神が宿るところ

古社寺、磐座、不思議・パワースポット、古代史など極私的な興味の対象を見に行く

山の神(藤枝市岡部町三輪)

2011-03-11 22:10:31 | 磐座
山の神(やまのかみ)。
場所:藤枝市岡部町三輪。県道213号線(焼津岡部線、通称:高草街道)から、三輪川を渡る交差点のところ(三輪公民館がある。)を、三輪川を遡るように高草山に向かって東に進む。高草山の中腹、農道脇に注連縄と案内板がある(写真1)。駐車場なし。
高草山には、藤枝市岡部町三輪だけでなく、焼津市関方、方ノ上、策牛などにも「山の神」は祀られているようだが、三輪の「山の神」は、明らかに式内社「神神社」(藤枝市岡部町三輪)の磐座といえるもの。ここは「神神社」の飛地社有地であり、どうやら「神神社」の三輪鳥居が向いている方向にあるらしい。
毎年2月8日に「山の神祭り」が行われるが、まず紅白の御幣を立て、供え物を捧げ、神主が豊作を祈る祝詞をあげる。その後、竹に藤の弦を張った大弓に矢をつがえ、その年の山の安全や豊作を祈って射る。山の神は、この時に放たれた矢に乗って里に降り、田の神となるという。
小生が以前住んでいた吉備国では磐座だらけだったが、駿河国に来たら、「いかにも」というような磐座には出会っていない(遠江国には「天白磐座遺跡」(浜松市)や「粟ヶ岳山上の磐座」(掛川市)などがあるのに。)。三輪の「山の神」も、岩には形などに格別特徴はないように思えるし、巨岩を祀っているというよりは、ガレ場を三輪川の水源地として祀っているようにも思われる。関方の「山の神」には「ジャタイ」(藁で作った大蛇=竜神)を供えるというので、これも「山の神」は水神であることの証左となる。「神神社」の祭神である大物主命は蛇神=雷神であり、水神であるが、「神神社」を勧請したから「山の神」(磐座)を祀るようになったのか、水神を求めて「神神社」を勧請することになったのか、そこは興味のあるところである。


MURYさんの「岩石祭祀学提唱地」HPから(高草山)


写真1:「山の神」(藤枝市岡部町三輪)の入口。農道沿いに注連縄と説明板がある。


写真2:注連縄の下辺りが祭祀場所、奥に大きな岩が露出しているのが磐座と思われる。


写真3:せり出した岩。高草山の岩は、大崩海岸の岩と同じ玄武岩で、崩れやすい。
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