統計技術 第Ⅲ部 Free Online Caluclator (例題集)
第3章-5:PLS-PM(偏最小二乗回帰分析)
この統計技術では、「Free Online Calculator」(Wessan.net)の事例を紹介している.
今回は、Wessa.net のTopページから、
Regression Software→Regression Software→PLS-PM
・・・であるが、これは、
PLSパス・モデリング(Partial Least Squares Path Modeling :PLS-PM)のことであり、観測された変数と潜在変数の間の複雑な多変量関係(構造方程式モデル)をモデル化するための統計的アプローチである.
しかしながら、本Calculator(Wessan.net)で使用されている「plspm」というパッケージは、現在、「R」で使用されておらず、次の errorメッセージとなる.
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”ライブラリ(plspm)のエラー:「plspm」というパッケージがありません.実行が停止しました”
***
よって、ここでは、
「R」による別法を簡単に紹介するに留めるので、「グラフィカル共分散構造分析」 については専門書や専門サイトを参考にされたい.
入門書としては、
「Excel で学ぶ共分散構造分析とグラフィカルモデリング」(小島隆矢、オーム社刊)が良いかも知れない.
「R」での方法として、簡単な例題でやってみよう.
まずは、
情報統計研究所の「やさしい医学統計手法:9.4.2. 主成分回帰分析(回帰主成分分析)の方法について」(下記URL)から、表1のデータをExcel にコピーして使用する.
http://kstat.sakura.ne.jp/medical/med_035.htm
図1 Excel にペーストしたデータ
「R」の実行:
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dat<- read.delim("clipboard", header=TRUE) # 図1のデータをすべて選択しコピーし読込む
head(dat)
library(lavaan) # 事前にインストールしておく
library(semPlot) # 事前にインストールしておく
model.1 <- 'satus ~ w1+ w2+ w3+ w4' # PLM モデル式
fit.1 <- sem(model.1, data=dat, estimator = "MLR") # PLMの実行
summary(fit.1, standardized=T, fit.measure=T ) # 統計量の表示
# パス図の描画
semPaths (fit.1, whatLabels = "est",
layout = "tree", style = "lisrel", nCharNodes = 0, sizeMan = 10,
edge.label.cex = 2.0)
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出力結果:
図1 統計量(回帰係数)の出力
図3 PLSパス・モデリング
片側矢線は因果関係を表す数値で回帰方程式の場合は係数を表す.
両方向の矢印の数値は相関性を示す共分散を表しており、Excel 関数では「=COVARIANCE. S( )で求められる」.