■花冠月例句会■

俳句雑誌「花冠」の月例ネット句会のためのブログ 管理 高橋句美子・西村友宏

◆ご挨拶/7月ネット句会(句会主宰:高橋正子)◆

2016-07-10 14:44:19 | 日記
6月ネット句会は、お休みいたしました。7月月例ネット句会は、新暦の七夕を過ぎた10日に開催いたしました。10日は参議院議員選挙の投票日でもありましたが、ご参加いただき、ありがとうございました。参加者は13名で39句の投句をいただきました。入賞のみなさまおめでとうございます。また、選とコメントをありがとうございました。

横浜では大雨に見舞われることもなく、利根川では、水位がずいぶん下がっているようです。西日本では、豪雨で、なかなかうまくいかないものです。

7月9日の夜空を見あげると、月が星を連れていました。月の斜め上方に星がありました。ネットで検索しましたら、「7月9日日没後、木星が5日月へ接近したのが見られる。」とありましたので、星は木星です。少し前には日本人飛行士も乗せたソヒューズが宇宙へ飛び立ち、宇宙も遠い存在ではなくなりつつあります。偶然見上げた空にも、天体ショーがありましたが、いつも何かが起こっているのでしょう。
宇宙開発はともかく、星がいっぱいの夜空を仰ぎたいものです。そして、一句成したいものです。これで、7月月例ネット句会を終わります。次回の月例ネット句会を楽しみに、ご健吟ください。

(金銀銅賞の皆様には、ささやかながら、わたくしの俳句はがきをお送りしたいと思っています。)
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◆入賞発表/7月月例ネット句会◆

2016-07-10 14:43:14 | 日記

■2016年7月月例ネット句会■
■入賞発表/2016年7月11日

【金賞】
★完熟のトマト朝陽に透けるほど/古田敬二
夏の菜園で一番楽しみな時は、朝であろう。はちきれんばかりに、真っ赤に熟れたトマトに朝陽が射して、トマトは透けるほどだ。誇らしい出来栄えのトマトが生き生きとしている。(高橋正子)

【銀賞2句】
★早朝にヨットが静かに遠ざかる/高橋秀之
早朝の海の涼しさをヨットは、静かに遠くへ出て行った。「静かに」が寡黙な海の男を思わせる一方、滑るように離れて行くヨットの景色が、朝の涼しさをさらに呼び起こしている。(高橋正子)

★釣り人も吾が目の視野に百合の咲く/祝 恵子
私の視野には、釣り人も百合も入っている。釣りをする人がいかにも涼しげだ。さらりとした句柄が心を爽やかにしてくれる。(高橋正子)

【銅賞3句】
★ひとつ咲き今日が初めや百日草/桑本栄太郎
百日草と言われて、夏の暑い盛りを咲き続けてくれる花が、今日その初めの一花を開いた。これから、百日咲き続けてくれるだろう、咲き続けてくれよとの願い。
私事だが、夏休みの間、百日草はよく咲いてくれて、玄関の花に、仏様の花にと、よく剪ったものだ。(高橋正子)

★青田道踏みしむ金属入りし脚で/柳原美知子
脚を患っておられるのだろう。歩きにくい脚に金属を入れて補強し、歩けるようになった。青田の道を一歩一歩踏みしめて歩く。青田道の青さが救いのように思える。お大事に。(高橋正子)

★艶やかにガラスの皿の葛饅頭/井上治代
葛饅頭は、透明な葛がつややかに透けて、中の餡を見せている。ガラスの皿に載せられて、目にも涼ししく、まさに夏のお菓子だ。たしかに、葛は「艶やかだ」。(高橋正子)

【高橋信之特選/7句】
★早朝にヨットが静かに遠ざかる/高橋秀之
きらきら光る青い海を、白い帆のヨットが静かに遠ざかる光景から、涼しい風が吹きわたっている感じがして、すっきりとした素敵な句だと思いました。(井上治代)

★水筒の残りし氷取り出す子/祝 恵子
夏の暑い盛り、水筒のお茶を飲みほして、さらに残っている氷を取りだす。元気いっぱいの子どもたちです。 (高橋秀之)

★七夕や世界の平和願いおり/井上治代
七夕の短冊に込められた願いはさまざまですが、今年の国際情勢を見ていると、世界平和を願う気持ちは共感します。 (高橋秀之)

★ひとつ咲き今日が初めや百日草/桑本栄太郎
★釣り人も吾が目の視野に百合の咲く/祝 恵子
★青田道踏みしむ金属入りし脚で/柳原美知子
★完熟のトマト朝陽に透けるほど/古田敬二

【高橋正子特選/7句】
★初蝉の声高きより瀬の音に/柳原美知子
初蝉の声は、新鮮な声で高く聞こえてきましたが、静かになると瀬の音に変わってくる。盛夏の訪れがそこに感じられます。 (高橋秀之)

★ひとつ咲き今日が初めや百日草/桑本栄太郎
★早朝にヨットが静かに遠ざかる/高橋秀之
★釣り人も吾が目の視野に百合の咲く/祝 恵子
★艶やかにガラスの皿の葛饅頭/井上治代
★しんとして夏の盛りに思うこと/高橋信之
★完熟のトマト朝陽に透けるほど/古田敬二

【入選/6句】
★噴水や暗き影ある旅鞄/小口泰與
旅鞄に影あるとは何か不吉な予感のする夏の旅でしょうか。松本清張の推理小説にでも出てきそうなストーリー性があるように思いました。 (満天星)

