絵話塾だより

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2014年4月6日(日)絵本研究科・高科正信先生の授業内容

2014-04-14 21:54:39 | 絵本研究科
201446takashina絵本研究科・高科正信先生は、今日が今期最後です。本日のテーマは「神話的時間」です。カナダのイヌイットの考えで、人には「日常的時間」と「神話的時間」があるそう。さて「神話的時間」とはどういう時間を指すのでしょうか。
『こどものひろば』という福音館から出ている本には『母の友』に寄せられた、母親が聞き取った子どものつぶやきが寄せられています。子どもが何気なく発した言葉に、大人はハッとしたり、笑ってしまったりします。そんな子どもの発言に、大人は、もう無くしてしまった神話的時間を思い出すのです。
『沈黙の春』で有名なレイチェル・カーソンの遺作として彼女の友人達によって出版された本『センス・オブ・ワンダー』は、神秘さや不思議さに目を見張る感性をいつまでも失わないでほしいという願いを込めたものです。子どもと一緒に、クモが巣をはる力や、石がそこにある、といったように当たり前のことに驚いたり関心を持ったり、それを共有する(同じ時間を過ごす)ことが子どもにとって大切だと伝えています。
本来、誰もが持っていた力ですが子どもの時に持っていたことを忘れている人がほとんどでは。

また、子どもが成長する時には一人でいることの方が多いのだそう。
一人は寂しいのではなく、大切な時間を過ごしている。この時間も神話的時間。
『わたしとあそんで』マリー・ホール・エッツ
『きはなんにもいわないの』片山健
『おじさんのかさ』佐野洋子
絵本を作ることは、自分のなかに「神話的時間」を持つ(取り戻す)ということ。
幸福に驚く力、いつまでも忘れないでいたいですね。





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