■花冠月例句会■

俳句雑誌「花冠」の月例ネット句会のためのブログ 管理 高橋句美子・西村友宏

ご挨拶/9月月例ネット句会

2017-09-17 10:16:23 | 日記

ご挨拶
9月月例ネット句会にご参加いただき、ありがとうございました。16日に頂いたコメントの貼り付けを終わりました。ご確認ください。また、選句とコメントをありがとうございました。今回は「水」の句をご投句いただき、ご協力ありがとうございました。『毎日俳句αあるふぁ』(増刊号2018年2月発売予定)には、
9月月例句会からは
「供花挿して秋の山水溢らしむ/藤田洋子」
過去月例句会から
「七月や水の匂いに沿い歩く/多田有花」
「水揚げてリハビリ室の花菜の黄/柳原美知子」
「早起きの朝の洗濯初夏たのし/高橋句美子」を信之先生と検討して選びました。

来月の月例ネット句会は、10月8日(日)です。さわやかな良い季節、楽しみご健吟ください。(主宰/高橋正子)
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■9月月例ネット句会/入賞発表■

2017-09-11 10:51:45 | 日記

■2017年9月月例ネット句会■
■入賞発表/2017年9月11日

【金賞】
★秋晴やものみなくっきり影を持つ/多田有花
ものの影は、日射しの強い夏よりも、秋晴の日のほうがくっきりする。大気が澄み、目に見えるものがくっきりとその存在を明らかにする。秋晴れの明るさが詠まれた。(高橋正子)

【銀賞/2句】
★松手入れ風に乗りたる音の良き/河野啓一
松を手入れする植木職人の鋏の音が、こころよく聞こえてくる。風に乗って来るのは、松葉の匂いもだろう。整えられてゆく松の木の爽やかな姿が想像できる。(高橋正子)

★朝刊の隅の一句の爽やかに/藤田洋子
朝刊の片隅のコラムに日々の一句が載る。その爽やかな句に、読むものにも季節の爽やかさくれるのだ。生活の中にある俳句と季節感。俳都松山ならでは。(高橋正子)

【銅賞/3句】
★冬瓜の実り確かな重さかな/古田敬二
よく実った冬瓜は、独特の形から、目で見てもその重さが計られそうだ。濃い緑の充実感。(高橋正子)

★月白や男が捌く鯉料理/小口泰與
鯉料理は、男に任せたい。月白に今日の客人をもてなそうとするのか。「月白」によって、捌く手元が神事めく。(高橋正子)

★新涼や雉鳩水を飲むところ/谷口博望 (満天星)
新涼の水たまり。雉鳩がやってきて、水を飲むところだ。野の鳥たちにも水が与えられる。(高橋正子)

【高橋信之特選/9句】
★松手入れ風に乗りたる音の良き/河野啓一
いい句だ。快い句だ。嬉しい句だ。下五の「音の良き」の平明さが成功した。(高橋信之)

★朝刊の隅の一句の爽やかに/藤田洋子
中七の「隅」がいい。真ん中でなく、「隅」が爽やかなのだ。(高橋信之)

★冬瓜の実り確かな重さかな/古田敬二
作者の実感を直に感じる佳句。中七の「確かな」は、作者自身の「確かな言葉」だ。生き生きとした農作業の成果を見る。(高橋信之)

★秋晴やものみなくっきり影を持つ/多田有花
秋が深まりゆくと共に空気は乾き、日向と日陰の明るさの対比が強くなります。秋晴の日は、このように「ものみなくっきり影を持つ」景色となり、当意即妙の描写が良い。(桑本栄太郎)

★真つ新な白きエプロン秋茄子/小口泰與
真っ新なエプロンの白と秋茄子の紫紺、くっきりとした色彩の対比が目に清々しく鮮明です。いっそう美味で新鮮な秋茄子を感じ、季節のものをいただく喜びが感じ取れます。 (藤田洋子)

★月白や男が捌く鯉料理/小口泰與
★新涼や雉鳩水を飲むところ/谷口博望 (満天星)
★新涼や木曽の白樺抜けてくる/古田敬二
★供花挿して秋の山水溢れしむ/藤田洋子

【高橋正子特選/9句】
★秋風を通す入口長屋門/祝恵子
「長屋門」は、母方の祖母の実家にあった。母方の母の従弟に正岡子規や大江健三郎が在学した旧松山中学(現松山東高)に通い、俳句で少し名を知らていたが、早世した。(高橋信之)

