4年ほど前、公園で孫を遊ばせていたら、目の前を白髪頭の男が横切った。
「?」
「!」
すぐにO君だと分かった。
同じ中学校だったO君だ。
なぜなら、白髪頭以外、O君そのものだったからだ。
顔も容姿もまったく変わっていなかった。
声をかけて、しばらく立ち話した。
同じ団地ではないが、近くに住んでいた。
ずっと市役所にいたそうだ。
カレも60才を期に退職していた。
なぜなら、糖尿病を患ってしまったからだ。
退職間際のある日、突然、目の前が真っ暗になり、運ばれた病院で糖尿病だと分かった。
それが60才退職を選択した理由だった。
退職後、走ることに活路(?)を見出し、マラソンにチャレンジしたそうだ。
ワタクシはマラソンをやめて2年がたっていたが、まだハーフマラソンを走っていたから、話が盛り上がった。
同じ中学校の陸上部でいっしょだったK君も市役所にいて、糖尿病にかかったそうだ。
その後、K君は67才で亡くなった。
糖尿病が原因だったかどうかは知らない。
その後、O君には一度も会っていない。
もう公園には来ていないだろう。
O君は今もマラソンを走っているだろうか?
ときどきそんなことを考える。