■9月月例ネット句清記
2018年9月9日
14名42句
01.あおあおと青天の湖鵙高音
02.おしろいの色定まるや入日燃ゆ
03.朝顔や日日に伸びたる己が影
04.小流れの音のさやけき田道かな
05.秋澄むや色の濃くありものの影
06.刻々と迫る予報や台風圏
07.二人してあと幾たびや新秋刀魚
08.畦越えて木曽の稲田の実りかな
09.山腹に秋灯点き初む木曽にいる
10.夕影の池に伸びたり蓮は実に
11.台風一過夕焼け空を仰ぎけり
12.猪が駆け去る台風過の山路
13.草葺屋根に変えたきものよ野分去る
14.禅門の修行終えたる稲架の列
15.夕月を囲むがごとく鳥の群れ
16.回覧板渡せば高々葉鶏頭
17.数珠玉や昔遊びし友はいま
18.台風禍会う人人と立ち話
19.台風の過ぎるをひたすら待ち続け
20.シンガポールの夕暮れ遥か空高く
21.秋刀魚焼く香りが届く玄関に
22.子安観音おはす御堂に秋澄む日
23.一杓の手水さやかに指伝う
24.今朝白露暦に記す帯祝い
25.河骨の花の黄が浮く遠く浮く
26.今日良しと秋の花咲く萩その他
27.秋空にスカイツリーの立つ街よ
28.トーストに秋味噌汁の朝餉かな
29.同じ空行ったり来たり秋の蝶
30.白葡萄薄き緑の平和かな
31.水音の野に広がりて稲穂熟れ
32.新涼の初めての道踏みしめて
33.満月の縁に留まり猫眠る
34.秋日傘向島に来てさしぬ
35.秋暑く生姜蜜なるかき氷
36.水葵初秋の青をひとつまみ
37.百日紅雨降り芝生を桃色に
38.川沿いに青どんぐりのころころと
39.森の中晴れて輝く芒の穂
40.吹き荒れる雨風去って見える秋
41.積乱雲夏空広がり街覆う
42.蝉の声足つけ涼む思い出よ
※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。選句は<コメント欄>にお書きください。
10)★夕影の池に伸びたり蓮は実に
初秋の夕方ともなれば、池の周囲のものの影が水面に映り、池の光景は尚更静寂となります。池の蓮も実となり、少しづつ秋の景色が深まります。
NO24 今朝白露暦に託す帯祝い
太陽暦の9月8日頃にあたるこの頃から秋気がようやく加わり、お嬢様でしょうか、お孫様でしょうか妊娠5ケ月目に安産を祈って岩田帯を着けるお祝いは嬉しい事ですね。おめでとう御座います。
40.吹き荒れる雨風去って見える秋
台風がやっと去り、安堵して見あげた秋空が、ありがたく爽やかに思えます。
31.水音の野に広がりて稲穂熟れ
野に流れる水音もさやかに、たわわに実った稲穂の嬉しさ。実りの秋を迎えての、清々しく広やかな光景に、季節の喜びが感じ取れます。
25.河骨の花の黄が浮く遠く浮く
秋の水草のたたずまいが、リズムよく軽快に描かれているのが魅力です。千里万博の日本庭園でよく見かけました。
24.今朝白露暦に記す帯祝い
爽やかな秋の到来と新たなる命の到来。
生まれ来る新しき命への祝句である。
29.同じ空行ったり来たり秋の蝶
夏と違い動きもゆったりと感じる秋の蝶が行ったり来たり飛ぶ光景が、爽やかな秋の空を一層引き立てます。
38.川沿いに青どんぐりのころころと
風に吹かれてまだ青い小さなどんぐりが転がっていく音、澄んだ川の水音が聞こえてくるようで、爽やかな秋の訪れが感じられます。
ふたつ上の名前漏れは「高橋秀之」です。
01.04.27.31.35.
27.秋空にスカイツリーの立つ街よ
高層ビルが立ち並ぶ東京都心部にあっても
スカイツリーの姿はよく目立ちます。
青空に伸びる銀色の姿はすっきりと爽やかです。