神が宿るところ

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池田神社(駿河国式内社・その10)

2010-10-26 23:42:02 | 神社
池田神社(いけだじんじゃ)。祭神:事代主神。
場所:静岡市駿河区池田1207。 県道407号線(静岡清水草薙線)「聖一色」交差点を南東へ(「日本平動物園」方面などの案内標識がある。)、道なりに約800m、右手(南側)に川に隔てられた小さな森がある。その川に架かる橋を渡るとすぐ。駐車スペースあり。
式内社「草薙神社」の元鎮座地は有度丘陵の北麓にあり、当神社は西麓にある。直線距離では2~3kmしか離れていない。日本平(これも日本武尊の縁の地である。)には、自動車では、当神社の前を通って上っていく。
当神社の創建時期は不明。古社の場合、神社名と地名が同じとき、どちらが先かは難しい問題である。当神社の場合は、今も隣接して大慈悲院川という川が流れ、近くにある西峯田緑地が元は雨乞いをした池であったという社伝もあり、池のある田の間に鎮座する神社として、先に地名があったのかもしれない。そして、「式内社調査報告(第9巻)」(昭和63年1月)によれば、「先代旧事本紀」の国造本紀の記事により、「廬原国造」意加部彦命の子孫(吉備氏族)で「池田坂井君」という氏があったということから、この「池田君」を祀ったのではないか、とする。小生も、当神社が「廬原国造」と関連があるとは思うが、では、なぜ祭神が事代主命になったのか。事代主命は、大国主の子で、いわゆる出雲系の神である。
当神社には、明和年間(1764~1771年)の大旱魃のとき、村中の水が枯れたが、当神社の井戸を掘ったところ、水が湧き出して村人を救ったという伝承もある(この井戸は大慈悲院川の河川改修工事により埋められてしまったらしい。)。
元は「池田君」を祀ったのかもしれないが、日本武尊の草薙伝説などと結び付けられなかったせいで祭神が忘れられ、後世になって、水をもたらす神としての「事代主命」が祭神となったのではないかと思われる。


玄松子さんのHPから(池田神社(静岡市)):http://www.genbu.net/data/suruga/ikeda_title.htm


写真1:「池田神社」正面。社号標には「神饌幣帛料供進指定式内池田神社」とある。


写真2:社殿。全体に明るく、簡素だが清楚な美しさがある。


写真3:西峯田緑地。確かに、水の無い調整池のような感じ。もとは「峯田の溜池」といったらしい。有度山(有度丘陵)は低い山で、しかも案外、坂は急なので水が溜まりにくかったようで、溜池が必要だった。(場所:静岡市駿河区聖一色14。当神社の北西約160m。駐車場なし。)。
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