■2019年6月月例ネット句会■
■入賞発表/2019年6月10日
【金賞】
★茹でたての淡竹真白くさくさく食む/柳原美知子
淡竹(はちく)は、竹の一種であるが、孟宗竹よりも灰汁が少なく、皮を剥くと白、或いは薄い緑の幹が現れる。白いものほど若く柔らかい。真白く茹でた淡竹は、初夏、さくさくと爽やかに食べたいものだ。(高橋正子)
【銀賞/2句】
★まな板の洗いしばがりの紫蘇きざむ/祝 恵子
まな板に洗ったばかりの紫蘇を載せ、きざむ。香り豊かな紫蘇を刻むと、夏の台所仕事が涼やかになる。(高橋正子)
★飛ぶものが次々夏の頂に/多田有花
飛ぶものは、いろいろ。蝶、蜂、燕などだろうか。夏山の頂にいると、それらが次々飛んで来る。頂は、下界と違って、飛ぶものが集まるところなのだ。(高橋正子)
【銅賞/3句】
★大空に動き軽やか夏の蝶/高橋秀之
大空ならば、自由に飛べる。夏蝶も動きが軽やかになって、さらに自由を得ているのだ。(高橋正子)
★対岸を下りの列車麦の秋/古田敬二
麦秋の向こう岸を下りの列車が行く。下りの列車は、西へ、西へ、懐かしい方へと下ってゆく。日本人の郷愁を誘う句だ。(高橋正子)
★晴れた日の薔薇の花束父米寿/髙橋句美子
華やかな薔薇の花束。晴れた日の空に応えるかのような健やかさ。米寿の父へ長寿を祝う花束である。(高橋正子)
【高橋信之特選/7句】
★棚田米炊く香ただよう梅雨の家/髙橋正子
遠くから送っていただいた「棚田米」である。眼に浮かんでくる「棚田」の懐かしい風景が嬉しい。(高橋信之)
★茹でたての淡竹真白くさくさく食む/柳原美知子
まな板に洗ったばかりの紫蘇を載せ、きざむ。香り豊かな紫蘇を刻むと、夏の台所仕事が涼やかになる。(高橋正子)
★まな板の洗いしばがりの紫蘇きざむ/祝 恵子
まな板に洗ったばかりの紫蘇を載せ、きざむ。香り豊かな紫蘇を刻むと、夏の台所仕事が涼やかになる。(高橋正子)
★晴れた日の薔薇の花束父米寿/髙橋句美子
晴れ上がった六月。米寿の父に薔薇の花を送る。送る子も送られる父も健康で幸せである。 (古田敬二)
★大空に動き軽やか夏の蝶/高橋秀之
上五の「大空」がやや大げさのようだが、作者の感動の大きさが読者に伝わってくる。中七の「動き軽やか」も蝶の動きをうまく捉えた。言葉が平易なのが良い。「夏の蝶」であれば、平易なのがなお良いのだ。(高橋信之)
★飛ぶものが次々夏の頂に/多田有花
平易な言葉を並べ「夏の頂」をうまく捉えた。日常生活の中で俳句が身に着いていて、作者のいい生活が読み手に伝わってくる。(高橋信之)
★蓮の葉へ正午の光真っ直ぐに/多田有花
【高橋正子特選/7句】
★対岸を下りの列車麦の秋/古田敬二
先ず、俳句設定のロケーションが良い。下りの列車との楚辞に西へ向かう夕景とも想われ、遥かに見える遠くの対岸との間は、麦の秋の最中である。映画の中の一コマでのようであり、哀愁が漂っている。(桑本栄太郎)
★どくだみの花満開に朝一番/髙橋句美子
どくだみの花は、今満開である。朝一番に新聞を取りに出るとどくだみの白十字が庭を覆っている。その様な景が見える良い句です。(廣田洋一)
★明けゆける植田にさざ波つぎつぎと/柳原美知子
故郷の眼前の風景と重なり、懐かしさがつのります。(祝恵子)
水を張った植田のさざ波をみることができるのはこの季節限定です。まさに、田植えが始まったばかりの季節感を感じます。(高橋秀之)
★真夏日の雲育ち居り嶺の奥/桑本栄太郎
梅雨の晴れ間には青嶺の向こうに峯雲がむくむくと立ち上がり、新たな季節の到来と自然の生命力が感じられ、元気づけられます。(柳原美知子)
★空に雲ひとつだになし麦の秋/多田有花
雲ひとつだになしが快晴の大空を感じさせてくれ、すごく気持ちよいです。 (高橋秀之)
★大空に動き軽やか夏の蝶/高橋秀之
★まな板の洗いしばがりの紫蘇きざむ/祝 恵子
【入選11句】
