情報統計研究所へのアクセスはここから.
ANOVA Type-Ⅲ について.
前号では平方和 Type-Ⅰと Type-Ⅱについて述べました.
今回は、
平方和 Type-Ⅲの計算方法について、前号を同じデータ数の不揃いな例題での計算方法です。その前に、
Type-Ⅱ とType-Ⅲ の違いは前者が交互作用を無視しているのに対して、後者は交互作用で調整していることです。
つまり、
データ数が不揃いで交互作用で調整しないのが Type-Ⅱであり、交互作用で調整するのが Type-Ⅲです。したがって、
ANOVA の結果は違ってきますが、幸運にも、ANOVA はデータ数がキッチリ同じで交互作用がなければ Type-Ⅰでも Type-Ⅱ でも Type-Ⅲ でも結果は同じです。そもそも、
ANOVA はデータ数が同じであることを前提としていたのですが、その不都合を解決するために考えられたのが平方和 Type です。それでは、
Type-Ⅲの計算方法ですが、例題のデータを表1 のようなダミー変数にします。
表1 Type-Ⅲの計算に使用するダミーデータ
表1 のブルーの変数部分( QRS.T、X1~X2X3 )のダミー変数について、QRS.T を従属変数として回帰分析をおこないます.回帰分析の手順ですが、
・全独立変数( X1~X2X3 )を用いた回帰分析をおこなう.
・全変数から( X1とX2 )を取り除いた回帰分析をおこなう.
・同じく、全変数から( X3 )を取り除いた回帰分析をおこなう.
・最後に、全変数から( X1X3、X2X3 )を取り除いた回帰分析をおこなう.
この様にして求めた回帰分析の結果を表2 のようにまとめ Sa、Sb、Sab などを求めます.
実際は、
商用統計ソフト SPSS などを使えば標準で Type-Ⅲ が出力されますが、Type-Ⅱ であってもかまわないと言われていますので統計環境ソフト「R」を使えばType-ⅡのANOVAを簡単に求めることが出来るでしょう.
例えば、
統計環境ソフト「R」では「ANOVA君」を、また、Webオンラインで「ANOVAScript」を Free で利用することが出来ます.
次回は、
「ANOVA君」と「ANOVAScript」を作者に敬意を持ってご紹介したいと思います.