■花冠月例句会■

俳句雑誌「花冠」の月例ネット句会のためのブログ 管理 高橋信之

◆第11回(花祭)フェイスブック句会入賞発表◆

2012-04-08 12:16:42 | 日記

■花祭句会入賞発表■
■入賞発表/2012年4月8日■

【金賞】
★振り上げし鍬の高さや春田打/安藤智久
春田の土を起こし、いよいよ苗代作りの作業が本格的に始まる。鍬を振り上げる高さは力。のびやかで、力強い「春田打」の光景が見える。(高橋正子)

【銀賞】
★春筍の先のみどりや土を割り/佃 康水
一見瑣末なことを述べているようであるが、そうではない。桜が咲き、散るか散らないうちに、竹やぶに筍の切っ先のみどりが土を割る。その「みどりの尖り」の強さ、みずみずしさが新鮮だ。(高橋正子)

【銅賞】
★野に群れて雲雀燕の鳴き交わす/津本けい
雲雀は野に鳴くものであるが、燕も今日は雲雀と野に群れて、にぎやかに鳴き交わしている。春の生き生きとした喜びのある風景だ。(高橋正子)

【高橋信之特選/7句】
★人並び甘茶の杓の手から手へ/藤田洋子
「人並び」いて、それから「手から手へ」であれば、花祭の季節の暖かさに加え、人の心の暖かさが伝わってくる。嬉しい句だ。(高橋信之)

★花祭空晴々と稚児の列/迫田和代
純な句の典型と言ってよいだろう。そして、懐かしい世界だ。中七の「空晴々と」に純な世界の強さと良さがある。(高橋信之)

★野の花の未だ揃わず花まつり/黒谷光子
今年の花まつりもお寺に出かけ、甘茶仏に手を合わせた。花御堂が草花に飾られ、花まつりの寺苑を美しいと思い、懐かしいと思った。今年はいつまでも寒いせいか、咲くはずの野の花がまだ咲いていない。それでも「野の花」で飾れば、花まつりの寺苑は一層美しく、懐かしく思えてくる。(高橋信之)
私たちのお寺では家より花を持ち寄り花御堂を葺きますが、その年​によって花が揃わない事が多々あります。そんな時にはお花屋さん​へ注文した花で葺きあげますがやっぱり野の花が花まつりに相応し​いですね。(佃 康水)
今年は春寒がいつまでも続き、梅、桜はもちろん野の花も大幅に開​花が遅れています。本来、お釈迦様誕生を祝う花祭りであれば、野​の草花で花御堂を設えるところであるものの、自然の営みの中では​止むを得ない・・・との作者の深い思いが感じられ素敵です。(桑本栄太郎)

★瓶につめ透ける甘茶をもち帰る/高橋正子
花祭に振舞われる甘茶はお寺で頂くだけでなく、瓶などを持って行って入れてもらう。持ち帰って、お寺に行かなかった家族の分もというわけだが、うれしい気持ちになる。(高橋信之)

★振り上げし鍬の高さや春田打/安藤智久
春空に高々と鍬をふるって田​を耕す。大らかで気分のよい詠みに惹かれました。(河野啓一)

★一片の雲なき青空花祭/高橋秀之
今日は快晴でした。桜が咲き、鳥が歌う、その上に広がる青空、花祭りにふさわしい晴天の心地よさを詠われています。(多田有花)

★野に群れて雲雀燕の鳴き交わす/津本けい
ようやく暖かくなり、生き物の動きも活発になります。高く舞い上がるひばり、身を翻して飛ぶつばめ、それらの鳴き交わす姿、命の躍動が伝わってきます。 (多田有花)

【高橋正子特選/7句】
★ひんやりと初ざくらへ風透きとお​る/小川和子
まだ風に冷たさの残る桜の木に花が開いた。「風透きとおる」が桜​の淡い色を思わせ初々しい。(小西 宏)

★仏生会伽藍に澄める鳩の声/藤田洋子
穏やかに晴れた仏生会、日差しの中鳩の声が伽藍に響きます。何もかもが明るく朗らかで釈迦誕生を祝っているようです。 (多田有花)

★春筍の先のみどりや土を割り/佃 康水
春たけのこのやわらかい色が目に浮かんできます。日本画のようですね。歯ざわりのやわらかさも想像できるおいしそうな御句でもあります。 (多田有花)

★野に群れて雲雀燕の鳴き交わす/津本けい
ようやく暖かくなり、生き物の動きも活発になります。高く舞い上がるひばり、身を翻して飛ぶつばめ、それらの鳴き交わす姿、命の躍動が伝わってきます。 (多田有花)

★岩つばめ甍の波を下に見て/多田有花
この句では、「岩つばめ」が物語るものが大きい。山間の家屋や渓流に近い岩壁などに巣を営むから、この句の甍も山間の家屋の甍かと思う。そうでない場合でも、やや小型で丸みを帯び、甍を波と見立てて飛ぶ燕に愛着が湧く。(高橋正子)

★花祭園児のお絵かき赤も黄も/藤田裕子
花祭の園児たち。お寺の幼稚園なのかもしれないが、お絵かきの絵は、明るい色の赤や黄色がいっぱい。釈迦誕生の花園にいるかのような園児たちだ。(高橋正子)

★ユータンし城の水路へ花見船/祝 恵子
「ユーターン」が愉快。花見船が、花に浮かれたように、船足も軽く、城の水路へと入り込んでゆく。城の桜が満開なのであろう。船の花見が洒落ている。(高橋正子)

【入選/18句】
★傍らに折り紙折る子春の夜/上島祥子
寒さが和らぎ、夜もゆったりと過ごせる頃となりました。折り紙に​熱中している子へのあたたかな眼差しがあり、穏やかで幸せな時間​を感じます。(安藤 智久)

