■花冠月例句会■

俳句雑誌「花冠」の月例ネット句会のためのブログ 管理 高橋句美子・西村友宏

■12月月例ネット句会清記■

2023-12-10 17:24:31 | 日記
■12月月例ネット句会清記■
2023年12月10日
37句(13名)

01.鍋提げて囲炉裏へ向かう漢かな
02.鳴きながら冬翡翠の一直線
03.鴛鴦や沼も眠たき日のあるや
04.満天星の冬の紅葉の火炎かな
05.海鳴りの何処か遠くに懸大根
06.春待たるモーセの嘆くカナンの地
07.踵かえせば冬日まともに眩し
08.手紙出す音の聞こえて冬の路地
09.冬夕焼け豆腐売りの車の声
10.開戦日半旗掲げるウクライナ

11.江の島や宝石飾る冬の空
12.置き石に枝の絡まる冬の川
13.草の穂の重き実をつけ枯れ果てり
14.降る雪や奇岩の寺の遠き鐘
15.薇の今日終日をあたたかに
16.病室の窓に打ちつく冬の雨
17.冬空に流れる雲と鳥の群れ
18.実家から届くみかんを籠に盛り
19.潜る泳ぐ鴨いきいきとわが見るに
20.潜りし鴨嘴にたらたら水たらし

21.冬かもめ鴨と泳げば鴨らしく

22.踏切の明滅のこす枯野かな
23.静かなる雨に水鳥眠りたる
24.万両や実の張り詰めて紅々と
25.側溝に掃き寄せられし落ち葉かな
26.切り通し落ち葉と空の高さかな
27.柔らかき落ち葉に足を取られけり
28.人参の葉の青束ねそっと抜く
29.小雪の樽湯に深く木の香吸う
30.棚田米餅に搗く音橋わたり

31.冬半ば入日は塔の先かすめ
32.さんさんと桜冬芽の陽を浴びぬ
33.冬の鵙いまは静かに止まりけり
34.落葉積もり落葉の奥に松ぼくり
35.星空へ熊手持ち上げ拍手湧く
36.電飾の街へ懐炉を手に包み
37.街の色変えつつ落ちる冬夕日

※互選をはじめてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。


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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
選句 (友田修)
2023-12-10 18:23:45
03. 13. 14. 18. 35
03.鴛鴦や沼も眠たき日のあるや
水面か水辺にじっとして動かないオシドリ。沼も眠っているのではないかという冬の静かな、寂寞とした情景が浮かびます。
返信する
Unknown (弓削和人)
2023-12-10 18:30:01
12月月例ネット句会
8,11,16,32,36
08.手紙出す音の聞こえて冬の路地
通常、ポストへ投函する音を気にすることもなく雑踏の中に流れていく日常の一コマだが、ポストの底のさまざまな手紙類に触れたわずかな響きが冬の冴えわたる凛とした空気を想像させられる。手紙の宛先に込めた祈りにも似た想いが表出したかのようだ。
返信する
花冠12月ネット句会選句 (桑本栄太郎)
2023-12-10 18:31:03
13 22 23 31 36
<特選>
31)★冬半ば入日は塔の先かすめ
入日には春夏秋冬にその季節に合う、素晴らしい景色を見せて呉れますね?ここ数日穏やかな天候が続き、どんどん沈み行く冬の茜空には高い鉄塔の先端をかすめて居ります。哀愁の籠る時間ですね!!。
返信する
12月月例ネット句会選句 (多田有花)
2023-12-10 18:43:46
05.23.30.35.37.

37.街の色変えつつ落ちる冬夕日
午後をとりわけ短く感じるこのごろです。
お昼を過ぎるとあっという間に日差しは傾き
夕陽となって街を赤く染めます。
返信する
花冠12月ネット句会選句 (高橋秀之)
2023-12-10 19:12:31
13.23.31.36.37
31.冬半ば入日は塔の先かすめ
冬半ばのこの時期、夏とは違う軌跡で太陽が塔の先をかすめて日の入りします。塔をかすめがその低い軌跡を感じさせてくれました
返信する
花冠12月ネット句会選句 (廣田洋一)
2023-12-10 19:51:09
05 09 21 24 32
05.海鳴りの何処か遠くに懸大根
景が良く見える。大根を干してる場所は海からはなれた寂しい場所に有るのだろう。何処か遠くに、が効いている。
返信する
花冠12月句会選句 (吉田 晃)
2023-12-10 20:28:43
5)    7)    24)   28)    32)

05.海鳴りの何処か遠くに懸大根
半農半漁の浦の風景だろう。厚い雲覆われ海鳴りの聞こえる村の姿が想像される。風を防ぐための石垣の塀に懸けられた大根は海風に萎び、甘みたっぷりに仕上がる。正月のなますに使われるのだろう。浦の生活が強く匂ってくる好きな一句。
返信する
12月ネット句会選句 (祝恵子)
2023-12-10 21:10:35
13 24 28 34 37
37街の色変えつつ落ちる冬夕日
冬日が沈んでいく街の様子が見えてきます。
返信する
花冠12月月例ネット句会選句 (小口泰與)
2023-12-10 21:13:47
08 16 22 32 35
35星空へ熊手持ち上げ拍手湧く
熊手はもと実用品であったが、今は七福神のような縁起のいいものをつけ、大きな飾り物になった。その熊手を買った人への賛辞を表す大きな拍手が冬空に沸き上がった。年末の縁起の良い景である。
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Unknown (柳原美知子)
2023-12-10 23:35:23
所用のため大変遅くなりましたが、選句させていただき
ます。
5. 8. 13. 22. 37

13.草の穂の重き実をつけ枯れ果てり
草は枯れても重き実をつけている。野生の生命力に感動します。枯れ果てた草の軽さと実の重さの対比にしみじみと 自然の摂理が思われます。
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