■花冠月例句会■

俳句雑誌「花冠」の月例ネット句会のためのブログ 管理 高橋信之

■第18回(13夜)フェイスブック句会入賞発表■

2012-10-27 23:51:37 | 日記
■入賞発表/2012年10月27日■

【金賞】
★絹雲の大空全て淡き色/高橋秀之
絹雲は成層圏に秋によく発達する雲で、薄く箒で掃いたようである。その雲が生まれる大空は淡い色に広がっている。軽くて伸びやかなところがよい。(高橋正子)

【銀賞】
★校庭の銀杏の若し黄葉す/小西 宏
「銀杏の若し」がよい。銀杏黄葉が透き通ってみずみずしい感じだ。背筋を伸ばしたように溌剌とした銀杏である。(高橋正子)

【銅賞】
★コスモスの夕日を透かせ揺れどおし/柳原美知子
コスモスが夕日に色を深め、花びらを透かせ揺れどおしている。優しさに満ちた光景はいつ見てもよいものだ。(高橋正子)

★茶の花の咲くや羽音に包まれて/多田有花
茶の花は椿に似るが、椿よりもずっと小さい。その蜜を吸いに目白などがくる。姿は見えないが、羽音が聞こえる。茶の花と小鳥がよくマッチしている。(高橋正子)

★酔芙蓉いちばん星見ぃつけた/矢野文彦
いちばん星がでるころの酔芙蓉は、もう花が閉じようとして紅くなっている。一日の終わりに、いちばん星と酔芙蓉の出会いが心優しく詠まれている。(高橋正子)

【高橋信之特選/7句】
★十三夜豆炊く蓋の動きだす/佃 康水
十三夜は豆名月ともいわれるようです。お月見のために詠者は豆を炊かれているのでしょう。「蓋の動きだす」で、そろそろかなとふたを開けたくなりそうですね。(祝 恵子)

★さわさわと森囁ける十三夜/小西 宏
「さわさわと」木々のそよぎ、風の音、その快い森の囁きが十三夜の趣きをさらに深めてくれます。十三夜ならではの豊かな詩情が、しんと静まる森から伝わってくるようです。 (藤田洋子)

★十三夜手もとに集めた古切手/祝 恵子
思い出の切手、美しい切手など様々な記念の切手など収集をなさって居るのでしょうか。十三夜は名残を惜しむ意味合いも有り、「手もとに集めた古切手」とは大変良く合った措辞と思います。(佃 康水)

★柘榴割れデイケアの部屋睥睨す/矢野文彦
デイケアの部屋から見える場所にある石榴が割れているのでしょうが、逆にその石榴が部屋を睥睨していると感じるのが面白いです。(高橋秀之)
柘榴が割れ中から紅い実が見えます。その実はまるで一つ一つが眼のようで、デイケアの部屋を見下ろしています。柘榴を擬人化することで、石榴の様子がよく伝わりました。(井上治代)

★コスモスの夕日を透かせ揺れどおし/柳原美知子
風に敏感で、いつも揺れているのがコスモスの魅力です。そこに夕日が差している、コスモスが揺れ夕日の光も揺れる、絵画的な景色が見えてきます。 (多田有花)

★茶の花の咲くや羽音に包まれて/多田有花
★絹雲の大空全て淡き色/高橋秀之

【高橋正子特選/7句】
★さざ波の音に更けゆく月の浜/下地 鉄
秋の夜も次第に更けて、月の浜辺に打ち寄せるさざ波の音。情緒たっぷりの美しい詠みに惹かれました。(河野啓一)
静かな波音のする海に懸かる中天の月。作者はその浜辺に立って月を仰いでいるのでしょうか。どの措辞ものびやかで静かな浜辺の美しい景が見える様です。(佃 康水)
さざ波の音が耳に心地よく響いてきます。月もしだいに上っていき静かで美しい光景です。(井上治代)
浜辺にのぼる月の景がくっきりと目にうかぶようです。十三夜の月となれば、いっそうの趣きが感じられます。(小川和子)

★池端の葉打ち水打ち木の実降る/桑本栄太郎
葉を打ち水を打ち、木々の木の実がしきりに落ちるさまが明るく目に浮かび、水辺の秋に訪れた、季節の喜びが感じられます。(藤田洋子)

★窓まどに団地の暮らし秋桜/祝 恵子
団地の窓には色とりどりの干しものが並んでいるのでしょう。秋桜の明るさ、優しさは、団地の暮らしを見つめる作者の優しさそのもののようです。 (藤田洋子)

★十三夜妻の実家の法事ごと/高橋秀之
十三夜の月明かりのもとで法事が行われ、亡き人を偲ぶ人々の姿を想像することができました。(井上治代)

★酔芙蓉いちばん星見ぃつけた/矢野文彦
「見ぃつけた」が効いています。思わず口ずさんでみたくなります。茶目っ気を感じる楽しい御句です。 (多田有花)

★校庭の銀杏の若し黄葉す/小西 宏
★コスモスの夕日を透かせ揺れどおし/柳原美知子

【入選/20句】
★風もなく音もなく暮れ十三夜/藤田洋子
静かな時間だけが流れて、何処となく闇だけが、深まってく る。全てが闇に包まれて行く。時間の流れだけが、闇を分けて行く様である。(増田泰造)

★秋声の大和三輪山神の宿/河野啓一
奈良、大和の三輪山は山そのものが御神体であり、従って社殿はありません。古より殺生禁断の地として守られ、豊かな自然が残っている由。山に風が吹き木々がざわめく時、秋深む光景が神の宿に相応しく神秘的に想われ好きな一句です。(桑本栄太郎)

