絵話塾だより

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2020年4月1日(水)絵本わくわくコース・高科正信先生の授業内容

2020-04-01 18:19:01 | 絵本わくわく塾
本日は高科先生の今期最後の授業でした。
毎年、話されるテーマが違うのですが、今期は子どもの本についての話をしていただき、
本日は「子どもを生きる」がテーマでした。

最後の授業ですので、まずは皆さんからの質問。
高科先生の子どもの頃の話や、児童文学作家になったきっかけの絵本など教えていただきました。
高科先生が子どもに伝えたいこと、なぜ子どもの話を書いているのか、大事なお話をお聞きしました。



6月に『おおきなおおきなさかな』が、福音館の月刊絵本で出版されます。
この絵本の絵は荒井良二さんが担当していて、1998年に初版が出ています。
月刊絵本ですので、書店での販売がありませんが、
絵話塾(ギャラリーvie)で販売出来るよう、高科先生が手配してくださっています。
楽しみですね!


では、本日のテーマ「子どもを生きる」のお話しです。

12世紀の古文で『梁塵秘抄』があります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 遊びをせんとや生まれけむ
 戯れせんとや生まれけむ

 遊ぶ子どもの声聞けば
 我が身さへこそ揺るがるれ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
子どもは、遊ぶために戯れるために生まれてきた。
子どもの声を聞けば、自分の中にある子どもが揺るがれる。
という内容の古文です。



また岡本夏木の『幼児期』岩波新書(2005年)の中でも、
「わが身まで揺り動かされるのはなぜか。
それはわれわれ自身の中にも遊びへの強う要求と感情があり、
それが子どもの声によって強い共感へとかりたてられるからです。
このことはまた、われわれ大人自身の中にかつて子どもであった自分を宿し続けていて、
その内なる子どもが大人の自分をゆるがすことも示しているといえます」
と、大人になっても「子どもを生きる」ことはできる。と、書かれています。




子どもは自由で素晴らしい感性の持ち主だ!と、いう絵本を紹介していただきました。

『ぼくのくれよん』    長新太 (講談社)  1993年
『おばあさんの青い空』 片山健 (偕成社)  1994年
『みずまき』      木葉井悦子 (講談社) 2003年



『おばあさんの青い空』の主人公コジさんは、スズキコージさんのことだそうです。

長新太・片山健・木葉井悦子・スズキコージ・荒井良二などの絵本作家は、
自分の中に子どもを持っていて、子どもを生きることで絵本を作ることが出来る絵本作家です。

あまんきみこさんのエッセイ集『空の絵本』で
「人は誰でも幼年期・思春期・青年期…と、木の年輪の内側の部分(幼年期)の感覚を沢山持っている」と、あります。
絵本を描くには、幼年期の感覚がとても大切なんですね。

高科先生の授業では毎年話すテーマが違いますので、来年はどんなテーマでお話されるのか楽しみです。
ぜひ来年もスポット受講で受けに来てくださいね。



最後に生徒さんから、お酒のプレゼントがありました。
ラベルをよく見ると、高科先生とチャン・ツィイーが!

一年間、絵本のお話しを沢山してくださり、ありがとうございました。




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