■花冠月例句会■

俳句雑誌「花冠」の月例ネット句会のためのブログ 管理 高橋句美子・西村友宏

◆ご挨拶/花祭りネット句会(句会主宰:高橋正子)◆

2016-04-09 00:19:20 | 日記
花祭り句会にご参加いただき、ありがとうございました。今回は12名の方がご参加くださいました。入賞の皆さまおめでとうございます。選とコメントをありがとうございました。
昨日は川名ますみさんの俳句とご友人の写真のコラボレーション展を信之先生と見に行きました。いい俳句が選ばれていて、俳句の力を感じて帰りました。その勢いが今回の金賞の句となったのかなとも思えました。何事にも、山あり谷あり、上げ調子のときも、そうでないときもありますが、それはあまり気にせず、細く長く作っていれば、きっといいこともあるでしょうと、思います。

昨日は雨でしたが、今日は雨もあがり、静かな日差しが注いでくれた灌仏会でした。私は、近所にある天台宗のお寺、金蔵寺へ参りましたが、境内にはまだ桜が咲き残って寺の大屋根を飾っていました。参道は、桜大門と名前がつけられ、桜のトンネルとなっていますが、大方は散り急ぐように、しきりに花びらを降らせていました。花御堂の脇に。ポットに甘茶が入れられていましたので、少しいただきました。温かくて、花冷えの境内では、ともておいしかったです。花御堂は今年も境内の桜が飾られていました。それに、シックな薔薇の花も飾られ、ちょっと驚きましたが、薔薇も似合っていました。近年は花祭りをしないお寺もあると聞きますが、釈迦誕生を祝う祭りは、甘茶とお花だけの心鎮まる祭りで、続くことを願っています。花御堂に花を飾るのを手伝っ昔がしのばれる日でした。たしか、れんげやたんぽぽも飾った記憶があります。

句会の管理運営は信之先生がしてくださいました。大変お世話になりありがとうございました。これで、今年の花祭りネット句会を終わります。次の句会を楽しみに、ご健吟ください。
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入賞発表/花祭りネット句会

2016-04-08 21:49:10 | 日記

■2016年花祭りネット句会■
■入賞発表/2016年4月8日

【金賞】
★青空へ吹かれ戻らぬ飛花あまた/川名ますみ
青空へ舞い散る桜。落花はやがて塵となってそこに留まるが、青空へ吹かれて飛ぶ花びらは、遠く運ばれ、戻ることはない。「戻らぬ飛花」への深い思い。(高橋正子)

【銀賞2句】
★八重椿屋根に載せたる花御堂/河野啓一
花御堂には、この今に咲く花がどりどり集められて飾られる。少し遅れて咲く、ぽったりとした八重椿も花御堂の花となる。寺のあるところに咲く花が集められ、花屋の花も買い足して花園のようだ。(高橋正子)

★式場のオルガンの音や春爛漫/井上治代
小さな幼稚園の入園式であろうか。それとも、結婚式であろうか。式場にオルガンが奏でられる。陽が照り、桜が咲き、オルガンが歌う今こそ春爛漫だ。(高橋正子)

【銅賞3句】
★桜散る大鐘楼を吹き抜けて/古田敬二
強い風に吹かれて大寺の桜がどっと散る。大鐘楼を吹き抜けて飛び行く様は豪快とでも言おうか。たっぷりと散りゆく花だ。(高橋正子)

★雑木林差し込む明かりと鶯と/祝恵子
雑木林は芽木で薄緑に染まっているだろう。陽の光はやさしく差し込み、鶯が麗しい声で鳴く。しばらくはこの林に居たくなる優しく明るい空間だ。(高橋正子)

★手づくりの生菓子回す花の宴/佃 康水
花の宴に、手作りの生菓子が回された。季節を象った生菓子であろうから、花の宴も一層ゆかしい宴になったことだろう。(高橋正子)

【高橋信之特選/7句】
★桜散る大鐘楼を吹き抜けて/古田敬二
今年の花流しは強風でしたから、境内の桜も、勢いよく散ったことでしょう。中でも「大鐘楼を吹き抜け」る飛花には、寂しさばかりでなく、清々しさを感じます。大鐘楼から響く鐘の音のように、どこまでも渡って行きそうな、広やかな心地です。(川名ますみ)

★パリパリの大きな制服入学式/高橋秀之
五月には、八十五歳の誕生日を迎えるのだが、それでも小学校や中学校の思い出は鮮明に残っている。いい思い出なのだ。(高橋信之)
入学する子供たちはまさに成長期、直ぐに体に合わなくなってしまうので少し大きめな制服を準備します。
「パリパリの大きな制服」にその様子が伺えると共に入学の喜びも伝わって参ります。(佃 康水)

★散り急ぐ花をくぐりて灌仏会/高橋正子
「灌仏会」そして「入学式」がある4月8日には、桜の花が咲き残っている。それを私は、うれしく思う。釈迦誕生と子等の入学を祝い、うれしく思う。(高橋信之)
見事な満開の花が早や急ぐかに散っています。散る桜をくぐって灌仏会に参詣、甘茶を注がれたのでしょうか。風情に満ちた美しい景色です。(佃 康水)

★手づくりの生菓子回す花の宴/佃 康水
「手づくり」であれば、「花の宴」の会話が盛り上がる。楽しい「花の宴」となる。(高橋信之)

★雑木林差し込む明かりと鶯と/祝恵子
横浜日吉に住んでいるのだが、近くに「四季の森」という名の公園があって、そこにも「雑木林」がある。私のお気に入りの散策の場所である。(高橋信之)

