AHP(Analytic Hierarchy Process、階層分析法)について(続き)。
前回のAHPでは救命救急処置の評価基準の重要度を知ることが出来ました。重要度の指数は、
A=0.649、B=0.279、C=0.072
であり、アンケートでは、
”誰でも使用できること”>”有資格者の限る”>安全で誤作動しないこと”
の順で重要だと読み取れます。AHPでは、次に、”代替案”について一対比較を適用します。
”代替案”の一対比較は次の様であったとします。
表2では、救命救急処置として「a=人工呼吸、b=心マーサージ、c=AED」の一対比較を示しています。前回(表1)ごとの3つの評価基準に関する各代替案のCI はいずれも CI<0.1 であり有効と言えますので、救命救急で重要な処置は”人工呼吸”と”心マッサージ”の様です。総合評価は図2の行列式で求められます。
ここで、図2の行列計算はMSエクセルの関数(MMULT)で簡単に求めることが出来ます。
救命救急処置での総合評価(重要度)は、図2の通りであり、
人工呼吸(a)=0.652、心マッサージ(b)=0.259、AED(c)=0.089
となりました。これは、図3の様にスコアーとして表すことが出来ます。
以上、AHPについて簡単な例題をもとに基本的な考え方を説明しましたが、詳しくは、成書にて学習されることを願っています。