こうだ邦子 活動日記 

参議院議員としての
日々の活動をご報告します。

野田総理への問責決議

2012年08月29日 23時13分05秒 | Weblog
本日の参議院本会議にて野党7会派が提出した
野田総理に対する問責決議案が可決しました。
提案理由は、3党合意による消費税増税が
強引に行われることへの抗議となっています。
7会派の中にはみどりの風も含まれており、
私が国体担当者としてみどりの風を代表して
窓口を務めておりました。

野党第一党の自民党が提出した問責決議案ではなく、
少数野党7会派の問責決議が上程され、
成立したことは、憲政史上異例中の異例のこと
でありますが、この間の経緯についてはテレビ・新聞
などで報道されていますので説明は省略し、ここでは
少数7会派の問責決議案提出に携ってきた立場から
感じたことを記させて頂きます。

8月7日に少数野党7会派による問責決議案を提出するも、
たなざらしとなりました。
その後、8月28日18時に自民党が問責決議案を提出。
ところが29日の朝、少数野党7会派は自民党の問責決議案に
乗ることを拒否し、あくまでも自らが提出した問責決議案の
上程・採決を主張し、自民党はこれを承諾しました。
なぜなのか。
問責決議案の上程には議院運営委員会での承認が必要なのですが、
自民党の問責決議案の上程を7会派が反対すると否決される
ことがわかっていたからです。
野党が一致した行動を取れば参議院では野党多数となりますが、
野党の足並みが乱れれば過半数となりません。また、与党単独でも過半数と
なりません。
29日のやりとりの途中には、野党少数7会派の問責決議案の
提案理由修正の検討も行われましたが、これも7会派は拒否をし、
提案趣旨はあくまでも消費税増税反対のままとなり、自民党は
これを容認しました。

おそらく国会関係者もメディアの皆さんの誰もが、野党少数7会派の
問責決議案が上程され、可決されるとは思っていなかったでしょう。
私たち7会派からすれば快挙でありますが、なぜこのような成果と
なったのか。
私の主観ではありますが、最大の成功要因は、7会派による
丁寧すぎるほど丁寧な打ち合わせの積み重ねがあったからだと思います。
7月30日の初会合から8月29日までの間で7会派国体担当者は
30~40時間という長時間を共にしています。
この時間は、国会にありがちな形式的な会議ではなく、実質的な
打ち合わせに充てられています。
政治思想としては大きく隔たりがあり、だからこそ各々が別の
政党・会派として独立しているわけですが、こうした
7会派がここまで一致した行動を取ることは本来不可能であると
思われますが、自民党・民主党・公明党の3党で合意されれば
なんでもかんでも通ってしまう国会運営への抗議に
焦点を絞ることによって、合意形成を図ってきたわけです。

会議は短く、仕事は合理的に生産性の向上を旨とし。
これには一理ありますが、利害が一致しない、様々な立場の
人間(代表者)による最大公約数を見出す局面においては
この言葉はあたりません。
これは私の恩師であり、私の社会人としての父親である
太平洋銀行の頭取を務められた方の行動や姿から学んだことで
あります。
彼は、太平洋銀行を整理するために株主銀行から頭取として
送り込まれましたが、各々の株主としての立場のある取締役を束ね、
取締役会において丁寧に丁寧に一人ひとりの意見を聞き、
議論し、最大公約数を見出していきました。
彼は、出身銀行在籍時も銀行員にはめずらしい剛腕
とも言われていたので、これは意外だったかもしれません。
けれども彼は、肝心のリストラについては、金融庁の方針に背き、
従業員の一人も解雇せず、一方、取締役の退職金ゼロを決定しました。
合意形成は丁寧に丁寧に行った上で、肝心のところで頭取の権力を
行使したわけです。

今、政界では、各々の利益追求のために様々な会合が行われている
かと思いますが、一朝一夕とは行きません。
無駄なようでも遠回りも必要だということをこのたびの一連の問責決議
案可決で実感をいたしました。












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