★八重椿屋根に載せたる花御堂/河野啓一
★青空へ吹かれ戻らぬ飛花あまた/川名ますみ

【高橋正子特選/7句】
★式場のオルガンの音や春爛漫/井上治代
春の日が輝きわたって、万象ことごとく柔らかく明るく美しくなか、結婚式の素敵なオルガンに仲の良い新郎新婦が現れ幸せいっぱいの景が素敵ですね。 (小口泰與)

★傘たたむ落花一片つけしまま/古田敬二
雨で散った花びらが傘についたままになっているのがきれいに感じるのは、この季節ならではの風情ですね。 (高橋秀之)

★あら虹と声をたぐれば桜咲く/祝恵子
アニメ映画のような意外性とユーモアが感じられ、印象的でした。満開の桜が目に浮かびます。 (河野啓一)

★夕桜風なくて散り吹かれ散り/川名ますみ
風がなくても、あっても、桜が散る。浅いところを見て、深いところを知るのだ。現象を見て、本性を知るのだ。(高橋信之)

★今日灌仏会寺苑に花びらを敷き/高橋信之
★八重椿屋根に載せたる花御堂/河野啓一
★青空へ吹かれ戻らぬ飛花あまた/川名ますみ

【入選/4句】
★芽吹く木に雨とどまりて光り落つ/川名ますみ
この時期の雨は草木にとっては新しい芽吹きを促す嬉しい雨ですね。その雨が芽吹いたばかりの葉っぱへ留めて光を放ち雫となって落ちました。美しい活き活きとした好きな句です。(佃 康水)

★花びらをつまむ幼児や花の昼/桑本栄太郎
散り初めた花弁をつまみ上げて、しげしげと眺める幼児。小さいお子さんも交えて一家団欒の花見の景が想像されます。のどかで笑いに満ちたひとときです。 (河野啓一)

★奥利根の風の硬しや夕桜/小口泰與
花冷えの頃の風は肌寒い感じがしますが、そのことを「風の硬しや」と表現された感覚がすばらしいと思いました。奥利根という地名もこの句にぴったりだと思います。 (井上治代)

★花祭甘茶所望の四十雀/満天星
四十雀が飛んできて、花御堂をちょんちょんとつつき、まるで「私にも甘茶をください。」と言っているような様子が可愛いなあと思いました。 (井上治代)


■選者詠/高橋信之
★花御堂に花あふれさせ手を合わす
字余りですが無理なく詠まれ詩情ゆたかな御句に成るほどと教えられました。花祭りの愉しさがあふれています。(河野啓一)

★今日灌仏会寺苑ひろびろとして晴れ
★今日灌仏会寺苑に花びらを敷き

■選者詠/高橋正子
★指先の滴がきらと甘茶仏
天上を指すお釈迦様の指先が甘茶できらと光ったという一瞬の光景を捕えて素晴らしい。 (満天星)
次々と甘茶をかけられるお釈迦様、指先に雫が春の日にひかり落ちているのを見つめている、細かい視点ですね。(祝恵子)

★花御堂日がほの甘く差しいたり
釈迦誕生の「花御堂」のやさしさを詠んで、「日がほの甘く差しいたり」と捉えた。作者独自の言葉がいい。(高橋信之)

★散り急ぐ花をくぐりて灌仏会

■互選高点句
●最高点句(6点)
★八重椿屋根に載せたる花御堂/河野啓一

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。
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◆花祭りネット句会清記◆

2016-04-08 14:54:57 | 日記

2016年4月8日
■■花祭りネット句会清記
12名36句

01. 八重椿屋根に載せたる花御堂
02. 仏生会教えあまねく天と地に
03. れんげ咲く小川のほとりすみれ草
04. 花びらをつまむ幼児や花の昼
05. 花屑やライトアップの高瀬川
06. 散り際の色に出で居る桜かな
07. 展望台眼下は桜が一面に
08. 街灯に映える桜は七分咲き
09. パリパリの大きな制服入学式
10. 古稀迎え心安らぐ花祭り

11. 式場のオルガンの音や春爛漫
12. 夕月の白く輝き春おぼろ
13. 夕桜風なくて散り吹かれ散り
14. 青空へ吹かれ戻らぬ飛花あまた
15. 芽吹く木に雨とどまりて光り落つ
16. 欠番
17. 欠番
18. 欠番
19. 奥利根の風の硬しや夕桜
20. ごうごうの利根川(とね)や落花の限りなし

21. 翔つ鳥の合掌のさま山桜
22. 傘たたむ落花一片つけしまま
23. 池落花如意輪観音伏し目がち
24. 桜散る大鐘楼を吹き抜けて
25. あら虹と声をたぐれば桜咲く
26. 竹の秋音する方へ鹿威し
27. 雑木林差し込む明かりと鶯と
28. 散り急ぐ花をくぐりて灌仏会
29. 花御堂日がほの甘く差しいたり
30. 指先の滴がきらと甘茶仏

31. 花祭甘茶所望の四十雀
32. 対岸の紫荊恋うて昔色
33. 花吹雪もぬけの殻の城の堀
34. 今日灌仏会寺苑ひろびろとして晴れ
35. 今日灌仏会寺苑に花びらを敷き
36. 花御堂に花あふれさせ手を合わす
37. 坊守の急ぎ足さるる甘茶寺
38. 手づくりの生菓子回す花の宴
39. 咲き溢れ桜絵巻の錦帯橋

※互選を開始してください。


◆互選のご案内◆
①選句は、清記の中から5句を選び、その番号のみをお書きください。なお、その中の1句にコメントを付けてください。
②選句は、4月8日(水)午後6時から始め、同日午後9時までに済ませてください。
③選句の投稿は、下のコメント欄にご投稿ください。
※1) 入賞発表は、4月8日(水)午前10時
※2) 伝言・お礼等の投稿は、4月9日(木)午前10時~5月10日(金)午前10時です。
コメント (9)
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