.入れ替えて箪笥が狭く冬支度
19.指先を滑らせ霜月の種を蒔く
20.立冬の長き影伸び畝造る

21.塩チョイと利かせ夕べはむかご飯
22.農業祭菊の展示を見て飽かず
23.小春日や庭に笛音舞神楽
24.冬めくやぽん菓子音の響きくる
25.冬ぬくし休耕田に草の生へ
26.傘を差すこともなかりし初時雨
27.たんぽぽのすつくと立ちし帰り花
28.小道行き紅葉少しずつ色変わる
29.冬林檎煮込んで甘い香台所
30.晴れた日の炬燵ぬくぬく温まる

31.荷に詰めて蜜柑あかるき色発す
32.草紅葉はやも空には青き星
33.冬の蝶花屋の花にはばからず
34.石鎚の嶺々日差し紅葉晴れ
35.ゴンドラの伸びる先へと山紅葉
36.晴れてきて山の紅葉の照り出せる
37.小春日の波を玻璃戸に海の幸
38.しんとして海光に咲く石蕗一輪
39.猫呼びに出れば全き冬銀河
40.わが頭上高くあかるき冬黄葉

41.冬椿白に開放感があり
42.赤き実の多し万両その他も

※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。選句は<コメント欄>にお書きください。
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◆11月月例ネット句会のご案内◆

2017-11-01 15:25:23 | 日記
●11月月例ネット句会投句案内●
①花冠会員・同人であれば、どなたでも投句が許されます。花冠会員・同人以外の方は花冠IDをお申し込みの上、取得してください。
②当季雑詠(秋か冬の句)計3句を下の<コメント欄>にお書き込みください。
③投句期間:2017年11月7日(火)午前6時~11月12日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。

▼互選・入賞・伝言
①選句期間:11月12(日)午後6時~11月12日(日)午後9時
②入賞発表:11月13日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、11月13日(月)正午~11月15日(水)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之
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