シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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ベームのロシア物ってどうなの?

2020年02月24日 | ドイツ以外の音楽
左上から ドヴォルザーク: 交響曲第9番《新世界より》ベーム VPO。  チャイコフスキー: 交響曲第4・5・6番《悲愴》ベーム・ロンドン響。 ベームの交響曲集。 右は1959年ザルツブルグの舞台裏にて (ドイツの無骨な指揮者と 男性向けファッション誌に登場するイタリアの伊達男?ジローラモのようにも見えますね)。
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2月9日 (日) の日本経済新聞の鈴木淳史氏によるコラム「名作コンシェルジュ」に紹介された「カール・ベーム指揮、 ロンドン交響楽団のチャイコフスキー後期交響曲」を読みました。

ベームは先ずモーツァルトの専門指揮者で、他 R.シュトラウス、ワーグナー、ベルクなどドイツ系作曲家についても一目置かれ、20世紀後半のドイツ・オーストリア指揮界で有名な指揮者です。 シューベルト『未完成』なども得意としていました。

日本にも70年代 ウィーン・フィルと何度か来日して名演奏を聴かせ、カラヤンと並ぶ人気がありました。 その彼がドイツ系以外の作曲作品を振るとなると、これは違和感があります。 存命中も 冒頭のドヴォ9・チャイコなどは不人気だったと記憶しています。

「名作コンシェルジュ」でも その演奏ぶりを諸手を挙げて褒めて書いている、という内容ではなかったですね __ “重厚で巨大なゴツゴツ・ドイツ風のロシア音楽” でした。
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かたや カラヤンは当初からドイツ系のみならず、多くの国々の作品を指揮し、それらの有名曲についても高い評価を得てきました。

いわば インターナショナルな活躍をする指揮者カラヤンと、ドイツ系作曲家に限定されるベームという対比が、冒頭右の写真にも表現されているといっても過言ではありません。 一見 カラヤンはラテン系のプレイボーイにも見えますし (この前年に3人目の妻を娶ったばかりで気が若くなった?)、ベームは野暮ったいドイツの銀行員か法学者のようにも見えます。

繰り返しになりますが その彼がドヴォ9・チャイコ、或いはフランス物を振るとなると、聴衆はどう期待するでしょうか? 並み以上の演奏にはなるのだろうが、どこか しっくりしないものを感じる、もしくは違和感を感じるのではないでしょうか。

名指揮者という人たちは、その名声を確立する過程で、得意曲目・不得意曲目はコレという実績を積み上げてきています。 そうした中で 冒頭のジャケット上2つの曲は、一般の人にお薦めする名演奏とはならないと想像します (聴いた事がないので)。

ベームの得意でないかも知れない曲も聴いてみたいという 彼の熱烈ファン以外にはオススメできません。 3つ目のジャケ ベームの交響曲集にも入ってないですね。 発売元もよく分かっていて、組み入れなかったものと思います。
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ウィキペディアから __ カール・ベーム (Karl Böhm 1894~1981) は、オーストリアの指揮者。 学位は法学博士 (グラーツ大学)。 称号はオーストリア音楽総監督、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団名誉指揮者。

1917年 グラーツ市立歌劇場でデビュー。 ワルターの招きにより、1921年よりバイエルン国立歌劇場の第4指揮者に転任。 ワルターはベームに多大なる影響を与え、特にモーツァルトの素晴らしさを教えた。 そしてまたベームもモーツァルトの権威として知られることになる。

1927~31年 ダルムシュタット市立歌劇場音楽監督に就任。 現代オペラの上演に力を注ぎ、特にアルバン・ベルクの『ヴォツェック』を指揮して絶賛され、ベルク本人との友情も芽生え、ベルク作品の世界的普及に尽力した …
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今日はここまでです。

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