★鈴虫の鳴く声近く真暗闇/高橋句美子
鈴虫の素直な句で、下五に置いた「真暗闇」がいい。穏やかに、そして力強い言葉の「真暗闇」で一句を収めた。(高橋信之)

★松手入れ風に乗りたる音の良き/河野啓一
下五に置いた「音の良き」がいい。読み手の心に快く響く。(高橋信之)

★家々の裏手を流れ秋の水/多田有花
どの家の裏にも小川が流れ、秋には澄んだ水音が聞こえ木の橋が渡され季節と共にある豊かな「水の恵み」の生活が感じられます。 (柳原美知子)

★月白や男が捌く鯉料理/小口泰與
★新涼や雉鳩水を飲むところ/谷口博望 (満天星)
★秋晴やものみなくっきり影を持つ/多田有花
★朝刊の隅の一句の爽やかに/藤田洋子
★爽やかに今朝の襖の開け閉めよ/高橋信之

【入選/10句】
★鬼の子の独りあそびや風の友/桑本栄太郎
青葉の頃から、木の葉や枝を綴り合わせて蓑のような巣を作り樹上を移動して木を食べる蓑虫。その蓑虫が風に吹かれてまるで独り遊びのように揺れている素敵な景ですね。(小口泰與)

★田水落つ音に熟れゆく稲穂かな/桑本栄太郎
刈入れに備えてて水を落とす。その光景を無理なく描写されました。(河野啓一)

★せせらぎの木洩れ日揺らぎ秋の水/桑本栄太郎
せせらぎに刺し込む木漏れ日も秋の水の動きに合わせて揺れている、との景色が良く見える。(廣田洋一)

★水切りの石の行方や秋の蝉/小口泰與
水切りをして、つっと何回か跳ねて成功したときは、やったと思ったものです。石の行方なんて思ってもみませんでしたが。(祝恵子)

★斐駒ヶ岳(かいこま)が茜に染まる蕎麦の花/古田敬二
雄大な自然を背景にいっそう可憐な蕎麦の花を感じます。色彩豊かな美しい情景に、心洗われ澄み渡るようです。(藤田洋子)

★梨剥くも噛む音聞くも独りかな/廣田洋一
梨を剥く音、梨を噛む音は普通聞こえない。この音を聞くほどの静寂と孤独が伝わる。(谷口博望/満天星)
独り身にも秋は来る。果汁たっぶりの梨をむき食す。秋の夜の静寂感。(古田敬二)

★池底に糸を垂らして子らの秋/祝恵子
爽やかな秋風の吹く水辺に釣り糸を垂らす笑顔の子供たち。透明な水底にさす光も秋を感じさせます。(柳原美知子)

★鰯雲仰ぎつ丘の市場まで/柳原美知子
季節感のあふれる句だが、生活感のしっかりした実感がある。主婦ならではの佳句。(高橋信之)

★旅先の城址で見る鰯雲/高橋秀之
旅情あふれる句だ。下五の季題「鰯雲」が効いた。(高橋信之)

★秋風がさざ波立たす夜の川/高橋句美子
下五の「夜」がいい。秋の夜の静かな句だ。(高橋信之)

■選者詠/高橋信之
★一人起き朝の読書の爽やかに
秋になり、夏のころとは違い朝晩が涼しくなりました。そんな朝に一人先に起きて静かに読書を楽しめば、爽やかな気持ちになれることでしょう。(高橋秀之)

★爽やかに今朝の襖の開け閉めよ
襖の開け閉めの動きに加えて、スッと軽やかな襖の音。お暮らしの中で察知された朝の爽やかさが、快く新鮮に伝わります。日常の生活から生まれる一句の素晴らしさをあらためて教えていただきました。 (藤田洋子)

★天高く雲無き朝の楽しさよ
天高く馬肥ゆる秋の空。一読直ちに爽快さが胸に飛び込んできます。(河野啓一)

★爽やかに高きを雲の流れゆく
★朝爽やかに一杯の水を飲む

■選者詠/高橋正子

★秋潮の水の力に打ち返す
上五の「秋潮」にある季節感がいい。俳句の力を読む。(高橋信之)

★虫の音の眠ればそれきり木のベット
経験はありませんがログハウスのような山荘で虫の音に包まれて眠る快適さを想像してうれしくなりました。(河野啓一)

★秋風に絮飛ぶ浮遊する心
秋草の絮が風に任せて煌きながらふわふわと飛んでいる
様子をみていると、心も軽く絮と共に自由に宙を巡るような気持ちになります。爽やかな秋空までも飛べそうです。 (柳原美知子)

