■花冠月例句会■

俳句雑誌「花冠」の月例ネット句会のためのブログ 管理 高橋句美子・西村友宏

◆ご挨拶/10月ネット句会◆

2014-10-14 06:16:40 | 日記

◆10月ネット句会◆
ご挨拶(高橋正子/主宰)

 今月の句会は、体育の日の連休中でしが、先週の台風18号に続き、今週も大型の19号が来襲するというので、ひやひやいたしました。皆さまのところには、被害はございませんでしたでしょうか。横浜は、夜9時ごろからしばらく、本ぶりの雨と風でしたが、今朝は台風一過の青空が広がっています。今月の投句者は18名でした。入賞の皆さまおめでとうございました。選コメントをありがとうございました。先月の句会より、秋がまたひとつ深くなり、季節の進みを感じました。皆既月食あり、稲の稔りや、秋祭りの句、木の実や秋の花々の句など、めずらしい句もありました。読む楽しみも、作る楽しみもあるのが句会ですが、ネットでありながら、親しく交わる句会となっていることを、嬉しく思いました。
 総合俳誌「俳句界」10月号に花冠のネット活動を信之先生が紹介されています。日本のなかでも、あるいは世界のなかでもと言えると思いますが、ネットを利用しての句会や俳句活動は、花冠の誇るところと思います。一人ひとりのご参加があってのことです。ますます、ご健吟ください。句会の管理運営は信之先生に、互選の集計は洋子さんにお願いしました。お世話になりありがとうございました。朝夕冷え込むようになりました。風邪にはご用心なさってください。これで今月の句会を終わります。
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■10月ネット句会入賞発表■

2014-10-13 23:38:20 | 日記

■10月ネット句会■
■入賞発表/2014年10月13日■

【金賞】
★風澄みて濠の蓮の実飛ぶを見る/小川和子
蓮の花が終わると、蜂の巣状に穴の開いた花托(かたく)となって、中の実が熟すと穴から飛び出て水に落ちる。この句の蓮は濠に咲いていた蓮。「蓮の実飛ぶ」を眼のあたりにした驚きでもあるが、「風澄みて」によって、いっそうクリアに「蓮の実飛ぶ」を見たことになった。(高橋正子)

【銀賞2句】
★幟はためき刈りたての田が匂う/藤田洋子
幟は秋祭りの幟で、そもそも秋祭りは収穫に感謝する祭りだ。稲が刈られたばかりの田が匂い、墨痕鮮やかな幟がはためき、祭りの気分も盛り上がる。在所の秋祭りの雰囲気がよく出ている。(高橋正子)

★爽やかに大東京を一望す/多田有花
東京が一望できる超高層ビルやタワーに上ったのだろう。秋気が澄み、大東京が一望できることに、爽やかさを感じ取った。また、句意がはっきりしていることも、爽やかさの一つとしたい。(高橋正子)

【銅賞3句】
★ぷちぷちと足裏にひびき木の実踏む/桑本栄太郎
散歩などで森の道などを歩くと、おびただしい木の実が落ちているのに出会う。踏み歩くと足裏に「ぷちぷち」とひびく。木の実の形、木の実の硬さが足裏に伝わってくる確かな実感がある。(高橋正子)

★カタコトと夜なべのミシン軽やかに/井上治代
夜なべは、農家では冬物の繕いや藁仕事などしたが、今ではこうした夜なべは少ない。夜遅くまで起きている生活が普通になり、「夜なべ」にも、趣味的な楽しみの要素がが加わってきた。この句の夜なべに踏むミシンもカタコトと、軽やかで楽しそうだ。(高橋正子)

★コスモスの色地に零しつつ剪れり/柳原美知子
秋も半ば、コスモスが咲き誇っている。中にはすぐに散る花もある。剪りとろうとすると、花びらがこぼれ散る。その散り零れるいろいろの色が、咲く花よりも儚くて印象に残る。(高橋正子)

