情報統計研究所へのアクセスはここから。
今回はDannett test について検証したいと思います。
例題として次のデータについて考えて見ます。データは脂質改善剤の投与による血中コレステロール値の時系列変化を見たもので、「ベーシックプログラムによる新医学統計手法」から一部編集して引用しました。
統計解析ソフト「R」を用いて検証します。
血中コレステロール値の時系列変化(折れ線グラフ参照)。
time<- c("t1","t2","t3","t4","t5")
a1<- c( 220 , 219 , 235 , 217 , 205 )
a2<- c( 224 , 230 , 186 , 179 , 172 )
a3<- c( 235 , 209 , 190 , 190 , 142 )
a4<- c( 200 , 195 , 180 , 160 , 155 )
a5<- c( 265 , 245 , 252 , 225 , 208 )
a6<- c( 180 , 184 , 155 , 136 , 138 )
Dannett test は対照群と他の群との比較に使います。ここではt1とt2~t5を比較することになります。検定では正規分布で等分散のデータを仮定しています。
統計解析ソフト「R」には glht() と simitest() の方法があり、glht() の結果は次の通りです。
以上の結果から a1 と a4・a6 に有意差があると判断されます。しかし、折線グラフを見ると各group(a1~a6)のコレステロール値は時間と共に単調に減少していることが分かります。
この様に時間と共に減少又は増加の可能性がある検定では Dunnett test よりも Williams test を用いる方が良いと言われています。
以上の結果は「R 2.4.1」を使用しました。