かちこのアメリカ奮闘記その後

アメリカの大学院での登録栄養士(RD)を取得、帰国して日本の病院でNST奮闘中

アメリカの栄養サポート3

2011年01月28日 | RD(アメリカの管理栄養士)

今日はA先輩にアメリカの緩和ケアについて少しお話を伺うことができました

私のずっと疑問に感じていた祖父へのTPN。

最近、一番近くで介護をしていた母からその時の状況を教えてもらいました。

どうやら祖父は胆のう癌を取る際にその他の部分も切って、

小腸を胃につなぐ手術もしていたらしい。(Whipple procedure みたいな感じかな???)

そのため、術後は食べたものがちゃんと流れる道筋をつくっていたはいたんだけど

結局その流れがうまく流れず、口から食べられないし、

ENもできないってことになったようです。

A先輩に聞いたら腸が細くなってうまく流れなくなることもあるって。

そういうことだったのか・・・。

手術の説明を聞いたときのメモとかは日本においてきてしまったので、

今確認することはできませんが、

今更、そういう経緯でTPNだったのね・・・。

と納得しました

ただ、祖父のケースがアメリカだったらどうなっていたのか、

癌をすべて切除できなかった上、CTもRTも今更効果ないしってなって、

緩和ケアにすることになったんだけど、

アメリカでは緩和ケアに栄養ポートは一般的に行わないって教科書にも書いてあるし・・・。

 

告知するかしないか・・・。ここにアメリカと日本の医療の大きな違いがあるようです。

日本は癌の告知をするしないって、よくドラマにもなっちゃうぐらいだけど、

告知をしないことにする家族も多いと思います。

アメリカは本人が知る権利があるってことで、告知するのが当たり前。

むしろ本人に本人の病状隠してたら訴えられる???

というわけで、緩和ケアにするかどうか、そして栄養サポートをするかどうかも

本人や家族、医師や、緩和ケア専門の医師や看護婦も交えて十分に話し合って決めるらしいんです

私の祖父の場合は本人に告知はしたけど、

最後の手術で全て取りきれなかったという説明をしてなかった場合、

本人に栄養サポートをするか、どうやって最後の時を迎えたいか、

しっかり話あうってことができないんですね。

これって、なんとも日本ぽい文化なのかもって今振り返ってみて思います。

私だったら癌だったら告知してほしいけど、

もう完治する見込みがなくなった場合に

口から食べ物も食べれなくなって、栄養サポートもせず、

最後の時を迎えたいって言えるかな?

そんな判断、したくないかな~。

しかも祖父のようにTPNしながら2か月くらい暮らしなれた家で家族とともに過ごせた、

そんな時間の価値は家族にとっても本人にとってもすごい貴重な時間だったと思うから

ほんとに人それぞれ、価値観も状況も病状も、家族の考え方もみんな違う。

医療に従事してると、普段接してても見えない、踏み込まない部分に

入っていかないといけない状況がたくさん出てくるんだろうな。

アメリカでの実習は、チーム医療を体験するだけでなく、

いろんな国のいろんな人たちの文化と生き方を垣間見ることのできる

貴重な機会

医療従事者として、知識だけではなく、人としても成長していきたいですね

 


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
もんさんへ (かちこ)
2011-03-07 05:10:33
コメントありがとう!!!
しかも、日本の医療の最新情報を聞けてうれしいです。
告知マニュアル読んだよ!
参考になります。
昔は患者&家族の立場でしか告知に関して考えなかったけど
こうやってマニュアルを読むと
医師や看護婦、医療従事者の立場での
苦悩が伝わってくるね。
またまたいろいろ教えてね。
楽しみにしています!
もんさんもがんばってー
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告知 (もん)
2011-03-04 11:49:35
久しぶりです!
かちこさん、忙しいながらも非常に充実した日々を過ごしてますね~!
読んでて本当に楽しいです

さて、癌告知についてですが、現在家族にはほぼ全例されてると思います。
本人への告知については、当院のケースです。診察時にがん告知希望の有無を患者さんに聞きますが、
大半が「希望します」です。
時々ご家族の強い希望で、告知をしないこともあります。
(本当にそれでいいのか、ご家族にはよくよく話し合っていただきますが。)
なので、昔に比べると随分告知はされてると思います。

やはりそれは、癌=死に直結するわけではないですし、
早期であれ末期であれ、自分の病名や現状を知らずに、
治療の方向性を理解し、前向きな姿勢で治療に取り組み続けることは非常に難しいと思います。

ある病院の告知マニュアルです。
もし参考になれば。http://ganjoho.ncc.go.jp/professional/communication/communication01.html

ではでは
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告知 (かちこ)
2011-02-01 09:24:19
そうだね。恐ろしい病気ではあるけど、
医学の発達で昔ほど
癌=死
っていう方程式は成り立たなくなってるしね。

私はもし自分が癌だったら断然告知してほしいな。
これから日本の癌の告知の状況は変わっていくんだろうなと思います。
もし日本の医療の現状について
知っている人がいたら教えてほしいデス・・・。
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告知 (よした)
2011-01-31 12:54:12
日本のガンの告知の選択性は、日本は多分、個人主義でなく国の仕組みが全て家族・世帯単位であることの名残りなのかな?家族にはとりあえず告知するんでしょう。。手術も、難しいものは、確か、家族の同意が必要だった?付き添ってくれる家族がいない場合は、どうしているんだろう。
ガンは、「白い巨塔」時代には本当に恐ろしいものだったみたいで、それで告知しなかった流れがあるのでは。
時代が変わった今、ガンは誰でもなる可能性がある病気として、対応を変えていかないといけないんだろうね。
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