【高橋信之特選/8句】

★幟はためき刈りたての田が匂う/藤田洋子
秋祭りの風景なのであろうか。あるいは、稲刈りと合わせて田の傍に幟を立てるものなのだろうか。私は、実際にこうした風景を見たことはないのだが、収穫の喜びが晴れ晴れと祝われている情景を目の当たりにすることができます。「田が匂う」が力強く響きます。(小西 宏)
人を詠んだ句ではないのに、そこに暮らす人のぬくもりを感じる、好きな句です。路には行事の幟が立てられ、稲はまさに苅ったばかり、刈株が並んで、田ごと匂い立つよう。静かな景色に、確かな日々の営みがあります。(川名ますみ)
稲刈りを終えた里の秋祭りを迎える静かで喜びに満ちた人々の暮らしがうかがえる日本の原風景に、心安らぐ思いがします。(柳原美知子)

★蔓細工の籠に重ねて青みかん/小川和子
味わいのある籠に重ねられたみかん。つやつやと輝きおいしそうです。実りの秋に感謝したいと思います。 (井上治代)

★俎板に軽き音立て秋祭り/藤田洋子
そうですよね、お祭りの外の賑やかさを詠むことが多いですが、家内のご馳走づくりも祭りのものですね。力を入れずに「軽き」がとても素敵です。 (祝恵子)

★乾杯のワインの美味さ赤き月/内山富佐子
先日の皆既月食ですね。夕方から夜半前までの天体ショー。今回は約1時間かけて赤い月を眺める事が出来ました。その月を仰ぎながらご家族?お友達?とワインで乾杯!美味しい!至福の一時です。 (佃 康水)

★風澄みて濠の蓮の実飛ぶを見る/小川和子
蓮の実は実に奇妙な形をしている。実際に飛ぶ光景を見た事はないものの、秋晴れの爽やかな日にポンと音を立てて飛ぶと聞いた事がある。あの多連装の銃口のような形状から飛ぶ事を想えばさもありなんと想え、そこに秋の豊かな詩情が生まれた。 (桑本栄太郎)

★妹も泥に網入れ蘆の花/小西 宏
おそらく上のお子さんを真似ての姿でしょう。自然の中で遊ぶ子どもたちがありありと目に浮かび、心安らぐ水辺の秋の光景です。子どもたちを見守るあたたかな眼差しに、蘆の花穂がこよなく優しく感じられます。 (藤田洋子)

★ぷちぷちと足裏にひびき木の実踏む/桑本栄太郎
★爽やかに大東京を一望す/多田有花

【高橋正子特選/8句】

★幟はためき刈りたての田が匂う/藤田洋子
人を詠んだ句ではないのに、そこに暮らす人のぬくもりを感じる、好きな句です。路には行事の幟が立てられ、稲はまさに苅ったばかり、刈株が並んで、田ごと匂い立つよう。静かな景色に、確かな日々の営みがあります。(川名ますみ)
稲刈りを終えた里の秋祭りを迎える静かで喜びに満ちた人々の暮らしがうかがえる日本の原風景に、心安らぐ思いがします。(柳原美知子)

★風澄みて濠の蓮の実飛ぶを見る/小川和子
蓮の実は実に奇妙な形をしている。実際に飛ぶ光景を見た事はないものの、秋晴れの爽やかな日にポンと音を立てて飛ぶと聞いた事がある。あの多連装の銃口のような形状から飛ぶ事を想えばさもありなんと想え、そこに秋の豊かな詩情が生まれた。 (桑本栄太郎) 

★畝に座し句帳開けば百舌遠音/古田敬二
菜園作業を終えちょっと一休み。やれやれと畝に座し句帳を開くと何処からか百舌の声が聞こえてくる。そこで一句。日頃から菜園を楽しみつつ、またそれを余さず句財にされている作者が見えて参ります。空晴れて絶好の百舌日和、心身共に伸びやかです。 (佃 康水)

★稲雀辺りの屋根を逃げ場とし/佃 康水
辺りを賑わしている稲雀たち、敏感に反応しては近場の屋根に逃げてはまた下りる。その動きを楽しんでいる作者です。(祝恵子)
何に驚いたのか、そろって逃げ去り、近くの屋根に集まってようすを窺う姿をよく見かけます。そのくせ、すぐにまた刈り後の田んぼに舞い降りて来るのですね。微笑ましい秋の風景です。(小西 宏)

