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映画【イカとクジラ(THE SQUID AND THE WHALE)】

2008-05-26 00:41:12 | 映画
 
 
イカとクジラ
2005
ノア・バームバック(Noah Baumbach)


ノア・バームバック監督とはいえ、随所に響き渡るウェス・アンダーソン節。
キャラの描き方と言い、編集といい、まんまです。
面白かった。

両親の離婚によって父親と母親のもとを週の半分ずつ過ごすことを余儀なくされ、だんだん壊れていく兄弟の話です。もちろん、ウェス節によって何も解決しません。
けれど、ラスト付近に見える急激に成長した(様に見える)兄弟の姿にはある種の感慨を感じざるを得ません。
「ロイヤルテネンバウムズ」でわがままなだけの爺ちゃんのラストと通じるものがありまくります。

人を描くというのは、やはりこういう突拍子もない(事実は小説よりも奇なりな)ストーリーの方ができるんですね。
自分の身に起こるはずもない展開に、自分を置き換えてみると、そこには今まで考えもしなかった行動が浮き上がります。そしてそれに全く沿わない劇中の人物の行動。
一見理性的に見える人間のキチガイじみた行動。その中に見いだす人間性。誰に自分を重ねるかで改めて分かる自分の性癖。
想像が絶えない映画です。

友人に「これ、結構良かった」といっても食いつきが悪い本作ですが、ウェス・アンダーソン監督作品が好きな方は是非。


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1 コメント

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デフォルメ (kimion20002000)
2008-05-28 03:23:59
TBありがとう。
作品的にはいろいろデフォルメしているんでしょうけど、ほとんどが監督が経験したブルックリンの少年時代の家族の話なんでしょうね。脚本に感心しました。
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