週に2回、学校から帰る孫を途中まで歩いて迎えに行く。
その日は学童に行かず、習い事のある日だ。
どちらかというと、散歩がてらという方が正しい。
まず、ムスコ宅に行く。
それから、水を飲んだり、トイレをすましたりしてから、下校時刻よりも早めに家を出る。
早めに出るから学校のすぐ近くで待つことになる。
しばらく待っていると、ほかの子どもたちが三々五々、校門から出てくる。
雨の降る日は傘をさして待つ。
これから炎天下も傘をさして待つだろう。
下校する子どもたちがちょっとだけ不審者のようなまなざし向ける。
そんな時は、知らんぷりをしながら、遠く見つめることにしている。
時には「こんにちは!」とあいさつを受けることがある。
ここぞとばかりに「こんにちは!」とはっきりとした声で応えて、不振者ではない雰囲気を見せつける。
さて、ある日、孫が女の子と並んで歩いてきた。
1年生の頃、毎日、一緒に帰っていた近所の子だ。
2年生になってからクラスが替わり、学童に行くことも多くなって、一緒に帰る回数も減っていた。
久びさに一緒に帰る。
帰り始めてすぐに女の子が「これっ!」とTシャツの前を広げて見せた。
「I ♥ ?」
?のところが手で隠れてよく見えない。
「アイ ラブ 台湾!」
女の子が大きい声で言う。
「パパが買ってきた!」
「へぇ~いいね!」
「昨日、帰ってきた」
「台湾から? なんで?」
「パパが映画を撮ってる」
「へぇ~」
よくしゃべる反応のいい女の子だ。
これなら孫と相性がいいだろう。
孫もよくしゃべるからだ。
「パパが映画を撮って、ママがその映画に曲をつけてる!」
「へぇ~」
こんなハイカラな仕事をする人々が宮崎に住んでいるのか?
家は知っている。
一戸建ての親の代からあるような家だ。
そう言えば、1年生の頃、おばあちゃんが迎えに来ていた。
変わった形の外車が2台ある。
とムスコが言っていた。
儲かってんのかな?
「習い事、してる?」
「英語とピアノ!」
「どこ?」
「英語はハロー教室!」
「道は・・・(あれこれ)」
「ピアノはヤマハで・・・(あれこれ)」
よくは分からなかったが、「ああ、そうね」と話を合わせる。
すごく映像的に道案内をしてくれる。
なかなか頭のいい子だ。
途中、よけいなほど道草をしながら時間をかけて歩いて来たら、とうとう分かれ道にやってきた。
この前は孫の家までついてきたが、今日はどうだ?
「バイバイ!」
しっかりと手を振っている。
今日は習い事でもある日なのだろうか?
「あの子の親の話、知ってた?」
孫に聞いたら、とっくの昔、1年生のはじめの頃に聞かされたそうだ。
孫はしゃべりたがりだから、よくしゃべる、あるいはよく聞いてくれる相手でなければ続かない。
女の子はその相手が十分にできそうだ。
というか、圧倒的に女の子がしゃべりが多そうだ。
というわけで、その日は帰る時間が短い気がした。
またいっしょに帰りたいものだ。