★桜咲く枝先はるか瀬戸の海/藤田裕子
桜の枝の遠望に広がる瀬戸の海、花の季節を迎えた郷土の、美しく心穏やかな情景です。(藤田洋子)

★白れんの庭で手渡す招待状/安藤智久
白れんの咲く庭で、直接、手渡す招待状。きっと来て欲しい、よい集いにしたい、という想いが、静かに伝わったことでしょう。しっとりとした情景に希望を感じます。(川名 麻澄)

★風光る土手すべる子ら夕べまで/津本けい 
夕べまで楽しんでいる子供たち、生き生きとした姿が見えるようです。(祝 恵子)

★茅花はや咲けば風の島の春/下地 鉄 
まだ雪の下に暮らす地方もあれば、もう茅花が咲き春風の吹く南の島もあり、日本は多様な気候風土に恵まれた素晴らしい国であると感じました。(津本けい)

★小さき手で葺けば輝く花御堂/佃 康水
子供さんが一生懸命葺かれた花御堂ですもの。仏様もお喜びになったでしょう。輝いて当然。(迫田和代)

★囀りや賛歌のごとく朗らかに/井上治代
本格的な春になり、晴れた空には種々の鳥の囀りが聞かれます。生​き生きと活力ある囀りに、生あるものへの賛歌が高らかに詠われて​います。(小川和子)

★さくら咲く家を憶えし通院路/川名ますみ
通院の路は決して楽しいものではありませんが、少しでも楽しいことをと思う気持ちが、桜の咲く家を憶えさせたのでしょう。 (高橋秀之)

★囀りの寺の賑わい花御堂/矢野文彦
花御堂で賑わうのは参詣者だけではなく、鳥たちもたくさん集まり賑わうのでしょう。囀りの寺が今の季節の自然の様子を感じさせてくれました。 (高橋秀之)

★爆音の遠退き囀り戻りけり/渋谷洋介
飛行機の音でしょうか、周りの音を全て掻き消すような爆音が遠のいていくと、自然の囀りが戻ってくる。正確には聞こえなかっただけなのでしょうが、戻ってくるというところに作者の気持ちを感じます。 (高橋秀之)

★夕月の淡くかかりて花おぼろ/井上治代
春の宵の月は柔らかい色をしてあたりを柔らかく照らし、花影がふわりと浮かびます。まさに春宵一刻 値千金ですね。(津本けい)

★この路をいつか故郷へ夕木蓮/桑本栄太郎
黄昏の空に高く咲く木蓮の美しい姿に、胸の奥の故郷への深い想いが溢れ出てこられた、しばらく眺めて故郷を懐かしく想われたのだと思いました。(津本けい)

★暖かや金平糖の丸き角/小口泰與
金平糖の角は柔らかく尖って透き通りとても美しい。春となって暖かな日でもあったのでしょうが作者の幸せな日々の暮らしが「暖かや」と言わせたのでしょう。(津本けい)

★清流のしぶき耀く春の虹/河野啓一
この句の虹は、清流のしぶきが生んだ虹であろう。清流のしぶきに懸る春の虹の弧がまぶしい輝きとなっている。(高橋正子)

★遠き日の甘茶の記憶はなまつり/松尾節子
子どもの頃の記憶であろうか。花祭と言えば甘茶にもろもろを思い出す。私もそうであるが、子どものころ飲んだ、甘茶のほのかな、あるいは、よくわからにような甘さは記憶によく残っている。(高橋正子)

★そよ風の池に映れる花きぶし/小西 宏
そよ風にさざ波立つ池に、きぶしは、やわらかな黄色を映して、春の平穏な風景を作っている。(高橋正子)

★春蘭や頭上を通る風の音/古田敬二
春蘭は余り目立たない花ですがその清らかな清楚な姿が目に浮かびます。花を見て居る作者の頭上をそっと撫でゆく音の無い優しい風を風の音と詠まれた様にも思えます。 (佃 康水)

★春霞島を覆いて音もなく/下地 鉄
島全体が春霞に覆われて、音も感じられないまるで別世界のような不思議な感じを受けます。(松尾節子)
山や海そして島じまを覆う霞を見ていると景色は元より音まで覆い消されたかの様です。霞がかった景色にうっとりとさせられますが、沖縄に行った事のない私は当地とは違ったスケールの大きさを想像しています。 (佃 康水)


■選者詠/高橋信之
★一本の花らんまんの浄土なる
満開の桜の前に佇むと、そこ​は清浄な浄土を思わせるような美しい光景です。見ている人も、心​洗われるようで優しい気持ちにしてくれます。(藤田裕子)
満開の桜の花の前に佇むと、そこはまるで浄土のように思われます。花の美しさに酔いしれている作者の心情が伺えます。(井上治代)

★初蝶の黄を見し今日の喜びに
★丘のこぶしひらひら空の青を恋う

■選者詠/高橋正子
★瓶につめ透ける甘茶をもち帰る
花祭に振舞われる甘茶はお寺で頂くだけでなく、瓶などを持って行って入れてもらう。持ち帰って、お寺に行かなかった家族の分もというわけだが、うれしい気持ちになる。(高橋信之)

★ちぎれ雲飛んで遅き花さくら
★初蝶にして黄がたちまちに去りぬ


■互選高点句
●最高点(6点)
★桜咲く枝先はるか瀬戸の海/藤田裕子

●次点(5点)
★風光る土手すべる子ら夕べまで/津本けい

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
ツイッターでの互選の方も加算されています。(集計/藤田洋子)

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