★虫の音の研ぎ澄まされて行く真闇
★沸きし湯の落ちるに響く虫の声

■互選高点句
●最高点(5点/同点3句)
★秋晴やものみなくっきり影を持つ/多田有花
★爽やかに今朝の襖の開け閉めよ/高橋信之
★月白や男が捌く鯉料理/小口泰與

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/高橋正子)
※コメントのない句にコメントをお願いします。
コメント (11)
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■9月月例ネット句会清記

2017-09-10 17:55:20 | 日記

■9月月例ネット句会清記
2017年9月10日
14名70句

01.山ひとつ影蔽い居り秋の雲
02あきつ飛ぶ風に序列のあるらしき
03鬼の子の独りあそびや風の友
04田水落つ音に熟れゆく稲穂かな
05せせらぎの木洩れ日揺らぎ秋の水
06真つ新な白きエプロン秋茄子
07月白や男が捌く鯉料理
08稲妻の行方や利根川(とね)は永久に利根川(とね)
09水切りの石の行方や秋の蝉
10渓流の岩にた走る初紅葉

11曼殊沙華あの世の臭うグロテスク
12いなびかり雲の形相すさまじく
13ビル影に磯鵯の赤と青
14被爆跡のひずむ九輪や水引草
15新涼や雉鳩水を飲むところ
16さまざまな色艶ありて鶏頭花
17松手入れ風に乗り足る音の良き
18あき雨のカヌー下りや吉野川
19水澄める箕面川原の楓かな
20男の子なら遠く旅せよ椰子の実よ

21秋晴やものみなくっきり影を持つ
22秋晴の山際にあり朝の月
23模擬店に並ぶ週末秋日和
24家々の裏手を流れ秋の水
25焼きし指流るる秋水に浸す
26新涼や木曽の白樺抜けてくる
27甲斐駒ヶ岳(かいこま)が茜に染まる蕎麦の花
28冬瓜の実り確かな重さかな
(紀伊の国文蔵の滝)
29青空と滝壺繋ぐ水太し
30駒ヶ根を白く流れる秋の水

31旅先の城址で見る鰯雲
32秋麗ら二人で巡る武家屋敷
33台風が過ぎて眩しき朝の空
34顔洗う手がひんやりと秋の水
35月映る大雨の後の溜まり水
36威銃当てる気もなく夕日落つ
37神事終え化粧直しの秋祭り
38梨剥くも噛む音聞くも独りかな
39秋の雨町も野原も水浸し
40裏山を根こそぎ崩す秋出水

41秋風を通す入口長屋門
42広縁にお手玉転がし秋うらら
43秋の空合掌造りの屋根高し
44水底に糸を垂らして子らの秋
45数体のかかし今年も水の中
46青芒朝の雨滴に光り出す
47一雨過ぎ子規忌近づく空の青
48朝刊の隅の一句の爽やかに
49捥ぎたての秋茄子水にキュッと鳴る
50供花挿して秋の山水溢れしむ

51茹栗の笊にあげられ湯気が立つ
52秋の月丸く浮かぶ薄い雲
53鈴虫の鳴く声近く真暗闇
54秋風がさざ波立たす夜の川
55傘さして銀杏落葉の正門を
56爽やかに今朝の襖の開け閉めよ
57一人起き朝の読書の爽やかに
58天高く雲無き朝の楽しさよ
59爽やかに高きを雲の流れゆく
60朝爽やかに一杯の水を飲む

61虫の音の眠ればそれきり木のベット
62虫の音の研ぎ澄まされて行く真闇
63秋風に絮飛ぶ浮遊する心
64沸きし湯の落ちるに響く虫の声
65秋潮の水の力に打ち返す
66.鰯雲仰ぎつ丘の市場まで
67.青空に色づき初めし柿揺れて
68.一面の田の匂う道月澄める
69.梨をむくナイフに指に水滲む
70.稲穂垂るまだ入りし水黄にそめて

※互選を開始してください。雑詠から一人5句、水の句から1句、計6句選をし、その中の一句にコメントをつけてください。選句は、この下のコメント欄にお書きください。
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●9月月例ネット句会投句案内●

2017-09-03 00:01:03 | 日記

●9月月例ネット句会投句案内●
①投句:当季雑詠「秋の句3句」と「水に関係して詠んだ句2句」計5句
   (※水に関する秀句は、「毎日俳句α」水特集に寄稿。)
②投句期間:2017年9月4日(月)午後1時~2017年9月10日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:9月10日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:9月11日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、9月11日(月)正午~9月13日(水)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

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