シャンテ サラのたわ言・戯れ言・ウンチクつれづれ記

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悪魔が弾いて聴かせた曲?

2019年08月04日 | ドイツ以外の音楽
左上はムターの CD、左下はグリュミオーの LP。 右は三浦文彰 (https://www.youtube.com/watch?v=3A_i2eFOxrM&list=RD3A_i2eFOxrM&start_radio=1) の弾く「悪魔のトリル」。 全てネットから拝借。 中央上の絵は曲の由来を描いたもの。 中央下はトリル記号 (その音とその2度上の音を速く反復させて音を揺らす。 装飾音のひとつ)。
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「悪魔のトリル Il trillo del diavolo」、何ともオドロオドロシイ名称ですが、一度聴いてみたいと思う気分にさせられます。

妻にチラッと話したのが、間違いの元 __「知ってるわよ、それって美味しいの?」「えー … ??」「トリュフでしょ?」「違うよ 悪魔の ト リ ル だよ」「何よ、それ」「ヴァイオリン曲の名前だよ」__ ちょっと疲れましたね。 
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ウィキペディア __「悪魔のトリル」は、ジュゼッペ・タルティーニ (1692~1770) が作曲したヴァイオリンソナタ ト短調で、彼の作品の中で最も有名な傑作である。 タルティーニの夢の中で悪魔が出てきてヴァイオリンを弾き、その美しさに目が覚めてからすぐ書き取ったという伝説があることから「悪魔のトリル」と呼ばれるようになった (※追加1へ)。
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最初に聴いたのがムター盤 (1999年ライヴ DG) で、室内オケ (トロンヘイム・ソロイスツ) が伴奏していますが、あまり面白い曲・演奏とは思えず、印象に残りませんでした。 ザンドナーイ編曲とありますから、この人がオーケストレーション化したもので、伴奏は弦しか出て来ず、独奏が際立つようには聴こえませんでした __ 早くいうと いい編曲ではない?

ヴァイオリン界の女王のムターでも、この演奏はオススメしません。
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しかし 最近 ピアノ伴奏のグリュミオー盤 (1956年モノーラル PHILIPS) を聴いてみました。 すると 初めて面白い曲・演奏に感じました __ ヴァイオリンの妙技がはっきりと伝わってきます。 録音は半世紀以上前のオオブル盤ですが、全く古さを感じさせません。

96kHz/24bit Super Digital Transfer と書いてありますが、よく分かりません。 96kHz まで周波数特性を拡大した環境下で、アナログ音源を 24bit でデジタル変換し、その後 16bit に落とし込んで CD 規格に変換した特別処理盤ですよ、くらいしか想像できませんが、要するに 他の ADD よりも手間暇を掛けて CD 化しましたという事らしいです。

その甲斐はあったと思います。 これだけ面白く聴けるのですから。 第3楽章は確かに難しそうで、様々な技巧が駆使されているそうですが、何とも表現できないですね。 どうやって弾いてるのかもよく分かりません。
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冒頭右 若手日本人奏者の三浦文彰の2016年5月 東京・紀尾井ホール公演が YouTube に投稿されています。 ピアノ伴奏版で、録音も鮮明です。 再生 12万回を超えています。 完璧な演奏ですね。

第3楽章のトリル部分の演奏を “目を凝らして” よく見たのですが、シロウトの悲しさ よく分かりません。 装飾音というのは左指が素早く動きますから、未経験者はその難儀さが理解不能なのです。 (装飾音の) 音も小さいですからね。
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また 悪魔を題材とした楽曲って意外とあるんですね。 シューベルトの『魔王』、リストの『メフィスト・ワルツ』とか。 でも『魔王』以外はこれまで聴くことはなかったですね。「メフィスト (Mephisto) は、 第一義にはドイツの伝説上の悪魔・メフィストフェレスのこと 」(ウィキから)。 ゲーテの小説『ファウスト』で有名ですね。

今日はここまでです。


※追加1_ バロック期の作品ながら、今日のヴァイオリン演奏技術を以ってしても演奏至難な曲であり、ヴァイオリニストの必須のレパートリーでもある。

第3楽章 4/4拍子の緩やかなグラーヴェと2/4拍子の快活で情熱的なアレグロ・アッサイが交互に演奏される。 各アレグロ・アッサイの中 (計3回) に曲のタイトルにもなっている “悪魔のトリル” (Torillo del diavolo) があり、約18小節にわたり、全曲中最も演奏至難。 二重音式に書かれており、高音部がトリルを奏し続けている下でもう一本の旋律が独立して動く。

また カデンツァはモダン・ヴァイオリンで奏する場合フリッツ・クライスラー版が最も多く使われる。 ただし バロック・ヴァイオリンで奏する場合は奏者の即興演奏に任せたり、あるいはカデンツァ自体を省略することが多い。 最後の4小節の Adagio のうち後半2小節はもっぱら1オクターヴ上げて演奏される (バロック期の作品によく施される処置である)。 調性はト短調~ニ短調~ト短調が大まかな変化だが、途中に様々な調が出現している。 最後のコーダは聴く者に衝撃的な印象を強く与える。 アダージョとなり、ヴァイオリンが叫び声ともいえる悲痛な叫びを上げ、重圧なト短調の和音の進行で支えられながら劇的で悲劇的な幕を力強く閉じる。
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アルテュール・グリュミオー (Arthur Grumiaux, 1921~86) は、ベルギーのヴァイオリニスト。 そのレパートリーは、バッハやヴィヴァルディといったバロック音楽の作曲家をはじめとして、モーツァルトやベートーヴェン、ブラームスといった古典派やロマン派の協奏曲やソナタ、ヴィオッティの協奏曲、パガニーニの超絶技巧協奏曲やその他協奏作品、フランクやフォーレのソナタといった近代以降の定番や、ヴュータンのようなお国ものに加えて、ベルクやストラヴィンスキーのような20世紀の音楽までに及んでいる。 いずれの曲目においても、グリュミオー独特のヴァイオリンの艶やかな音色と、瑞々しいまでの抒情性が抜きん出ており、同時に気高い品格を感じさせるのがグリュミオーの演奏様式の特色である。 特に グリュミオーのヴィブラートはヴァイオリンの演奏史上最も美しいと称される。 著名な弟子にはオーギュスタン・デュメイがいる。
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三浦 文彰 (みうら ふみあき、1993~) は、日本のヴァイオリニスト。 東京都出身。 ウィーン在住。 3歳よりヴァイオリンをはじめ、全日本学生音楽コンクール東京大会などの国内大会で入賞を皮切りに、国際大会にも出場するようになる。 2009年 世界三大ヴァイオリン・コンクールのひとつである、ドイツ・ハノーファー国際ヴァイオリン・コンクールに史上最年少の16歳で優勝し、世界の注目を浴びる。

以上

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