★噴水の音にまどろむ昼下がり/西村友宏
公園のベンチでしょうか。噴水の音が眠りを誘う穏やかな昼下がりが伺えます。 (高橋秀之)
★鳴るならぬ草笛のあり野の歩き/祝 恵子
スズメノテッポウなどの草を抜き取って鳴らしてみる。心地よい風に吹かれ童心に還って、楽しい
野歩きの様子が目に浮かびます。(柳原美知子)
★パンを焼く香り溢るる街薄暑/古田敬二
芳ばsしいパンの香りが風に乗って街路に漂えば、薄暑の街歩きも楽しく、心弾むようです。(柳原美知子)
★辻曲がり出会いがしらや鬼やんま/桑本栄太郎
★玉苗や棚田へ流る水きよし/小口泰與
★トランポリン夏の空へと勢いよく/祝 恵子
★指先を染めて桑の実もぎりけり/古田敬二
★夕されば雨に打たれし立葵/廣田洋一
★sそびえ立つけやきの古木苔茂る/廣田洋一
★立葵花赤々と雨の中/髙橋句美子
★早苗育つ小流れの水噴き上がり/柳原美知子
■選者詠/高橋信之
★そら豆がてんでんばらばら灯の下に
★そら豆の緑が光る灯の下に
★カーテンを透かす朝日が楽しい初夏
■選者詠/高橋正子
★棚田米炊く香ただよう梅雨の家
梅の実が黄熟する頃降る雨の事を梅雨と言うが、この梅雨の頃の朝、友から送られてきた素敵な棚田米を炊く香が家の中に漂い食欲を満たす素晴らしい景ですね。(小口泰與)
丹精して収穫された棚田米の炊けるやさしい香りが梅雨の家中に広がり、日本の原風景が目に浮かぶようです。棚田の田植えも終わったことでしょう。今年も無事収穫できますよう。(柳原美知子)
★回り出しそうに梔子花一重
★金魚池赤き金魚の一文字
■互選高点句
●最高点(5点)
★晴れた日の薔薇の花束父米寿/髙橋句美子
※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も一点として加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。
■入賞発表/2019年6月10日
【金賞】
★茹でたての淡竹真白くさくさく食む/柳原美知子
淡竹(はちく)は、竹の一種であるが、孟宗竹よりも灰汁が少なく、皮を剥くと白、或いは薄い緑の幹が現れる。白いものほど若く柔らかい。真白く茹でた淡竹は、初夏、さくさくと爽やかに食べたいものだ。(高橋正子)
【銀賞/2句】
★まな板の洗いしばがりの紫蘇きざむ/祝 恵子
まな板に洗ったばかりの紫蘇を載せ、きざむ。香り豊かな紫蘇を刻むと、夏の台所仕事が涼やかになる。(高橋正子)
★飛ぶものが次々夏の頂に/多田有花
飛ぶものは、いろいろ。蝶、蜂、燕などだろうか。夏山の頂にいると、それらが次々飛んで来る。頂は、下界と違って、飛ぶものが集まるところなのだ。(高橋正子)
【銅賞/3句】
★大空に動き軽やか夏の蝶/高橋秀之
大空ならば、自由に飛べる。夏蝶も動きが軽やかになって、さらに自由を得ているのだ。(高橋正子)
★対岸を下りの列車麦の秋/古田敬二
麦秋の向こう岸を下りの列車が行く。下りの列車は、西へ、西へ、懐かしい方へと下ってゆく。日本人の郷愁を誘う句だ。(高橋正子)
★晴れた日の薔薇の花束父米寿/髙橋句美子
華やかな薔薇の花束。晴れた日の空に応えるかのような健やかさ。米寿の父へ長寿を祝う花束である。(高橋正子)
【高橋信之特選/7句】
★棚田米炊く香ただよう梅雨の家/髙橋正子
遠くから送っていただいた「棚田米」である。眼に浮かんでくる「棚田」の懐かしい風景が嬉しい。(高橋信之)
★茹でたての淡竹真白くさくさく食む/柳原美知子
まな板に洗ったばかりの紫蘇を載せ、きざむ。香り豊かな紫蘇を刻むと、夏の台所仕事が涼やかになる。(高橋正子)
★まな板の洗いしばがりの紫蘇きざむ/祝 恵子
まな板に洗ったばかりの紫蘇を載せ、きざむ。香り豊かな紫蘇を刻むと、夏の台所仕事が涼やかになる。(高橋正子)
★晴れた日の薔薇の花束父米寿/髙橋句美子
