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映画 リバイバル【2001年宇宙の旅(2001: A SPACE ODYSSEY)】

2008-07-15 22:59:36 | 映画
 
 
2001年宇宙の旅(2001: A SPACE ODYSSEY)
1968
スタンリー・キューブリック(Stanley Kubrick)


劇場公開40周年記念の東劇でのリバイバルを観てきました。
本作をスクリーンで鑑賞するのは初めてです。

70mmのオリジナルではなく、35mmにダウンコンしたフィルムでの上映でしたが、やはり今まで観ていたいたVHSやDVDとは圧倒的に違いますね。
というか、劇場で観て良かった。コレは。
フィルムノイズは全く気になりませんでしたが、音が小さかった。

今年のアタマにも自宅でDVDで鑑賞したんですが、その時の体験とは全く違います。今更ですが。
やはり、大型スクリーンで観ることを前提とした作品であって、そのスケール感に唖然とします。
今まで、ちょっとタルイと思っていた冒頭の猿の件の意図もなんとなく伝わってくる。そういうことか。
それ以上に、画面に何も映し出されないBGMだけのドアタマ3分の暗闇。ラストの「THE END」が出てからの5分。コレが効くぜ。
東劇の仕様なのか、小さな客電が点きっぱなしなのが気になりましたが。

全員に「観ろ!」と強制する作品ではないかと思いますが、少なくとも本作に「疑問」と「計りきれそうもない奥行き」を感じているのなら一度は劇場で観るべきです。いまのうちに。
またも強制連行した連れは、初見ということもありストーリーの理解すらおぼつかない。何せ、最初の台詞が30分経ってからですから。
「あのラストのシークエンスは!ボーマン船長の視点が!最終的に!観客に向かって!」とか「あの!ディスカバリー号の!カットは!パンフォーカスするために!露光が!10分で!」と力説しても暖簾に腕押し。
そんなもんでしょう。しかし、楽しんだとのこと。


40年経った今でも全く色褪せない作品と言ってしまってはチープな賛辞ですが、正にそう。
この40年で開発された映像テクノロジーは、本作のような映像を「如何にコストを下げて実現するか」ということになってしまっている気がします。
改めてキューブリック監督の想像力の深さに驚きます。

美術館とかライブなんかで感じることがある「追い求めすぎて壊れたバランス感」もしくは「おいてかれちゃった感」を映画で感じるのは久しぶりでした。


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