★東へと帰る旅路は秋の夜/高橋秀之
東へと向かっている、旅を終えての帰途の安堵感でしょうか。(祝恵子)

★カタコトと夜なべのミシン軽やかに/井上治代
★爽やかに大東京を一望す/多田有花
★コスモスの色地に零しつつ剪れり/柳原美知子

【入選/7句】
★秋の蝶吾身に触れて離れゆく/祝恵子
秋の蝶はどこか、はかなげ。ひらひらと近づいてきて、作者に触れ、どこへともなく去ってゆく。秋の日の蝶との又とない交流のひとときが思われます。(小川和子)

★あつあつの秋刀魚ふとぶと皿に余る/小西 宏
秋の味覚の王者、秋刀魚。皿をはみ出すほどの太った秋刀魚。焼き立てにカボスなどを絞って掛け、アツアツをほぐして、新米の飯を食う。どんなレストランの料理のも勝る夕餉である。 (古田敬二)

★鳥が飛ぶ秋の瀬戸内海岸線/高橋秀之
大きな景の句です。鳥の目になってどこまでも続く瀬戸内の海岸線を空から気持ちよく俯瞰しました。 (内山富佐子)

★噴煙の果てて紅葉の日和かな/小口泰與
噴煙は浅間山のものでしょうか。今日は噴煙が少なく穏やか、お天気も上々で色づき始めた紅葉が美しく山を彩っています。 (多田有花)

★月食を同窓会に秋の暮/川名ますみ
月食の夜に生まれる、旧友たちとの素敵な交流に心和みます。刻々と進む月食の感動を互いに共有しながら、深まる秋にいっそう心豊かなひとときが感じられます。 (藤田洋子)

★秋晴れに島のまわりに釣りの舟/迫田和代
瀬戸内の島でしょう。小舟が島のまわりに散らばっています。澄んだ秋空と穏やかな瀬戸の海、ほのぼのとした情景です。 (多田有花)

★銀漢や灯台の下釣り師あり/福田ひろし
雄大な景色です。天の川、灯台、釣り師と大きなところから小さなところへと視点を誘われます。 (多田有花)


■選者詠/高橋信之
★台風の眼がある今日のパソコンに
大型の台風19号は台湾と小笠原諸島との間を通過 する時には大きな台風の眼がレイダーにはっきり映りTVやPCで見ることが出来ます。今年最大の勢力で日本を縦断して大きな被害をもたらしました。(小口泰與)
先日、宇宙ステーションから撮影した台風19号の写真をネットで見ました。恐らく同じものをご覧になっての御句と思います。白い雲の中央に目がくっきりと見えていて、大型で強い台風の力を感じました。(多田有花)

★手拭の小熊の笑みよ台風去る
★台風去って街の明るい朝へ出る

■選者詠/高橋正子
★月ひとつ霧に滲んで高くあり
秋の月が、少し滲みながらも、毅然と空高く輝いている。ひとつ、高く、という言葉が厳かな雰囲気を見事に表現されているように思います。(福田ひろし)

★銀杏を割って永久のみどり色
お正月の祝い膳に翡翠色した銀杏を飾ったり、茶碗蒸しに入れたり、殻煎りしてぷちっと割って出てきた緑の実を美味しく戴くのがこれからの楽しみです。「永久のみどり色」の表現にとても新鮮な魅力を感じました。「永久の」とは「割った芯の何処までも澄んだみどり色」「何時も変わらぬ翡翠色」などの意味を表現されているのかなと透きとおる様な銀杏のみどりを思い浮かべています。(佃 康水)

★空耳と思えど里の祭笛
氏神様を祀る秋祭りは収穫の整う10月上旬に行われる事が多く、小生の田舎では10月10日に行われていた。三方に米、里芋、柿、人参ほか収穫物を乗せて供えていた。秋祭りは遷宮でもあれば露店も出て、それは大変な賑わいであった。風に乗って何処か遠くから祭笛の音が聞こえて来れば、空耳では?と思いながらも遠い懐かしい記憶が一瞬にして蘇えり、胸が躍るのである。(桑本栄太郎)