晴れ上がった六月。米寿の父に薔薇の花を送る。送る子も送られる父も健康で幸せである。 (古田敬二)
★大空に動き軽やか夏の蝶/高橋秀之
上五の「大空」がやや大げさのようだが、作者の感動の大きさが読者に伝わってくる。中七の「動き軽やか」も蝶の動きをうまく捉えた。言葉が平易なのが良い。「夏の蝶」であれば、平易なのがなお良いのだ。(高橋信之)
★飛ぶものが次々夏の頂に/多田有花
平易な言葉を並べ「夏の頂」をうまく捉えた。日常生活の中で俳句が身に着いていて、作者のいい生活が読み手に伝わってくる。(高橋信之)
★蓮の葉へ正午の光真っ直ぐに/多田有花
【高橋正子特選/7句】
★対岸を下りの列車麦の秋/古田敬二
先ず、俳句設定のロケーションが良い。下りの列車との楚辞に西へ向かう夕景とも想われ、遥かに見える遠くの対岸との間は、麦の秋の最中である。映画の中の一コマでのようであり、哀愁が漂っている。(桑本栄太郎)
★どくだみの花満開に朝一番/髙橋句美子
どくだみの花は、今満開である。朝一番に新聞を取りに出るとどくだみの白十字が庭を覆っている。その様な景が見える良い句です。(廣田洋一)
★明けゆける植田にさざ波つぎつぎと/柳原美知子
故郷の眼前の風景と重なり、懐かしさがつのります。(祝恵子)
水を張った植田のさざ波をみることができるのはこの季節限定です。まさに、田植えが始まったばかりの季節感を感じます。(高橋秀之)
★真夏日の雲育ち居り嶺の奥/桑本栄太郎
梅雨の晴れ間には青嶺の向こうに峯雲がむくむくと立ち上がり、新たな季節の到来と自然の生命力が感じられ、元気づけられます。(柳原美知子)
★空に雲ひとつだになし麦の秋/多田有花
雲ひとつだになしが快晴の大空を感じさせてくれ、すごく気持ちよいです。 (高橋秀之)
★大空に動き軽やか夏の蝶/高橋秀之
★まな板の洗いしばがりの紫蘇きざむ/祝 恵子
【入選11句】
★噴水の音にまどろむ昼下がり/西村友宏
公園のベンチでしょうか。噴水の音が眠りを誘う穏やかな昼下がりが伺えます。 (高橋秀之)
★鳴るならぬ草笛のあり野の歩き/祝 恵子
スズメノテッポウなどの草を抜き取って鳴らしてみる。心地よい風に吹かれ童心に還って、楽しい
野歩きの様子が目に浮かびます。(柳原美知子)
★パンを焼く香り溢るる街薄暑/古田敬二
芳ばsしいパンの香りが風に乗って街路に漂えば、薄暑の街歩きも楽しく、心弾むようです。(柳原美知子)
★辻曲がり出会いがしらや鬼やんま/桑本栄太郎
★玉苗や棚田へ流る水きよし/小口泰與
★トランポリン夏の空へと勢いよく/祝 恵子
★指先を染めて桑の実もぎりけり/古田敬二
★夕されば雨に打たれし立葵/廣田洋一
★sそびえ立つけやきの古木苔茂る/廣田洋一
★立葵花赤々と雨の中/髙橋句美子
★早苗育つ小流れの水噴き上がり/柳原美知子
■選者詠/高橋信之
★そら豆がてんでんばらばら灯の下に
★そら豆の緑が光る灯の下に
★カーテンを透かす朝日が楽しい初夏
■選者詠/高橋正子
★棚田米炊く香ただよう梅雨の家
梅の実が黄熟する頃降る雨の事を梅雨と言うが、この梅雨の頃の朝、友から送られてきた素敵な棚田米を炊く香が家の中に漂い食欲を満たす素晴らしい景ですね。(小口泰與)
丹精して収穫された棚田米の炊けるやさしい香りが梅雨の家中に広がり、日本の原風景が目に浮かぶようです。棚田の田植えも終わったことでしょう。今年も無事収穫できますよう。(柳原美知子)
★回り出しそうに梔子花一重
★金魚池赤き金魚の一文字
■互選高点句
●最高点(5点)
★晴れた日の薔薇の花束父米寿/髙橋句美子
※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も一点として加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。