★影踏みをする子逃げる子秋日向/祝 恵子
秋の日差しを浴びて元気に走り回るこどもたち。何気ない日常ですが、平和で幸せな日常を感じます。(高橋秀之)
遠い昔のことが思い出されます。(古賀一弘)

★膨らみゆく色やわらかき後の月/小西 宏
後の月の未完成な形や色を、控え目な美しさとして詠まれていて、とてもほのぼのと致します。(藤田裕子)

★十三夜米寿の友の句集かな/渋谷洋介  
米寿の句集の句を一つ採りました。 小生も数え米寿でなんとか句集をと悩んでいるところなので、生きたあかしをと願う気持ちに同感しました。(下地 鉄)

★薄紅葉水面に姿映しおり/多田有花  
水面に映った薄紅葉は綺麗でしょう。見たいですね。(迫田和代)

★釣り終わる波穏やかに十三夜/古田敬二
ここらで終いにしようと、釣りを切り上げる。くしくも今日は十三夜。穏やかな波と慎ましい月を繰り返し眺め、釣果を抱え、帰路に就かれたのでしょう。美しい夜を満喫なさった、ゆるやかな足取りが目に浮かびます。(川名ますみ)

★大寺の土塀ながなが蔦紅葉/黒谷光子
白い土塀に赤い蔦紅葉がアクセントとなり美しい様子が思われます。(上島祥子)

★残照の小波に憩う暮れの秋/下地 鉄
南の島の海辺は秋の終わりとはいえ、暖かでしょう。そこに 打ち寄せる波、その繰り返す波音と揺れる光、その中で 一日が暮れていくのをゆったりと味わっておられます。(多田有花)

★雨に落ち木犀の香の雨となり/川名ますみ
パラパラと降り始めた雨にはらりと零れる木犀の金色の花と香。詩情豊かな美しい雨の情景です。(柳原美知子)

★いつしかに波音に寝る島の秋/下地 鉄
島の秋の波音というのが密やかで心惹かれます。静かな波音に身を任せているうちにいつの間にか寝入ってしまう。そんな秋の夜が素敵です。(小西 宏)

★十三夜豆炊く蓋の動きだす/佃 康水
十三夜は豆名月ともいわれるようです。お月見のために詠者は豆を炊かれているのでしょう。「蓋の動きだす」で、そろそろかなとふたを開けたくなりそうですね。(祝 恵子)

★十三夜独り読書の飲むコーヒー/増田泰造
十三夜、読書に親しみながらの温かなコーヒー、独りなればこそ心落ち着くひとときです。静かな充実した時が流れる十三夜です。 (藤田洋子)

★山風の桐の実の音鳴らすかな/小口泰與
空っ風で名高い上州、その風が桐の実を鳴らしています。近づく冬の音を感じます。 (多田有花)

★唐黍の焼かるる熾に手をかざす/小川和子
そろそろ火が親しい頃になってきました。唐黍の焼かれる香ばしい香り、熾の色、掌に感じるぬくもり、それらが伝わってきます。 (多田有花)

★黒雲をすこし寄せつつ後の月/藤田裕子
十三夜は西日本ではお天気が下り坂でした。その予兆を感じさせる後の月の姿です。 (多田有花)

★掛軸の寒山拾得茶立虫/古賀一弘
掛け変えようとして久しぶりに出してみた「寒山拾得」の絵でしょうか詩でしょうか、それについた茶立虫に驚いておられるのでしょうか。 (祝恵子)

★しめやかに輝きを秘め後の月/井上治代
後の月を秘めやかな輝きとみられたことに憧れを感じます。 (祝恵子)

★口笛に応える囮の疲れ声/迫田和代
この囮は何なんだろうという気持ちにさせられます。お疲れさまということのようです。 (祝恵子)
仲間を呼び寄せる囮は籠の中の小鳥でしょうか、その囮に口笛を吹くとそれに応えてくれるが何だか疲れた声に聞こえる。作者はその囮に「大丈夫だろうか」と気づかっていらっしゃる優しい気持ちが伝わって来ます。(佃 康水)

★迎え待つ子等のにぎわい十三夜/上島祥子
お迎えを待つ間に十三夜を眺めながらの子供たち、どのようなお話がされているのでしょうね。 (祝恵子)
楽しいおしゃべりをしながらお母さんを待っているかわいい子ども達の姿が目に浮かびました。
十三夜の月が優しく子ども達を照らし、夜も更けていきます。(井上治代)


■選者詠/高橋信之
★十三夜月仰ぎ見る家族が居る
語り合える家族が居る小さな幸せ。(渋谷洋介)

★後の月少し傾き吾に親し
後の月は真ん円では無く少し欠けているので、その分少し傾いて居る様にも見えて参ります。その傾きこそが作者にとってより親しさを感じられたのでしょう。読み手にとっても月を身近に感じるとる事が出来ました。 (佃 康水)

★後の月くっきりとして吾に優し

■選者詠/高橋正子
★襟首に風のさびしい十三夜  
十三夜の頃の寒いと言うほどでもない微妙な体感を上手に表現されていると思います。襟首は一番よく風を感じるところですね。(黒谷光子)

★昇りては雲のみ照らし後の月
後の月が折角昇って来たのに周りに横たわっている雲ばかりを照らして居る。明るく淡い空では有るが雲に遮られない後の月を心待ちに仰いでいらっしゃる作者が見えて参ります。 (佃 康水)

★十三夜の月の明かりの駅みなみ


■互選高点句
●最高点(11点)
★十三夜豆炊く蓋の動きだす/佃 康水

●次点(7点)
★さざ波の音に更けゆく月の浜/下地 鉄

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/藤田洋子)


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