色どりLife

日々の生活のちょっとした色にスポットをあてるブログです

優しい色を出すための白

2011-09-05 23:14:16 | Foods
ご覧いただきありがとうございます


まだまだ残暑が続くようですが、
朝夕の風が涼しくなったり、虫の音が聞こえてきたり、
あちこちで小さな秋が感じられるようになりました

私のところにもこんな素敵な小さな秋が。




和三盆干菓子です。


製法に手間と技術が必要な上、
精製すると分量が目減りしてしまう貴重な和三盆。

サトウキビを搾り煮詰めた原料を
木のお盆の上で練りこむ(研ぎ)こと三回
ここから和三盆の名がついたとされているそうです。


より白くするには研ぎを増やして
その結果、出来上がる分量が少なくなる高級な日本製の砂糖。

その白さがあればこそ、
干菓子の優しい色を作り出せるというわけです。
染める色が淡ければ淡いほどベースの色が白くないと濁ってしまいますからね。



干菓子は茶席のお菓子ですが、
茶の湯といえばもてなしの心。
お客様に美しさや季節の移り変わりを愛でてもらいたいと願う心は
和三盆が作られ始めた江戸時代中頃も同じだったことでしょう。


和三盆を使った干菓子に
季節感を盛り込み、美しい彩りを表すことに工夫を凝らしていったことは
想像に難くありませんねぇ。

もみじなどの繊細な模様を作り出す木型
当時から使い続けているものもあるそうです



茶席で出されても嬉しいでしょうが、(茶席経験が無いので想像ですけど)
こんなにたくさんの種類が一度に愛でられる折り詰めは
なんとも贅沢な贈り物ですね


小さな秋の風情が満載です