
左から YouTube からの画像、ドヴォルザーク: 交響曲9番《新世界より》のジャケ。
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YouTube に往年の巨匠カール・ベーム (1894~1981) の指揮するドヴォルザーク交響曲9番『新世界より』が、約1年前の2021年1月に投稿されています (https://www.youtube.com/watch?v=iXXifoVTLjo)。 その説明欄に書かれている内容が __
「ドヴォルザーク 交響曲第9番ホ短調 作品95『新世界より』 カール・ベーム ウィーン・フィル 1978年5月18~20日 ウィーン楽友協会大ホール」
画像すぐ下にウィーン楽友協会 (※)、また UMG (Deutsche Grammophon (DG) の代理) が YouTube に使用を許可しているライセンス所持者 ともあり、投稿元は※?
亡くなる3年前 84歳の時の収録です。 観客を入れないホールで収録、サウンドを DG 社が CD として発売したものの映像版ですね。 映像品質は良好です。
ざっと聴いたところ、細かなパートの、管楽器での演奏が多少大きく聴こえるような、ちょっとゴツゴツ感・チグハグ感がありましたが、いい演奏だと思います。 でも あのモーツァルト指揮者のベームが … と思うと、向いてない気がしてきます。
同曲を指揮する 躍動感が溢れる中年の小澤の指揮ぶり (96年 タングルウッド https://www.youtube.com/watch?v=pBw3Cnwnwqs) と比べると キビキビ感がどうしても欠け、体が硬くなった老人の指揮と認めざるをえません。 それを見ながらの『新世界より』を聴くのは、少し辛いものがありますね。
この曲を得意にして煩雑に指揮していたとは思えないですから、CD もそれほど話題にならなかったはずです。 今 この映像もの DVD を発売しても売れないと想像します。
早くいうと 多くのファンが持っているベームのイメージではないのです。
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VPO を振って新世界を録音した指揮者に、他に クーベリック (1956)、ケルテス (61)、コンドラシン (79)、マゼール (82)、カラヤン (85)、小澤 (91) がいます。 今回 ネットで調べて初めて知った録音もあります。

上左から クーベリック盤、ケルテス盤 (2021年 再発 タワーレコード https://tower.jp/article/feature_item/2021/10/05/1110)、コンドラシン盤、マゼール盤、カラヤン盤、小澤盤 (ライヴ)
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という事はステレオ時代になってから 7人もの指揮者が VPO を指揮・録音して世の中に LP・CD が出ていますから、さすが 人気曲です。 よく知られているのはケルテス・カラヤン・小澤の3種だと思います。 でも 逆に考えると、小澤以降 30年余りも VPO の『新世界』の新盤が出ていないのですが、これは何を意味するのでしょうか?
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また クーベリック盤を制作した DECCA プロデューサーのカルショーが、こう述べています __「56年 クーベリックと初めて仕事をした。 とても魅力的な人物で、偉大な感受性を持った音楽家だったが、VPO に対して適切な睨みを効かせる事ができていなかった。 管制室での音があまりに散漫なので、マイクに何か故障が生じたかと思ったほどだが、ホール内の実際の音響も同じだった。 クーベリックがオケの手綱を握れなかったため、音が泳いでしまったのだ」(81年刊 カルショー著『レコードはまっすぐに』194p)
管制室=モニター・ルームで初めて聴くだけで、演奏の特徴をいい当てるのは、さすが名プロデューサーだけの事はありますね。 私はうまいか下手かしか判りません。 昔 大学オケの演奏を聴いて、明らかに技量不足の楽団が名曲に挑戦しているのが判り、ガッカリした経験があります。
後年 クーベリックは BPO と DG で同曲を録音しています (1972)。 確かに 集中力が少し欠けるようにも聴こえます。 BPO との8番は良かったのですが (1966)。
今日はここまでです。