昔、一度だけ東尋坊に行ったことがある。
観光だった。
自殺の名所だということを、その時、その場ではじめて知った。
バスガイドさんが案内してくれた。
個人的にはこんなところには来たくはなかったが、団体旅行だったので仕方がなかった。
天気は曇り・・・
どよ~んとした空気感が漂っていた・・・
地縛霊が・・・
だから、こんなところには来たくなったんだ・・・
と思いながら、どこかに自殺願望者はいないだろうかとキョロキョロ見渡した。
ワタクシは思いっきり不謹慎だった。
自殺の名所から遠いところで生きてきた。
こんなところで人生を終わろうとする人ってどんな人たちなのだろうか?
今も、昔もまったく思いは分からない。
理解することも寄り添うこともできない。
もし自殺の相談を受けたら・・・あまりにも真逆の対応をして、かえって自殺を早めてしまうのではないだろうか?
それが心配だ。
だが、一度もそんな相談を受けることがなかった。
それはお互い、幸いだったというしかない。