★ソーダ水水滴落ちるグラス持つ/高橋句美子
よく冷えたソーダ水とよく冷やしたグラス、その水滴も心地よく美味しいことでしょう。 (祝恵子)

★燈を消して漁火沖の涼夜かな/桑本栄太郎
闇の中で潮風に吹かれながら沖の漁火をながめれば、心もひろびろと波音が静かに胸に沁み込んでいくようです。 (柳原美知子)

★花合歓のひそと佇む山路かな/河野啓一
6月末、7月と所要の為田舎鳥取の実家を訪れる機会があり、中国道、米子道を二度往復する機会がありました。野山の至る所に合歓の花が咲き、うっすっらとした花が沢山集まって圧倒されるほどの光景でした。(桑本栄太郎)

★万緑や名もなき鳥の鳴く静寂/谷口博望 (満天星)
なんという鳥か知らないが、小鳥の声にはつい耳を澄ます。万緑に鳴く鳥の声に、鳥の声があればこそ、万緑の静寂が深まる。(高橋正子)

★七夕や耳を澄ませて星の歌/廣田洋一
「澄ませて」の「て」が気になるところだが、七夕の夜、耳を澄ませば夜空の星が歌う歌が聞こえそうだ。七夕の夜は、おのずと詩情が湧いてくる。(高橋正子)

■選者詠/高橋信之
★しんとして夏の盛りに思うこと
夏の盛りを感覚で捉えれば、「しんとして」だ。暑さ極まったときの「しんとした」時間は、人に何かを思わせる。(高橋正子)

★炎天となりゆく下の今日を歩く
夏もいよいよ盛りとなり、炎天となりゆく空の色や雲を眺めながら今日を確かに歩まれる充実した日々が伺え、元気をいただく思いです。 (柳原美知子)

★七月の薄明という明るさに


■選者詠/高橋正子
★夏暁のこのひとときを二度寝する
暑い夏の早朝の涼しさの中でまた寝る事の楽しさが滲み出ている素晴らしい句だと思います。 (小口泰與)

★木星の月へ近づく夏ゆうべ
木星探査機が木星に到着したところと思いました。地球の月だけでなく、木星の月までの、大きな夢を感じさせられます。 (河野啓一)

★金魚屋がありて買わずも寄りて過ぐ
夜店も開かれ、いよいよ夏本番。色鮮やかな金魚が出番を待ってすいすい泳いでいる姿は、いかにも涼しげで、思わず立ち寄ってしまいます。爽やかな夏の風物詩ですね。(柳原美知子)

■互選高点句
●最高点句(同点2句/5点)
★早朝にヨットが静かに遠ざかる/高橋秀之
★完熟のトマト朝陽に透けるほど/古田敬二

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。
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◆7月ネット句会清記◆

2016-07-10 14:40:36 | 日記

2016年7月10日
■■7月ネット句会清記
13名39句

01.ひとつ咲き今日が初めや百日草
02.のたうちて蚯蚓日差しに乾びけり
03.燈を消して漁火沖の涼夜かな
04.万緑や名もなき鳥の鳴く静寂
05.いつか見し男の夢や花魁草
06.赤とんぼ子供のいない遊園地
07.噴水や暗き影ある旅鞄
08.あめんぼう水面を弾く朝日かな
09.アイホーンに収まる世界木下闇
10.花合歓のひそと佇む山路かな

11.明石沖鴎は低く夏の海
12.さらさらと笹の葉ゆれて七夕祭
13.蝉の声聞こえてすぐに大合唱
14.夏空にふんわり大きな雲ひとつ
15.早朝にヨットが静かに遠ざかる
16.釣り人も吾が目の視野に百合の咲く
17.水筒の残りし氷取り出す子
18.幼子の水着姿はフリル付き
19.金魚屋がありて買わずも寄りて過ぐ
20.夏暁のこのひとときを二度寝する

21.木星の月へ近づく夏ゆうべ
22.線路をも青く染めんか紫陽花は
23.七夕や耳を澄ませて星の歌
24.せせらぎの音のかそけし風薫る
25.葉の陰に静かに咲ける柿の花
26.艶やかにガラスの皿の葛饅頭
27.七夕や世界の平和願いおり
28.七夕の夜空の暗さ街明かり
29.色あせて木陰に揺れる蛍袋
30.ソーダ水水滴落ちるグラス持つ

31.七月の薄明という明るさに
32.炎天となりゆく下の今日を歩く
33.しんとして夏の盛りに思うこと
34.青田道踏みしむ金属入りし脚で
35.立葵夕影ゆらし月仰ぐ
36.初蝉の声高きより瀬の音に
37.虎尾草の美濃路の朝の曲がりかな
38.完熟のトマト朝陽に透けるほど
39.やや曲がり胡瓜ふとぶとぶら下がる

※互選を開始してください。
①選句期間:7月10日(日)午後6時~午後9時
②入賞発表:7月11日(月)午前10時
③伝言・お礼等の投稿は、7月11日(月)午前10時~7月12(火)午前10時
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●7月月例ネット句会のご案内●

2016-07-06 11:34:12 | 日記

●7月月例ネット句会のご案内●

①花冠会員・同人であれば、どなたでも投句が許されます。花冠会員・同人以外の方は花冠発行所にお申し込みください。
②当季雑詠(夏の句)計3句をブログ<コメント欄>にお書き込みください。
③投句期間:2016年7月7日(木)午前0時~7月10日(日)午後6時
④選句期間:7月10日(日)午後6時~午後9時
⑤入賞発表:7月11日(月)午前10時
⑥伝言・お礼等の投稿は、7月11日(月)午前10時~7月12(火)午前10時
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