■互選高点句
●最高点(7点)
★幟はためき刈りたての田が匂う/藤田洋子


※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/藤田洋子)
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◆10月ネット句会清記◆

2014-10-13 15:27:41 | 日記

■10月ネット句会■
■清記/18名54句
※午後6時になりましたら、選句を開始してください。

01.木犀や田川の瀬音身の内に
02.噴煙の果てて紅葉の日和かな
03.目覚めたる身の節々や豊の秋
04.虫の音を遠くに聞きてしまい風呂
05.秋暑し芋の葉陰で憩いたり
06.カタコトと夜なべのミシン軽やかに
07.嵐去り秋蝶つるみ青空へ
08.蔓引けば青き香いまだ溢れけり
09.ぷちぷちと足裏にひびき木の実踏む
10.月食の土手や細りし虫の闇

11.稲雀辺りの屋根を逃げ場とし
12.電線を撓わせ並ぶ秋燕
13.街角に神輿高々秋祭り
14.俎板に軽き音立て秋祭り
15.幟はためき刈りたての田が匂う
16.秋扇巻きし毛先を揺らすため
17.月食を同窓会に秋の暮
18.タブレット越しのお喋り赤き月
19.秋蝶の低きを飛んで優しかり
20.畝に座し句帳開けば百舌遠音

21.新しき畝を秋の天道虫
22.森近くあちらこちらに吾亦紅
23.澄んだ水川の流れを橋の上
24.秋晴れに島のまわりに釣りの舟
25.蔓細工の籠に重ねて青みかん
26.風澄みて濠の蓮の実飛ぶを見る
27.半世紀経て吾に褪せぬ林檎園
28.眈々と狙い定める野分かな
29.銀漢や灯台の下釣り師あり
30.静かなる野分の前の薄き空

31.青空に芙蓉の赤のふと揺れて
32.秋の蝶吾身に触れて離れゆく
33.赤とんぼスイッと追いこし戻りくる
34.団栗のポツと地を打つ森静か
35.妹も泥に網入れ蘆の花
36.あつあつの秋刀魚ふとぶと皿に余る
37.秋晴れや玉砂利踏んで二重橋
38.秋天へぐんぐん昇るエレベーター
39.爽やかに大東京を一望す
40.鳥が飛ぶ秋の瀬戸内海岸線

41.単線の線路の隙間に狗の子草
42.東へと帰る旅路は秋の夜
43.月ひとつ霧に滲んで高くあり
44.空耳と思えど里の祭笛
45.銀杏を割って永久のみどり色
46.台風の眼がある今日のパソコンに
47.手拭の小熊の笑みよ台風去る
48.台風去って街の明るい朝へ出る
49.濠の秋鯉群がりて綾をなし
50.破蓮の水面に届く日の光

51.乾杯のワインの美味さ赤き月
52.コスモスの色地に零しつつ剪れり
53.秋天へ甲羅干したる堀の亀
54.刈田吹く風を集めて夕焼雲


◆互選のご案内◆
①選句は、清記の中から5句を選び、その番号のみをお書きください。なお、その中の1句にコメントを付けてください。
②選句は、10月13日(月)午後6時から始め、同日(10月13日)午後9時までに済ませてください。
③選句の投稿は、下のコメント欄にご投稿ください。
※1) 入賞発表は、10月14日(火)正午
※2) 伝言・お礼等の投稿は、10月14日(火)正午~10月15月(水)午後6時です。
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10月ネット句会のご案内

2014-10-08 15:56:29 | 日記
◆10月ネット句会のご案内◆
①花冠会員・同人であれば、どなたでも投句が許されます。花冠会員・同人以外の方は花冠IDをお申し込みの上、取得してください。
②当季雑詠(秋の句)計3句を下の<コメント欄>にお書き込みください。
③投句期間:2014年10月8日(水)午後4時~10月13日(月)午後6時
④選句期間:10月13日(月)午後6時~10月13日(月)午後9時
⑤入賞発表:10月14日(火)正午
※投句を受け付けています。
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