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精度管理とYoudenplot(2)
前回は2つの値を x軸と y軸にとり、2つの値の相関散布図から系統誤差と確率誤差を視覚的に見る Youden plot を紹介しました。しかし、誤差に付いては数値として表現していません。たとえ、相関係数(r)が大きいとか小さいとか言っても精度管理の指標としては曖昧なものです。系統や確率の誤差をAccuracy と Precion に対応付けるなら、管理図法で2つの値の変動をみると良いでしょう。
前回のデータで2つの値の trend をみてみましょう。
図1:A法によるTrend 分析
図2:B法によるTrend 分析
図1・2では、敢えて2つのデータを昇順順位にしています。
A法(図1)とB法(図2)の trend は直線回帰式で表しており、その勾配係数は A法>B法 となっています。すなわち、A法の勾配係数がB法に比べて大きく、A法の 系統誤差(caliblation など)に問題が有るかも知れません。
同じ物質を測っていたとしても、ある程度の変動(CV%)は致し方ないものですが、なるべく小さくなるよう管理する必要があります。管理図法は日々の管理血清値の変化から確率誤差(バラツキなど)や系統誤差(システムなど)を把握するのに役立っています。
この様に、臨床検査の現場での精度管理は検査データを保証するものとして日常業務に欠かせないものです。しかし、この様な努力や精度管理の統計学的方法を知る臨床医は極く少ないかも知れませんよ・・・?
次回に続く!