■8月月例ネット句会清記■
2024年8月11日
36句(12名)
2024年8月11日
36句(12名)
01.鵜がもぐる蒼き水輪の海は秋
02.茄子の葉へ軽い音してにわか雨
03.好物の甘き西瓜を買いもどる
04.かなかなや峡の村なる母のさと
05.抜駆けのように鳴き居り法師蝉
06.勇気とて暑さにしぼむ草田男忌
07.朝涼や一湖と吾のほかになし
08.動かざる嶺より来る大暑かな
09.大西日犬にホースの水しぶき
10.隠沼の川蝉自由奔放に
11.老鶯の声の整う沼の木木
12.鮎提げ駆け来る園児顔さやか
13.立秋や青空見上げて深呼吸
14.母がむく桃を頬張る帰省の子
15.機上から青き山頂夏の富士
16.山の日や湯煙高く露天風呂
17.秋天にしかと掴みし金メダル
18.秋の蝉命の限り鳴き続け
19.草照らす手花火窓より愛猫も
20.浄瑠璃の語りに凉し人形の所作
21.朝影の田に濃きみどり秋立てり
22.白壁を朝顔の紺のぼりきる
23.晩夏光褪せし色して足もとに
24.新涼やけさ心地好き朝寝坊
25.夕焼けの窓を連ねて東横線
26.秋蝉の螺子のゆるみて鳴き終わる
27.溝萩のすっくと立ちて風のなか
28.昼寝より覚めれば法師蝉の声
29.夕刻や秋をすすめる驟雨来る
30.赤とんぼおのおの翅をきらめかせ
31.いかづちや東京の夜を真っ二つ
32.一瞬に夜空彩る大花火
33,ビル抜けて仕事終わりの盆の月
34.色とりどり浴衣に埋まる河川敷
35.夏晴れる瀬戸内海の田舎町
36.花火の輪枝垂れ落ちて輝き散る
※互選をはじめてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
02.茄子の葉へ軽い音してにわか雨
俄雨の中の茄子畑の様子を良く見ている。軽い音が良い。
<特選>
24)★新涼やけさ心地好き朝寝坊
これ迄熱帯夜が続き、寝苦しかったもののここ数日、漸く朝方は涼しくなって参りました。
涼しい朝方の心地よい睡眠に、朝寝坊を楽しむ作者
が見えます。如何にも新涼の心地である。
35.夏晴れる瀬戸内海の田舎町
昨今、瀬戸内海沿岸の小さな町や小島が、古い伝統を残す町並みと素晴らしい景観で脚光を浴びています。
夏晴れの瀬戸内海の光景を思い浮かべ、そのことを思い出しました。
31.いかづちや東京の夜を真っ二つ
東京の夜の激しい雷雨。
ガラスの高層ビルの並びを雷光が照らし、雷鳴が轟きます。
「真っ二つ」に雷の激しさが感じられます。
21.朝影の田に濃きみどり秋立て
朝影に映る田の鮮やかな緑の葉がさやさやと風になびいている。初秋の爽やかな一日が始まる。
7. 朝涼や一湖と吾のほかになし
早朝の空を映すひろびろと澄んだ湖に一人佇み、朝風に吹かれる。この上ない朝涼の景です。
31.いかづちや東京の夜を真っ二つ
この夏は、東京にも、幾度か激しい雷雨が起きました。日頃は人工の灯が固まってきらきらと光る東京の夜景。大きな夜空に、天から地へ突き抜けるように電光が走った、その衝撃が伝わります。
25.夕焼けの窓を連ねて東横線
渋谷から横浜へ向かう東横線の電車。西へ行く電車の全車両の窓に夏の西日が射している。夕焼けを窓満載に横浜へ向かうのである。東横線…大学生時代を思い浮かべる、懐かしい響きである。
以下のとおり、選句いたします。
2, 7、 22. 27. 30
27.
風が吹いても決して倒れることなく直立している様子が「すっくと」と言う表現で目に浮かびます。
30赤とんぼおのおの翅をきらめかせ
夏から秋にかけて色々な種類の蜻蛉がみられます。特に赤とんぼうの初秋の強い日が翅に当たった姿は素晴らしいですね。